三十年前、アメリカツアーに参加した時の事です。全国各地から参加したクリスチャンのツアーで、教会の礼拝やセミナーを含む観光ツアーでした。
6人位ずつのグループに分かれて、各々割り当てられたアメリカの教会メンバーの家で行われるスモールグループの集会と合流するプログラムがありました。
私はヴィンヤード教会の副牧師のスモールグループと合流するグループにいました。夕方出発しました。2,3倍の人数のアメリカ人と共に集会を持ちました。
集会と言っても日本のような堅苦しさはありません。広い部屋に円形に椅子が並んでおり、司会者が立つわけでもありません。誰かが中心となって導くわけでもありません。
皆一緒に神の前に静まり、声を出して祈る人も声を出さないで祈る人もいました。誰かが賛美し始めると、アメリカ人皆が声合わせて賛美の時となりました。日本人は黙って、その優しい時を味わっていました。
今まで体験した事がない、霊が癒されていくような空気の軽さを感じました。賛美が止まると、アメリカ人の一人が神のことばを語ります。預言です。そのことばが止むと、別のアメリカ人が預言します。それがしばらく続いて預言が止んだと思ったら、静かに神を讃える賛美が始まります。
こんな体験は初めてでした。神が今ここにおられる。聖霊が集会を導く主導者であって、天上の平安で満ちていました。皆の心は神に向けられ、ただ主だけを仰いでいました。
これが霊と真による礼拝なんだ、と思いました。優しい喜びに満ち、自由と解放を味わいました。
その集会の後でコーヒータイムをもって和んでいた時、アメリカ人の一人に神のことばがあり、その人は「日本人の中に腰痛に悩まされている人がいると言われます。長い間、腰の痛みを感じている方、その方手を挙げてください。祈ります。」と言われました。
突然ミニストリーが始まりました。40代の女性が手を挙げると、その周りにアメリカ人が数人集まり、祈りが始まりました。通訳者を通して日本人も心を合わせました。
一人ではなく、何人ものアメリカ人が交互に神に示された言葉をその姉妹に確認しつつ伝えていきます。
彼女は結婚指輪をしていたので、戸惑っていました。神は彼女が夫を亡くした悲しみを押し殺していて泣いた事が無かった、と示されたのに、結婚指輪をしていたからです。
クリスチャンの夫に生前、「クリスチャンは天国に行くのだから泣くな。葬儀の時も涙を見せるな。涙を見せると神の証にならない。」ときつく言われていたその姉妹は愛し尊敬していた夫の言いつけを守り、今まで涙を流さなかった事を告白しました。
アメリカ人は「あなたが堪えていた悲しみが腰に痛みを与えていた。泣きなさい。悲しい時は涙を流しなさい。あなたは悲しんでいい。涙を流していいんだ。」と神のメッセージを伝えました。
彼女の目から涙が堰を切ったように流れ出しました。号泣しました。そして、涙は止みました。その時、腰の痛みは消えていました。
その人の腰の痛みに日本人の誰も気づいていなかったのに、初めて会ったアメリカ人を通して神は癒しと解放を与えて下さいました。神ご自身が解決して下さいました。
ツアー中、その姉妹に確認しました。すると、以前から腰痛を抱えていてツアー中の飛行機や車の移動もずっと辛かった事、あの晩以降腰痛は全く無い事、また神が自分に心に留めておられた事を知り、過去ではなく前に向く新しい気持ちになった事を話されました。
神は真の医者です。肉体の痛みだけでなく、心の悲しみも取り除いて下さいました。神が憐れみ深いお方である事、そして、すべてを知っておられる真の父である事を、この体験を通してもっと知る事が出来ました。
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