ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

聖書の権威➅ーユダヤ民族の役割 2ー


  神が、ユダヤ民族にイスラエルの地を与え、イスラエル国家を形作られました。

  神から離れて他の国々のようになろうとすると、神は敵を送られて、イスラエルはたちまち国難に喘ぎました。

  神が目的を持って造られたユダヤ民族は、神の目的を果たさなければならないのです。

  神は、預言者を立てて数世代に亘って民に警告し続けておられました。その度に、王も国民も神に逆らい、神のことばを退け、預言者達を殺しました。

  十二部族のユダヤ民族は、十部族をアッシリアに捕囚されてしまい、彼らは国を失いました。

  残りの二部族もバビロンに捕囚され、彼らの都エルサレムは崩壊されました。そして、ユダヤ民族が仕えた全能の神の神殿も崩壊しました。

  ユダヤ民族の不義で汚されたイスラエルの地を、神は清められたのです。

  七十年の時が満ちて、バビロンの地で悔い改め、バビロンから帰還したユダヤ人は帝国の支配に苦しみながら、ユダヤ民族に約束されたメシアを待ち望んでいました。

  預言者の言葉によると、メシアは、ベツレヘムで処女から、ダビデの子として生まれるはずです。

  暗黒時代に神の約束は成就しました。アブラハムに約束された、地上のすべての民族の祝福となる子孫の誕生でした。

  彼は、神がアダムとエバを惑わした蛇に「彼は、おまえ(悪魔)の頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとに噛みつく」と語っておられた、悪魔を滅ぼす神の御子でした。

  悪魔を滅ぼすキリストが天から遣わされたのです。

  ユダヤ人の王として来られたイエスに、ヘロデ王は王権を乗っ取られる事を恐れました。


  三十歳頃から、イエスは公に神のことばを語り、癒しや奇跡等のしるしを現しました。神の祭司の国民として立てたユダヤ人に、天の父について、永遠のいのちについて、神の国について教え、地上のすべての民族に宣べ伝えるように命じられたのです。

  ローマに守られていたユダヤ人の祭司達は、民衆の心がイエスになびくのを見て、自分達の立場が失われる事を恐れました。

  上に立つ者の保身が民衆を扇動し、イエスを拒みました。ローマ帝国の重税で困窮する国民は、ローマ帝国の支配から救い出してくれるメシアを求めていました。

  イエスは、イスラエルが望んだメシア、期待していたようなメシアとは違っていました。

  苦しみの中で、イスラエルは、アブラハムに約束された、全人類の祝福となるメシアよりも、イスラエルをすべての国々から救い出し、守ってくれるユダヤ人のメシアを求めていました。

  ユダヤ民族は、メシアを生んだのに、自ら神に油注がれたキリストを十字架にかけて殺してしまいました。

  しかし、この事も神のわざでした。イエスは、祭司の王国イスラエルの祭司達によって、生贄の小羊となったのでした。神に油注がれた祭司の献げる生贄は、神に受け入れられるのです。

  神の怒りをなだめる全焼の生贄、罪の赦しのための生贄として、『ユダヤ人の王 ナザレのイエス』という罪状で屠られたのでした。

  墓に納められたイエスは、三日目に墓から甦られました。復活の体、霊の体で甦られたのです。まさしく彼は、死ぬことのない永遠に生きるキリストでした。

  復活のキリストを目撃したキリストの弟子達は、キリストの復活の証人として立ち、彼らも殉教しました。

  キリストを拒み信じなかった事で神の怒りを買ったユダヤ民族は、国を失い、やがて、ユダヤ人の弟子達にゆだねられたキリストの福音も、『新約聖書』とともに異邦人信者の手に渡ったのでした。

  これは、神による事でした。ユダヤ人の心を頑なにして、救いを異邦人に及ばせられたのです。

  神の契約を持っていない異邦人は、神とユダヤ民族との契約の上に建てられる神の救いの計画からズレてしまい、契約の民ユダヤ民族を排除したキリストの教会を立て上げてしまいました。

  キリストの教会は、アブラハムの契約の上に、人類の救いとして建てられるはずでした。ユダヤ民族との契約の成就として神の御子は、ユダヤ人の地に下られたのです。

  ユダヤ民族によって復活のキリストとなられた御子は、天に上られました。

  この復活のキリストが、イスラエルの王として、永遠に生きるメシアとして、再びイスラエルの地に来られる事が約束されています。

  ユダヤ民族には、このイスラエルの王を迎える役割があります。


  ユダヤ民族は、人類の救いのために、神と契約を結んでいるただ一つの民族です。

  ユダヤ民族は、キリストを生む母胎として造られた民族であり、すでにキリストを生み出しました。

  ユダヤ民族は、キリストの復活の証人として立てられた民族でした。

  ユダヤ民族は、イスラエルの王をイスラエルの地で迎えるために残されている民族です。

  ユダヤ民族の叫びによって、彼らの「主よ、来てください」との懇願によって、イスラエルの王は、イスラエルの地に来られるのです。

  イスラエルの王が地上に来られると、悪魔が取り除かれ、平和で安全な世となるのです。

  ユダヤ民族がイエスがキリストであると分からなければ、その事は起こりません。

  世界の平和の鍵は、ユダヤ民族の思いの覆いが取り除かれる事にかかっています。

  ユダヤ民族が神の御子を拒んだ事に気づき、悔い改め、神が造られた本来の姿、神の祭司の国民となるように、と執り成す事がキリスト信者の役割だと思います。

  ユダヤ民族は、十字架につけたイエスがキリストであった事を知り、このメシアを呼び求めて、地に救いをもたらす役割が残っています。

 

 

 

    著作本 『人はどこから来てどこへ行くのか』鍵谷著 (青い表紙の本)

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