ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

天のものと地のもの

 

 地に生まれた者は、天のことを知りません。天にあるものを見た人はいません。地の世界が、彼らの住まいです。

 

 科学が発展して、宇宙を探ります。しかし、この宇宙も地のものなのです。地球に住む者は地球が地であり、宇宙は天だと思っています。人間が天だと思っている宇宙は、闇です。闇は地に属し、地は闇に属するのです。

 

 聖書にある天とは、神の御座のある光です。神の御住まいの第三の天であり、天の天なのです。

 

 地には、多くの神々がいます。天の神は、神々の上に立つまことの神です。神の神、主の主なのです。神の神が住まうところが、聖書にある天です。

 

 第三の天は、光であり、永遠の場所です。かつて、天使長ルシファーも光の中で神に仕えていました。この光は永遠であり、永遠の昔から存在し、これから後も永遠に存在するものです。天があるだけで、地はありませんでした。

 

 ルシファーの反逆により、天使長ルシファーと彼とともにいる天使たちは、天から追放されました。彼らの輝きは消えました。彼らの罪が闇を生み出しました。

 

 闇は天から出た者たちの住まいとなりました。彼らが飛び回るほどに、闇は膨張していきます。

 

 悪魔となったルシファーは、神よりも高くなろうとしました。神の統治から外れて、自分が主権者になろうとしたのです。ルシファーは御使いであって、神ではありません。創造することができません。神のものを盗むことしかできません。

 

 御使いも神の被造物です。神の目的によって造られたものでした。神に忠実に仕える者として、存在を得たのです。しかし、天使長ルシファーは、創造主より偉くなろうとして神に反逆しました。

 

 創造主の目的から外れたルシファーは、天で存在価値を失いました。値打ちのないものとなったのです。ルシファーは自ら、いのちの神のからだから外に出ました。天から落ちたのです。そして、悪魔となりました。光から出た悪魔は、闇の存在です。光の中では存在できないものです。神のご性質と相容れない異物となってしまいました。

 

 悪魔は主権を求めて、闇の主権者となりました。悪魔は神になりたい者なので、神のように自分を天の存在としました。それが、第二の天です。悪魔が住まう宇宙です。

 

 人間は、宇宙に思いを向けます。広大無辺な宇宙はとても神秘的なものです。学者たちが天文学的数字ではかることをしても、それを思い描くのはあまりにも遠くて、現実離れしています。宇宙に比べたら、人間はミジンコよりも小さく弱々しい存在です。広大な宇宙の中のひとつの星、地球から宇宙を解明しようとします。

 

 人間は太陽に崇敬の思いを込めます。月や星々に魂を飛ばし、宇宙を味わいます。太陽系銀河だけではないことを知り、他の銀河に思いを向けます。終わりのない旅です。

 

 人間には理解できない自然の摂理が働いていることに思いを至らせます。自然の摂理の向こうを知りたいと思います。自然の中に意思を感じとるからです。意思を持つ存在があるのではないのかと思うのです。

 

 学者は、人間の理解に落とし込もうと捉えます。専門の知識の無い人々は、魂で捉えようとします。そして、そこに目には見えない存在を感じ取ります。魂で捉えた人間は、宇宙に神々の力のようなものが存在すると考えます。

 

 しかし、宇宙も闇です。闇の中に神はおられません。闇に居るのは、天から追放された堕天使です。

 

 コリントⅡ 11:14,15に、「サタンさえ光の御使いに変装するのです。ですから、サタンの手下どもが義のしもべに変装したとしても、格別なことはありません。」とあります。

 

 悪魔は神になりたいのです。皆に崇められたいのです。礼拝されたいのです。彼は、闇の支配者であって、宇宙の神として鎮座します。人間にとって、宇宙は天なのですから、悪魔は天の神様を演じます。

 

 地の上には、大空が広がる天があります。人間は、これを天として認識します。天には、太陽があり、月があり、星々があります。第一の天です。

 

 悪魔は自分の住まいの宇宙に思いを向けさせます。闇が広がる世界です。人間は、宇宙を天だと思います。地の上の天の上の天です。人間の及びもつかないところです。

 

 しかし、それは天ではありません。闇です。まことの天は、光です。神の御座のあるところが、唯一の天なのです。

 

 光は神が統治し、闇は悪魔が支配しています。宇宙は闇であり、人間は闇に属しているのです。光はいのち、闇は死です。

 

 人間が「天だ。」と思って仰いでいた宇宙は、本当の「天」ではありませんでした。人間は天を知りません。

 

 まことの天から来られた光があります。天の光の栄光を、地に輝かせられました。宇宙が天だと考える人間には、聞いた事も頭に浮かんだ事もないことです。

 

 天から来られた神の御子イエスは、人間が頭に思い浮かぶ事もなく、見た事も聞いた事もない不思議を語りました。イエスは、この不思議が真理だと言われます。そして、光で見た事、聞いた事、味わった事を、地に住む人々に教えられました。また、病人を癒し、悪霊を追い出し、死人を生き返らせ、人間わざではない、不思議としるしを現されました。

 

 これは、権力によらず、能力によらず、神の霊によって成されました。イエス・キリストは、神の霊とともに地上を過ごされたのです。地上の人々に神の御国を見せてくださいました。人々は、神の御国を味わったのです。

 

 まことの天は、全き光であり、神の御国です。永遠に生きるものの世界です。まことの天は、目には見えません。しかし、天から来られたイエスによって証された場所であり、イエスが約束されたもうひとりの助け主、御霊がひとりひとりに証してくださいます。天から来られた方によって知ることができるのです。

 

 天のものとは、神のもの。地のものとは、悪魔のものなのです。神は、宇宙とは別の次元におられます。心の目を開いて見えるようにされるものです。それは、神の霊によって実現するのです。