ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

十本の角と七つの頭の獣

 

 ダニエル書2:31-45で、ダニエルが解き明かしたネブカドネザル王の夢。一つの大きな像は巨大で、尋常ではない輝きを放つ恐ろしい像でした。頭は純金、胸と両腕とは銀、腹とももとは青銅、すねは鉄、足は一部が鉄、一部が粘土でした。

 

 純金の頭はネブカドネザル王のバビロニア帝国、銀の胸と両腕は、メディア帝国とペルシア帝国、青銅の腹とももはギリシア帝国とローマ帝国と神聖ローマ帝国、鉄のすねはオスマン帝国、一部が鉄一部が粘土の足は復興するイスラム帝国を表していると思われます。

 

 像で見た7~8つの帝国を、ダニエル書2:38-40節では、四つの国に分けられています。第一の国がバビロニア帝国、第二の国を第一の国に劣るもう一つの国、第三の国は全土を治める青銅の国、第四の国は先の国々を打ち砕く鉄のように強い国、そして鉄と粘土が混じり合った国であるとしています。

 

 ダニエル書7:4-8では、ダニエルが見た幻に、四頭の大きな獣が出ています。第一に獅子のような獣、第二に熊に似た獣、第三に豹のような獣、第四に非常に強くて大きな鉄のきばを持ち十本の角を持つ獣が現れました。これら四頭の獣は、地に起こる四人の王であることが示されています。

 

 ネブカドネザル王が見た巨大な像の夢と、その解き明かしでダニエルが語った四つの国と、ダニエルが幻で見た四頭の大きな獣は、同じものを表しています。これは中世のための預言であり、後世のための預言でもあるのです。聖書は普遍の書です。いつの時代の人にとっても真理であり、預言なのです。

 

 また、ダニエル書8章には、ダニエルが見た雄羊と雄山羊の幻のことが書かれています。20節には、「雄羊の持つ二本の角は、メディアとペルシアの王である」とあります。21節には、「毛深い雄山羊はギリシヤの王であって、大きな角を持つ第一の王である」とあり、23節で雄山羊の大きな角が折れると、その国から四つの国が起こり、この四つの国々の治世の終わりに、その中から横柄で狡猾なひとりの王が立つことが解き明かされています。

 

 ダニエル書2:38-41と、7:4-8を照らし合わせてみます。後世では、中世に働いた帝国の霊として捉えます。2章では、第一の国がバビロニア帝国の霊、第二の国がバビロニア帝国の後のペルシア帝国の霊、第三の国がギリシア帝国の霊、第四の国がオスマン帝国の霊となります。7章では、8:20を参考にしてみると、第一の獣がメディア帝国の霊、第二の獣がペルシア帝国の霊、第三の獣がギリシア帝国の霊、第四の獣がオスマン帝国の霊と捉えられます。

 

 これらの四つの示しを照らし合わせてみると、世界を率いる国として、四つの大国が立つことを示しているようです。これが世の終わりに現れる国であり、また、世の終わりを悟り備えるためのしるしでもあるのです。

 

 第一にアメリカが力を得ます。バビロニア帝国の霊によって事は運ばれます。メディア帝国の霊によって立つ国です。第二にロシアが力を得ます。ペルシア帝国の霊によって立ちます。第三にギリシア帝国の霊によって立つ中国です。全土を治める権威を持つ雄山羊の国です。第四にオスマン帝国の霊によって立つ反キリストの国です。これはまだ、現れてはいません。中国が主権を持ち、中国の強い指導者が亡くなった後で現れます。

 

 反キリストは、十の国を征服します。中東の十の国、アブラハムが神から与えられたカナンの地に属する領土を所有する十の国です。創世記15:18で、神、主は、アブラムと契約を結んで仰せられました。「わたしはあなたの子孫に、この地を与える。エジプト川から、あの大川、ユーフラテス川まで。」反キリストが征服する十の国に、イスラエルも入ります。イスラエルは陶器師である神の手の中にある粘土です。反キリストの国は、鉄のように強いイスラム教徒の国ですが、一部粘土であるユダヤ教徒のユダヤ人が混じっています。これらは団結することはありません。

 

 第四の国に立つひとりの指導者は十の国の王となってオスマン帝国は復興し、イスラム教徒のイスラム帝国として姿を現します。この指導者は、十本の角を持つ獣(反キリスト)です。

 

 七つの頭は、バビロニア帝国の霊、メディア帝国の霊、ペルシア帝国の霊、ギリシア帝国の霊、ローマ帝国の霊、神聖ローマ帝国の霊、オスマン帝国の霊の七つの帝国です。

 

 終わりの時代に、これらの七つの帝国の霊が働き、十本の角を持つ獣(反キリスト)が立つと、七つの頭の獣として七つの帝国は一つの姿で現れます。

 

 神聖ローマ帝国は、ずっと世にいました。バチカンであり、ローマ教皇は、世界に精神的権威を持ち続けて来ました。姿を隠してはいません。神聖ローマ帝国の霊としてではなく、神聖ローマ帝国として存在し続けています。

 

 バビロニア帝国の霊は、姿を隠して働いて来ました。メディア帝国の霊によってアメリカを作り、世界の王者としました。アメリカはバビロニア帝国の霊が作り出したのです。バビロニア帝国の霊は、ペルシア帝国の霊によってロシアに力を与えました。バビロニア帝国の霊は、ギリシア帝国の霊によって中国に知恵を与え、デジタル化世界を構築します。中国共産党に経済力と主権を与えます。バビロニア帝国の霊は、ローマ帝国の霊によって、反ユダヤ主義の働きを世界に起こします。神聖ローマ帝国の霊は、バビロニア帝国の霊とともにあって、バチカンに王座を構えています。そして、世界をキリストの真理から遠ざけています。バビロニア帝国の霊は、オスマン帝国の霊によって、十本の角を持つ獣(反キリスト)を立てます。彼は忠実に悪魔に仕えます。彼は悪魔礼拝者なのです。

 

 悪魔が、この七つの帝国を支配する者です。忠実なしもべである十本の角を持つ獣(反キリスト)に七つの帝国の権威を授けます。それで、十本の角を持つ獣は、オスマン帝国の復興に留まらず、七つの帝国の王となるのです。そして、悪魔は彼を純金の頭の最も強いバビロニア帝国のバビロンに拠点を設ける権力者にします。

 

 十本の角と七つの頭の獣は、アブラハムの約束の土地であるカナンの地の王として立ち、七つの帝国の権威を持つ恐ろしい主権者です。十の国は反キリストの国です。彼は、ダニエルの言う荒らす忌むべき者であり、キリスト教徒の間で『反キリスト』と呼ばれている者です。