ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

聖書の権威➄ーユダヤ人の役割 1ー


  アダムが神のことばに背き、死ぬ者となりました。

  神は、アダムとエバをそそのかした蛇(悪魔)の刑罰と、人から生まれる人の子(メシア)による救いを宣言されました。

  地に人が増え悪に傾くのをご覧になった神は、メシアを生む正しい人を見つけられない世をリセットされました。

  アダムの神を信じ畏れるノアとその家族を残して、すべての被造物を大洪水で洗い清めました。

  万物を造られた、アダムの神を知るノアとノアの家族から、世は再スタートしました。

  人が増え続ける世に、神は、メシアを生む民となる、神に仕える民族を造るための人を探しておられました。

  ひとり、ノアの神を畏れる正しい人を見出されました。アブラムです。

  主は、アブラムに語られました。

  「あなたは、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。そうすれば、わたしはあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。あなたの名は祝福となる。あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」

  アブラムは主がお告げになった通りに出かけました。

  カナンの地(現イスラエル)に入ると、主はアブラムに仰せられました。

  「さあ、目を上げて、あなたがいる所から北と南、東と西を見渡しなさい。わたしは、あなたが見渡しているこの地全部を、永久にあなたとあなたの子孫とに与えよう。わたしは、あなたの子孫を地の塵のようにならせる。もし人が地の塵を数えることが出来れば、あなたの子孫をも数えることが出来よう。立って、その地を縦と横に歩き回りなさい。わたしがあなたに、その地を与えるのだから。」

  不妊の妻サラとの間にまだ子の無かったアブラムに、「あなた自身から生まれ出て来る者が、あなたの跡を継がなければならない」と語られました。

  「さあ、天を見上げなさい。星を数えることが出来るなら、それを数えなさい。あなたの子孫はこのようになる」

  アブラムは主を信じました。主はその信仰を、彼の義と認められました。

  土地の所有者とするという契約が本当に実現するのだろうか、といぶかるアブラムは、土地の契約を保証するしるしを主に求めました。すると、主は語られました。

  「あなたはこの事をよく知っていなさい。あなたの子孫は、自分達のもので無い国で寄留者となり、彼らは奴隷とされ、四百年の間、苦しめられよう。しかし、彼らの仕えるその国民を、わたしがさばき、その後、彼らは多くの財産を持って、そこから出て来るようになる。
  あなた自身は、平安のうちに、あなたの先祖のもとに行き、長寿を全うして葬られよう。そして、四代目の者達が、ここに戻って来る。それはエモリ人の咎が、そのときまでに満ちることはないからである。」

  神が、アブラムをアブラハムに改名し、契約のしるしの割礼を命じられたので、アブラハムとアブラハムの家のすべての男子は割礼を受けました。

  その後、閉経していた不妊の妻サラに男の子が授けられました。主が約束された子孫の始まりとなるイサクは、神の計画によって生まれたのでした。

  アブラハム百歳、サラ九十歳のことでした。

  アブラハムの跡を継いだイサクに双子の男の子が生まれました。不妊の妻リベカのためにイサクが主に祈願して、身籠ったのでした。

  子が胎内にいる時、主はリベカに仰せられました。

  「二つの国があなたの胎内にあり、二つの国民があなたから分かれ出る。一つの国民は他の国民より強く、兄が弟に仕える。」

  その通り、弟のヤコブはアブラハムの神を求める者であって、神がアブラハムに与えられた契約と祝福を、弟のヤコブが受け継ぎました。

  このヤコブとその子達がエジプトに下り、その子孫が四百間、エジプトの地で奴隷となりました。アブラハムに告げられていた事が、妻サラのひとり子であるイサクの子ヤコブに成就したのでした。

  四百年経った頃、神は、レビ族のモーセとその兄アロンを立てて、エジプトの地で増え広がったヤコブの子孫イスラエルを奴隷の家エジプトの地から導き上りました。

  イスラエルをエジプトの奴隷の家から救い出されたアブラハム、イサク、ヤコブの神、イスラエルの先祖の神は、生ける真の神であり、アダムを造られた神、ノアを洪水から救い出された神でした。

 

  神は、モーセを通してイスラエルに、神の民となる掟と律法を授けました。イスラエルは、神の軛(くびき)を負い、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神に隷属する民として召されました。神はユダヤ民族をエジプト(この世)の奴隷から自由人とし、神の奴隷とされたのです。

  神は、イスラエルをアブラハムに約束したカナンの地に入れるために導かれました。カナンの地には、神と契約を結んだ先祖、アブラハム、イサク、ヤコブが眠っていました。

  神に仕える祭司の国民を神ご自身が造り上げていかれました。彼らは、神に導かれて、アブラハムに約束されたカナンの地(イスラエル)に入り定住しました。

  神は、メシアを地上に送るためにこの民族を造られました。ユダヤ民族は、神が目的をもって造られた、生ける神の国民でした。

 

 

 

    著作本『人はどこから来てどこへ行くのか』鍵谷著 (青い表紙の本)

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