「主の御手が私の上にあり、主の霊によって、私は連れ出され、谷間の真中に置かれた。そこには骨が満ちていた。主は私にその上をあちらこちらと行き巡らせた。なんと、その谷間には非常に多くの骨があり、ひどく干からびていた。
主は私に仰せられた。
『人の子よ。これらの骨は生き返ることができようか。』私は答えた。『神、主よ。あなたがご存知です。』
主は私に仰せられた。
『これらの骨に預言して言え。干からびた骨よ。主のことばを聞け。神である主はこれらの骨にこう仰せられる。見よ。わたしがおまえたちの中に息を吹き入れるので、おまえたちは生き返る。
わたしがおまえたちに筋をつけ、肉を生じさせ、皮膚でおおい、おまえたちの中に息を与え、おまえたちが生き返るとき、おまえたちはわたしが主であることを知ろう。』
私は、命じられたように預言した。私が預言していると、音がした。なんと、大きなとどろき。すると、骨と骨とが互いに繋がった。私が見ていると、なんと、その上に筋がつき、肉が生じ、皮膚がその上をすっかり覆った。しかし、その中に息はなかった。
そのとき、主は仰せられた。
『息に預言せよ。人の子よ。預言してその息に言え。神である主はこう仰せられる。息よ。四方から吹いて来い。この殺されたものたちに吹きつけて、彼らを生き返らせよ。』
私が命じられたとおりに預言すると、息が彼らの中に入った。そして彼らは生き返り、自分の足で立ち上がった。非常に多くの集団であった。
主は私に仰せられた。
『人の子よ。これらの骨はイスラエルの全家である。ああ、彼らは、「私たちの骨は干からび、望みは消え失せ、私たちは断ち切られる。」と言っている。それゆえ、預言して彼らに言え。神である主はこう仰せられる。わたしの民よ。見よ。わたしはあなたがたの墓を開き、あなたがたをその墓から引き上げて、イスラエルの地に連れて行く。
わたしの民よ。わたしがあなたがたの墓を開き、あなたがたを墓から引き上げるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。
わたしがまた、わたしの霊をあなたがたのうちに入れると、あなたがたは生き返る。わたしは、あなたがたをあなたがたの地に住みつかせる。このとき、あなたがたは、主であるわたしがこれを語り、これを成し遂げたことを知ろう。―主の御告げ。―』」(エゼキエル37:1-14)
イエスよりも六百年前のエゼキエルの預言です。神の子羊イエスの十字架の贖いの血も、キリストの復活も、聖霊降臨もない時代に生きた、預言者エゼキエルの預言です。
エゼキエルは神のことばを受けて、死者の復活を見ました。これは、終わりの時の情景です。殺された多くのユダヤ人の干からびた骨は、骨と骨とがつながり、その上に筋がつき、肉が生じ、皮膚がその上をおおいました。
最初の人アダムが塵から造られ、神の息が吹き込まれて、生きる者となったように、骨から回復した人のからだに、神の息が入って、彼らは生き返り、自分の足で立ち上がりました。
骨と骨とがつながるとき、轟音が聞こえました。それは、非常に多くの集団だったのです。十字軍によって殺された人々もいるでしょう。ホロコーストで殺された人々もいるでしょう。
神が遣わされたキリストを理解しないで、ナザレのイエスを十字架につけた人たちに殺された人々もいるのかもしれません。
イエスが十字架で息を引き取られると、神殿の幕が上から下まで真二つに裂け、地は揺れ動き、岩が裂けて墓が開いて、眠っていた多くの聖徒たちのからだが生き返りました。(マタイ27:50-52)
救い主キリストの血潮の勝利によって、死は踏み砕かれ、神の子羊イエスの死よりも以前の死者、神に純真な聖徒たちが死人の中から生き返ったのです。旧約時代の聖徒たちは復活のキリストとともに天に上っていることでしょう。
エゼキエルが見たのは、キリストが遣わされた後のイスラエルでした。神の御子イエス・キリストを信じないで、イエスの弟子たちを迫害し殺害したユダヤ人たちです。
キリストが遣わされた神の民イスラエル、救い主を生んだユダヤ民族には、民を生き返らせる約束をお持ちの神です。
ユダヤ民族は死んでも、希望があります。墓に入ってもなお、主を待ち続ける民です。死者の復活はないと主張する、サドカイ派の人々は真理を知らない人々でした。
ユダヤ人は、イエスがイスラエルの王として来られる時、生き返ります。復活のからだではなく、肉のからだで生き返るようです。死者の中から生き返ったからと言って、霊のからだではなく、神が骨をつなぎ、筋をつけ、肉を生じさせ、皮膚でおおわれて、肉のからだに息を入れられるようです。
望みは消え失せ、神に捨てられたと嘆き、絶望の中で死んだ彼らが生き返って、十字架で血を流されたイエスがメシアであったことを知るのです。
神は、墓から引き上げて生き返らせた彼らを、イスラエルの地に連れて行かれます。そして、ユダヤ民族に与えられた彼らの地に住みつかせるのです。彼らは、キリストの血によって贖われなければなりません。彼らは、肉のからだで、イエスが主キリストであると告白して思いが一新した者は、都に入って、いのちの木の実を食べるのです。
悔い改めることのないユダヤ人の死者は、イエスに苦い思いを持ち、イエスから遠く離れて暮らすのでしょう。
イスラエルの全家は、生き返ります。ある者たちは、主イエスを信じてキリストの贖いを受け永遠に生きるために、また、ある者たちは、神の救い(神の御子イエス・キリスト)を拒んで永遠の忌みに入るために、生き返るのです。