ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

聖霊の箱舟

 

  「天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によって成ったのであって、当時の世界は、その水により、洪水に覆われて滅びました。

  しかし、今の天と地は、同じみことばによって、火に焼かれるために取って置かれ、不敬虔な者どもの裁きと滅びの日まで、保たれているのです。」

 

  ペテロの言葉は、「キリストの来臨の約束はどこにあるのか。先祖達が眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか」と神の約束を嘲り、自分達の欲望に従って生活をする者達に向かって語られました。

 

  (キリストは、まだ来ないだろう。自分が地で生きている時代には、そのことは起こらないだろう)と考え、神にお会いする備えをしない者達です。

 

  ノアの時代の人々は、ノアとノアの家族が目の前で大きな箱舟を七十年の時をかけて造っているのを見て、嘲笑ったことでしょう。

 

  世界が大水の下に冠水する、なんてことは想像出来なかったのです。今まで、世界のどこで、そんなことが起こったことがあるのか。天から大水が降って来る?どういうことなのか。

 

  ノアが造っている大きな船は、どこで浮かぶのか。水は無いではないか。水のある所まで、この箱舟をどうやって運ぶつもりなのか。

 

  なんて、人生を無駄にしていることか。無駄な箱舟を造るために、人生を費やすとは。しかも、家族全員で毎日熱心に作業し続けているではないか。愚かなことだ。

 

  造り始めた頃は、人々もなんだなんだ、と驚き、本当に雨が降るのかと日々空を見上げていたのかも知れません。

 

  年寄りは死に、子どもが生まれ、世代が変わるうちに、人々の関心は薄れ、奇妙なものを見る気持ちになり、後から生まれた子ども達に教える頃には、滑稽な人達としてノアの家族が嘲りの対象となったことでしょう。

 

  しかし、その時は来たのです。箱舟を造り、神の声を聞き備えて来たノアと家族は、いよいよその時が来た、と信仰を持って箱舟に入りました。

 

  雨が降り始めました。それでも、人々はわかりません。神が選んだ動物たちもノアの家族も箱舟に入った時には、地域の人々が見物に訪れる大イベントとなったことでしょう。

 

  見物人達は、非常に多くの生き物がノアの作った箱舟に入るのを見ながら、これから彼らはどうする気だい、と嘲笑っていたことでしょう。

 

  しかし、振り出した雨は、ますます激しくなります。止むことはありません。今まで、こんな事は起こったことがありません。

 

  水かさは増え、家々に浸水して来ました。ノアの言っていたことは本当だったのだろうか。まさか、そんなことはあるまい。今まで、そんなことは起こったことはない。

 

  家畜や動物が大雨に流されて行きます。人も流されて行きます。人々の心は、恐れに満ちます。家々も流され、世界が冠水することが、でまかせや嘘では無かったと気づくのです。

 

  雨は、四十日四十夜降り続いて、世界は、水に沈みました。地球は、丸ごと水に覆われ、ノアの作った箱舟が浮かんでいるだけです。

 

  この時、世界は滅びました。

 

  やがて水は引き、地が乾き、アララテの山の上に留まった箱舟から出て、ノアとその家族と箱舟に入ったものたちから、リセットされた世界は、再スタートしたのです。

 

  現在の世界は、ノアの時代のようです。神を嘲り、神を信じる者達を蔑み、自分達の欲望に従って生活しています。

 

  キリストが来ると言うが、いつ来るのか。世はどんどん悪くなるが、裁くものはいない。神を畏れず、好き勝手している者が、栄え、世界を動かしているではないか。

 

  悪者が私腹を肥し、正しい者が端に追いやられ、正しいことの報いを受ける事が無い。これっておかしくないですか。しかし、力ある者は、耳を貸さない。悪事が横行する世界では、悪だくみを図る者が英雄となる。

 

  このような状況下では、真面目に生きることが馬鹿馬鹿しい。人々の価値観は壊れ、欲望に従うことが良いとされる。

 

  世の人々は知らない。かつて大水で世界を滅ぼした神は、今も生きておられ、今の世界をご覧になっており、次は火で滅ぼす計画をお持ちであることを、知らないのです。

 

  ノアの時代、世界を滅ぼす大水なんて天から降る事はないと信じて、ノアの箱舟を嘲笑いました。

 

  現在の人々は、天から火が降るなんてことは起こらないと高をくくっています。

 

  天と地が滅びると聞いても、自分が生きている時代には起こらない、と安心します。そういう言葉に躍らせられない方がいい、と忠告します。

 

  神には、時があります。罪が満ちるのを待っておられるのです。好きなように生きている人々に黙っておられるのは、彼らを滅ぼすことを決めておられるからです。

 

  「あなたがたは確かに聞きはするが、決して悟らない。確かに見てはいるが、決してわからない。この民の心は鈍くなり、その耳は遠く、その目はつぶっているからである。

  それは、彼らがその目で見、その耳で聞き、その心で悟って、立ち返り、わたしに癒されることの無いためである。」

 

  ノアの時代に、世界を滅ぼした神は、いまの天と地を裁きの時まで取って置かれ、裁きの日には、世界だけではなく、天も地も宇宙も被造物全体を、悪魔の刑罰のために造られた永遠の火の池で、焼かれるのです。

 

  非現実的だと思うことも、神にはたやすいことです。神は地球規模で試みに合わせて、真に神を信じる者達を、目に見えない聖霊の箱舟の中に招かれるのです。