ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

ヤコブの家に加わる

 

 「まことに、主はヤコブを憐れみ、再びイスラエルを選び、彼らを自分たちの土地にいこわせる。在留異国人も彼らに連なり、ヤコブの家に加える。」(イザヤ書14:1)

 

 ヤコブは、アブラハムの子イサクの相続人です。神は、イサクの子が「アブラハムの子孫」と呼ばれると言われました。

 

 イサクは正妻サラのひとり子。イサクの兄イシュマエルは、サラの女奴隷ハガルの子です。イシュマエルは、アブラハムが神から「多くの国民の父」また「父は高められる」を意味する「アブラハム」という名前をいただく前、「アブラム」であった頃の子どもです。

 

 神はアブラムに仰せられた。

 「わたしは全能の神である。あなたはわたしの前を歩み、全き者であれ。わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に立てる。わたしは、あなたをおびただしく増やそう。」(創世記17:1,2)

 

 この時、すでにイシュマエルは生まれていました。アブラムがひれ伏すと、神はアブラムに告げて仰せられた。

 「わたしは、この、わたしの契約をあなたと結ぶ。あなたは多くの国民の父となる。あなたの名は、もう、アブラムと呼んではならない。あなたの名はアブラハムとなる。

 わたしが、あなたを多くの国民の父とするからである。

 わたしは、あなたの子孫をおびただしく増やし、あなたを幾つかの国民とする。あなたから、王たちが出て来よう。

 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に、そしてあなたの後のあなたの子孫との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。わたしがあなたの神、あなたの後の子孫の神となるためである。

 わたしは、あなたが滞在している地、すなわちカナンの全土を、あなたとあなたの後のあなたの子孫に永遠の所有として与える。わたしは、彼らの神となる。」(創世記17:3-8)

 

 神は、アブラムを「アブラハム」と新しい名前で呼ばれた後で、アブラハムの家のすべての男子に割礼を命じました。包皮の肉を切り捨てる、この割礼が、神とアブラハムの間の契約のしるしとされたのです。

 

 女奴隷ハガルの子イシュマエルは、まだ、神との契約のしるしの割礼が無かったアブラムの子どもです。イシュマエルは、神の約束の子ではありません。神から出た子どもではなく、アブラムの肉の願望で生まれた子どもでした。イシュマエルが割礼を受けたのは、十三歳の時のことでした。

 

 サラの子イサクは、神との契約のしるしである割礼を持つアブラハム(多くの国民の父)から生まれた、神の約束の子です。閉経した九十歳のサラから生まれた、奇跡の子どもです。神が、神のご計画によって、アブラハムに与えた子どもでした。イサクは生まれて八日目に割礼を受けました。契約のしるし(割礼)のある父アブラハムから生まれ、八日目に割礼を施されたイサクは、神の契約のうちに生まれた子どもです。

 

 神はアブラハムに仰せられた。

 「あなたの妻サラが、あなたに男の子を産む。あなたはその子をイサクと名づけなさい。わたしは彼とわたしの契約を立て、それを彼の後の子孫のために永遠の契約とする。

 わたしは、来年の今頃サラがあなたに産むイサクと、わたしの契約を立てる。」(創世記17:19,21)

 

 また、神は、「イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれる。」と言われました。(創世記21:12)イサクには、双子の男の子が生まれました。神は、弟ヤコブを選び、兄エサウを退けられました。

 

 神は、ヤコブにアブラハムの契約を相続させられました。ヤコブの十二人の息子(十二の族長)が、神とアブラハムとの間の契約を受け継ぐユダヤ民族となりました。ヤコブは、ユダヤ民族の父であり、イスラエルです。

 

 神は、イスラエルを選ばれたのです。モーセを通してイスラエルに神の民としての掟を与えられました。イスラエルは、神が造り、神が選ばれた、神に仕える祭司の国民です。彼らは、キリストを生む民族なのです。

 

 しかし、彼らも人間です。この世を生きる人々です。彼らは他の国々のようになろうとして、神から心が離れて、何度も罰せられました。

 

 極めつけは、神が預言者たちに語り、ダビデが詩編に書いたメシア、また、モーセが、「神である主がイスラエルのために立てる、私のようなひとりの預言者があなたがたに語ることをみな聞きなさい。その預言者に聞き従わない者は誰でも、民の中から滅ぼし絶やされる。」と語ったキリストを見て、神の御子イエスのことばを聞き、彼のわざを体験しながら、信じなかったことです。神から遣わされた神の子羊イエス(ナザレのイエス)を、キリストとして認めず、受け入れなかったことです。

 

 神は、アブラハムに約束した契約の子、御自身のひとり子を遣わすために、ヤコブ(イスラエル)を生んだのに、イスラエルは、神の御子イエスを憎みました。それで、イスラエルは国を失い、千八百年以上の間、異国の寄留者となったのです。

 

 ユダヤ人は、国々で憎まれ、心の拠り所は、律法を与えた神でした。イスラエルの神は、どこの国に寄留しようと、御自分の民をご覧になっています。時が満ちて、ユダヤ人の中にも、イエス・キリストを主と告白する者が現われました。

 

 主はヤコブ(契約したアブラハム、イサク、ヤコブの子孫)を憐れみ、再びイスラエルを選び、彼らを自分たちの土地に憩わせられるのです。現在、イスラエルの地に、ユダヤ人が帰還し、イスラエル国家を築いています。イスラエルは、神が彼らに与えた土地です。また、神の御子キリスト・イエスが天から来られて、全地を治められる国です。

 

 契約の無かった無割礼の民も、イエス・キリストの十字架の贖いの血によって、神の民の中に加えられます。在留異国人もイスラエルに連なり、ヤコブの家(神と契約を結んだ神の民、イエス・キリストの血肉の同胞)に加わるのです。

 

 イエス・キリストが、彼らの王となります。復活のからだのキリストが天から来られて、イスラエルの王となられるのです。

 

 キリストは、神と契約を結ぶヤコブのもとにイスラエルの王として戻って来られ、地上を治められます。

 

 イエス・キリストを主と告白する者たちは、契約の民ヤコブの家に加わるのです。ヤコブの家に加わるのでなければ、イスラエルの民となることがありません。イエス・キリストの住まいは、エルサレムであり、イスラエルだからです。