ユダヤ民族は天に上られたキリストを地に迎えるために造られた、神に仕える民族です。
神がアブラハムに約束し、イサクの子孫ユダヤ民族に与えられたイスラエルの地は、主がいつも目に留めておられる地です。
神がご自分のために、人類の救いのために造られたイスラエルは、イスラエルの地で、アブラハム、イサク、ヤコブの神に仕えなければなりませんでした。
イスラエルの地は、全能の神が住まわれるために、神が選ばれた地です。
アブラハムを見出された神がアブラハムに行くように命じられた地、アブラハムの子孫に与えると約束された地でした。
イスラエルは、全能の神がご自分のために造られた、神の民でした。
神の民は、この世に仕えるのではなく、永遠の神、永遠の王に仕える神の祭司の国民でなければなりません。
神は、イスラエルを、被造物の初穂とされたのです。
ユダヤ民族に隠された神の奥義は、異邦人も救われるという事です。
イザヤが言っています。
「エッサイの根が起こる。異邦人を治めるために立ち上がる方である。異邦人はこの方に望みをかける。」
『ユダヤ人の王ナザレ人イエス』という罪状で十字架につけたイエスが、異邦人をも治めるキリストとして、イスラエルに与えられたメシアでした。
かつて荒野で、神に不遜な者達が神の怒りの蛇に噛まれて死んでいく中で、モーセの作った青銅の蛇を仰ぎ見た者達が生きたように、ユダヤ民族が木にかけたキリストを仰ぎ見る者は、異邦人であっても、生きるのです。
神の契約を持たない、無割礼の異邦人に隠された神の奥義は、ユダヤ民族に対する神の計画は失われてはいない、という事です。
異邦人が救われるために、今は神に敵対しているユダヤ民族ですが、神の選びによれば、彼らの先祖達のゆえに神に愛されている民族なのです。
イスラエル人の一部の心が頑なになったのは異邦人にキリストの救いが広まるためであり、異邦人の救いが完成される(神の子が定まる)と、その後、神の民イスラエルは皆救われるのです。
異邦人は知らなければなりません。神の賜物と召命とは変わる事がありません。
アブラハム、イサク、ヤコブとの契約は破られる事はなく、イスラエルは、最初から最後まで、神がご自分のために造られた神の民だという事です。
イスラエルは、全人類にあらわになった「神の子」の見本です。
神のうちに居るならば、祝福され繁栄し、神から心が離れると敵に囲まれ苦渋を舐めます。
ユダヤ民族がイスラエルの地に帰らせておられるのは、神です。神の導きに従った結果、イスラエルの地は祝福され、荒れ地は緑に溢れ、収穫は驚くほどです。
神が、ユダヤ民族に与えられ屠られた罪の生贄の神の子羊イエスの血、罪の贖いの血の契約の中に入る者には、神の平安が与えられます。神の助けがあります。
神が遣わされたメシア、キリスト・イエスを退ける者は自分の力で戦い、苦しみます。しかし、神に助けを求めるならば、イスラエルの神が彼らと共に戦われます。
イスラエルは、キリスト信者の希望です。
神がイスラエルに遣わされたイエスを信ぜず、キリストを退け神に逆らうユダヤ民族も、神に悔い改めるならば、神の祝福を体験するのです。
国を失うほど神に逆らっても、神は彼らを捨てられません。彼らの不信仰ゆえに多くの命を失うほどに神を怒らせても、神は彼らを見捨てられません。
神はイスラエルの傷を癒して直し、彼らを幸せにするために、苦しめられました。イスラエルは、神に愛された神の選びの民なのです。
キリスト信者は、イスラエルの歩みを見て、神の慈しみと厳しさを知ります。
栽培されたイスラエルの枝の中のあるものが折られて、その枝に混じって接がれた野生種のオリーブの枝であるキリスト信者(異邦人)は、オリーブの根の豊かな養分を共に受けているのです。
その枝に対して誇ってはならない、と言われています。枝が根を支えているのではなく、根(アブラハム、イサク、ヤコブの神、イスラエルの神の契約)がキリスト信者を支えているのです。
もし神が台木の枝(イスラエル)を惜しまれなかったとすれば、キリスト信者をも惜しまれないでしょう。
高ぶらないで、畏れなければなりません。神の慈しみの中に留まっていなければ、キリスト信者も切り落とされるのです。
神は、イスラエルを捨てられる事はない。これは、キリスト信者の希望でもあるのです。
失敗しても、神の道から外れたとしても、悔い改め神に立ち返るならば神は赦して下さるのです。これが、イスラエルを通して発信される神のメッセージなのです。
たとい、不信仰でキリストから離れていても、ユダヤ民族は、神を現すために地上に置かれた神の民です。
ユダヤ民族の歩みそのものが、神にへりくだる事の恵みを知らせています。ユダヤ民族の存在そのものが、神が愛である事を知らせているのです。
著作本 『人はどこから来てどこへ行くのか』鍵谷著 (青い表紙の本)
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