ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

不法の秘密を引き止める者

 

 「誰にも、どのようにも、騙されないようにしなさい。何故なら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないからです。彼は、すべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ、神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。

 私がまだあなたがたのところに居たとき、これらのことをよく話しておいたのを思い出しませんか。

 あなたがたが知っているとおり、彼がその定められた時に現れるようにと、いま引き止めているものがあるのです。不法の秘密はすでに働いています。しかし今は引き止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです。」(テサロニケⅡ2:3-7)

 

 「反キリスト」の出現の時のことを言っています。クリスチャンは、再臨待望と言って、キリストの再臨を待ち望んで来ましたが、主の日(地上再臨、主がオリーブ山に立たれる日)は、滅びの子(反キリスト)が世に現れなければ来ないと言うのです。

 

 反キリストは、神々を憎み、自分を神よりも高く上げ、神の宮に座を設け、自分を神として、人々に礼拝されることを望む滅びの子です。彼は、世界に覇権を握る卑劣な指導者です。

 

 反キリストは、神が定められた時に現れます。黙示録9:15に、「すると、定められた時、日、月、年のために用意されていた四人の御使いが、人類の三分の一を殺すために解き放された」とあります。

 

 イエスはマタイ24:35,36で、「この天地は滅び去ります。しかし、わたしのことばは決して滅びることがありません。ただし、その日、その時がいつであるかは、誰も知りません。天の御使いたちも子も知りません。ただ父だけが知っているのです」と言っておられます。

 

 主が来られるのがいつかは、イエスも知らないと言われました。それなのに、第三次世界大戦の日付は定まっているようです。定められた年、月、日に起こります。この「時」は、聖徒の祈りによって変動するようなものではないようです。この第三次世界大戦の最中に反キリストが、世に現れるのです。

 

 神の法を捻じ曲げる不法の人、すなわち滅びの子「反キリスト」が現れる前に、背教が起こります。反キリストの拷問によって背教するのではなく、反キリストが現れる前に信仰を捨てる背教者が多く起こるようです。

 

 イエス・キリストの御名を呼ぶスピリチャルな人や預言者という人が、多く現れるようです。キリスト教会では聞いたことのない、真理の深いところを語る人かもしれません。最近、宇宙とか宇宙人とか異星人とか未来人とか創造主とか、スピリチュアルなことに思いが繋がる人が多く現れていると思います。神を信じていなかった人々にも受け入れられています。

 

 神やイエスに敵対しているつもりではないのに、いつの間にか引っ張られて、永遠のいのちから遠く離れたところに迷い込んでしまうこともあるでしょう。新しい宗教を求めたのではなく、聖書の延長で真理を求めたつもりが、霊の網にかかってしまうということがあるのです。

 

 イエス・キリストを捨てて、別物を信じたつもりはないのに、十字架の救いを見失ってしまいます。不法の人が現れる前の背教は、巧妙なものです。背教してしまったと気づかないで、いのちの道から外れているのです。

 

 大患難期の反キリストの像を拝んだり、獣の刻印を受けたり、というような、これをしたら信仰を失ってしまうという、分かりやすい背教ではありません。自分でも気づかないうちに救いの外に出てしまう、という紛らわしい背教です。惑わされてしまうのです。

 

 イエスご自身も言っておられます。

 「人に惑わされないように気をつけなさい。わたしの名を名乗る者が大勢現れ、『私こそキリストだ』と言って、多くの人を惑わすでしょう。戦争のことや戦争の噂を聞くでしょうが、気をつけて慌てないようにしなさい。これらは必ず起こることです。しかし、終わりが来たのではありません。」

 

 不法の秘密はすでに働いています。イエスの時代から、その前から働いているのです。人類が罪におちた時、蛇の言葉に惑わされました。悪魔は言葉を使って巧みに惑わすのです。エデンの園から追放されたアダムとエバもその子孫も、惑わす者に囲まれて地上で生きているのです。

 

 惑わすことを目的とした滅びの子らの組織もあります。悪魔礼拝者の組織です。彼らは、人類を滅ぼし世界を滅ぼし、神の御子イエスとイエスの弟子を滅ぼします。神の聖徒を絶滅して、神の計画を阻止しようとして働きます。彼らは、神に敵対する者だからです。

 

 しかし、彼らが公に働くことが出来ないように、また、悪魔の働きをする不法の子反キリストの出現を引き留めている者があります。不法の秘密はすでに働いているのに、今は引き止める者があって、自分が取り除かれる時まで引き止めているのです。

 

 それは、イエス・キリストの御名によって祈る聖徒たちです。彼らの祈りは、光です。神のことばが語られ、神が賛美され、神が感謝されるたびに、悪魔の力はしなえてしまうのです。

 

 聖徒たちはそのことを自覚していません。しかし、悪魔のわざを引き止める力を持っているのです。地上の聖徒たちが感謝するといのちの光が放たれます。賛美すれば神の栄光が輝きます。イエスの御名で祈れば天が開かれます。感謝、賛美、祈りは、神が与えた天に属する者の武器です。神の御霊が働かれるからです。

 

 聖徒たちは不法の人が現れるのを引き止めている自覚がありません。不法者(悪魔)と戦っている意識もありません。しかし、彼らが世に存在することは、地上の光です。闇は光に打ち勝つことができません。光は闇に打ち勝つのです。

 

 しかし、時は進んでいます。神が聖徒たちを天に引き上げる時が来ます。携挙です。聖徒たちが引き上げられると、地上から、感謝も賛美も祈りもなくなります。残された人々は、ただうろたえるだけです。光を放つ聖徒らが取り去られた世は闇です。主と心一つにした御霊の宮なる忠実な聖徒らは、不法の人を見ることなく、天に帰るのです。

 

 残された人々のために、神はふたりの証人と十四万四千人のユダヤ人を立てて、人々に光を与えられます。神に立ち返る人々は、その光(神のことば)を頼みとします。