イスラエルは、被造物の初穂です。初穂が聖ければすべては聖い、と主は言われます。
イザヤ書49:13~16には、こう書かれています。
「天よ。喜び歌え。地よ。楽しめ。山々よ。喜びの歌声をあげよ。主がご自分の民を慰め、その悩めるものを憐れまれるからだ。
しかし、シオンは言った。『主は私を見捨てた。主は私を忘れた』と。
『女が自分の乳飲み子を忘れようか。自分の胎の子を憐れまないだろうか。たとい、女達が忘れても、このわたしはあなたを忘れない。見よ。わたしは手のひらにあなたを刻んだ。あなたの城壁は、いつもわたしの前にある。』」
神は御自身の被造物である天と地に、喜びの声をあげるように、語りかけられました。それは、主が御自身のために造られたイスラエルの民の背信の罪を赦し、イスラエルの地から散らして異国の地で苦しみ傷ついた民を慰め、民の嘆きと痛みを憐れまれるからです。
イスラエルの回復によって、被造物も滅びの束縛から解放され、神のみわざの栄光の自由の中へと導かれるのです。初穂のイスラエルの回復は、人類全体の贖いを完成させます。被造物も、切実な思いで神の子ども達の現れを待ち望んでいるのです。天も地も喜び歌え。その時が来るからです。
しかし、神に打たれたイスラエルは、神を仰ぐことが出来ませんでした。苦しみの中で、主を見失っていました。「主はイスラエルを見捨てた。主はイスラエルを忘れたのだ。」イスラエルは、希望の光を失っていました。神が遠くに行かれたように思っていました。
しかし、主は、主のしもべヤコブ(イスラエル)を贖われた、と宣言されます。イスラエルは、頑なな民でした。イスラエルの背きと不信の罪によって、神は怒って、イスラエルから顔を背けておられました。しかし、神は優しく語り掛けます。
「女が、自分が産み、ふところに抱き乳を飲ませた乳飲み子を忘れるだろうか。自分の胎の子を愛おしく思わないだろうか。たとい、子どもをはらんだ女達がその子を忘れるようなことがあっても、このわたしはあなたを忘れない。
見よ。わたしの手のひらに、あなたの罪を赦すための十字架の傷を刻む。わたし自身が、あなたを敵から守るあなたの城壁となる。」
「わたしは、あなたがきっと裏切ること、母の胎内にいる時から背く者と呼ばれることを、知っていた。わたしは主、正義を語り、公正を告げる者。以前からこれを告げていたのは、わたし、主ではなかったのか。わたしのほかに神はいない。正義の神、救い主、わたしをおいてほかにはいない。」
イスラエルを贖う、その聖なる方、主は、人に蔑まれている者、民に忌み嫌われている者、虐げられている者に語られます。「主が真実であり、イスラエルの聖なる方があなたを選んだからである。」
イスラエルに語られる主は、初穂の民イスラエルを通して、すべての被造物に語っておられます。「地のすべての者よ。わたしを仰ぎ見て救われよ。わたしが神である。ほかにはいない。」
「あなたがたは皆、羊のようにさまよい、おのおの、自分勝手な道に向かって行った。しかし、主は、あなたがたのすべての咎を神の子羊イエスに負わせた。彼は痛めつけられた。彼は苦しんだが、口を開かない。屠り場に引かれて行く子羊のように、彼は口を開かない。彼は暴虐を行わず、その口に欺きは無かった。しかし、虐げと裁きによって、彼は取り去られた。彼は多くの人の罪を負い、背いた人達のために執り成しをする。」
神は、人が裏切ることを承知しておられました。しかし、人を愛する神の愛は、変わることがありません。人は、その愛に応答するだけです。
「わたし、このわたしが、あなたがたを慰める。あなたは何者なのか。死ななければならない人間や草にも等しい人の子を恐れるとは。
天を引き延べ、地の基を定め、あなたを造った主を、あなたは忘れて、一日中絶えず、虐げる者を恐れている。まるで滅びに定められているかのように、虐げる者を恐れている。あなたがたの主への信仰はどうしたことか。
わたしは、あなたの神、主である。あなたをかたち造った主である。わたしの愛を信じなさい。わたしは悪魔に捕らえられた捕らわれ人を、解放しよう。あなたは、死んで穴に下ることがなく、パンにも事欠かない。あなたの魂は滅びることなく、パンは与えられ、水は確保される。」
神の偽りのない愛を信じ、神に目を向け、御顔を仰ぎましょう。
あなたを贖う主は仰せられます。
「わたしはほんのしばらくの間、あなたを見捨てたが、大きな憐れみを持って、あなたを集める。怒りが溢れて、ほんのしばらく、わたしの顔をあなたから隠したが、永遠に変わらぬ愛をもって、あなたを憐れむ。」
神の愛は、変わりません。
「たとい山々が移り、丘が動いても、わたしの変わらぬ愛はあなたから移らず、わたしの平和の契約は動かない。」とあなたを憐れむ主は仰せられます。
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