ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

神の救いに組み合わされた家族

 

 「神は御心によって、満ち満ちた神の本質を御子のうちに宿らせ、その十字架の血によって平和をつくり、御子によって万物を、ご自分と和解させてくださったのです。

 あなたがたも、かつては神を離れ、心において敵となって、悪い行ないの中にあったのですが、今は神は、御子の肉のからだにおいて、しかもその̪によって、あなたがたを、聖く、傷なく、非難されるところのない者として御前に立たせてくださるためでした。

 ただし、あなたがたは、しっかりとした土台の上に堅く立って、すでに聞いた福音の望みからはずれることなく、信仰に踏みとどまらなければなりません。」(コロサイ1:19-23)

 

 蛇の言葉に聞き従い、万軍の主である全能の神に罪ある者となり、死に至る罪人となった人に、神は和解を用意しておられました。神のひとり子による贖いです。

 

 神は、神の本質を神の子羊イエスのうちに宿らせました。イエスを見る者は神を見るのです。イエスのことばを聞く者は神のことばを聞くのです。イエスの奇蹟を見る者は神の力を見たのです。このイエスを信じる者は神を信じたのです。

 

 罪の贖いの子羊イエスの血は、罪を赦し、主キリストにあって平和をつくられます。神は、神の御子イエスの十字架の血によって、万物を御自分と和解させてくださったのです。

 

 神を離れ、神の敵となって悪い行ないの中にあった人々を、神は、御子の肉のからだの死において、御自分と和解させてくださいました。罪を赦すだけではありません。御子イエスの血で贖われた人々を、聖く、傷なく、非難されるところのない者として御前に立たせるためです。

 

 神の御前に立つ者は、罪赦されて、永遠に生きる者たちです。ただし、このことが実現されるためには、神の御子イエスを信じた者は、しっかりとした土台の上に堅く立って、すでに聞いた福音の恵みからはずれることなく、信仰に踏みとどまらなければなりません。

 

 神は、罪人の救いのためにノアを選び、箱舟を造るように命じられました。ノアとその家族は、神に聞き従って、箱舟を造り、洪水から救い出されました。

 

 ノアの息子のセムの子孫にテラが生まれました。神はテラの家族を祝福されました。偶像の地ウルから連れ出し、息子アブラムと、ハランの子で自分の孫のロトと、息子の妻である嫁のサライとを伴い、カナンの地に向かわせました。彼らは、カランまで来て、カランの地に住みつきました。

 

 テラの歴史が聖書に書かれています。

 「テラはアブラム、ナホル、ハランを生み、ハランはロトを生んだ。ハランはその父テラの存命中、彼の生まれ故郷であるカルデヤ人のウルで死んだ。

 アブラムとナホルは妻をめとった。アブラムの妻の名はサライであった。ナホルの妻の名はミルカといって、ハランの娘であった。ハランはミルカの父で、またイスカの父であった。」(創世記11:27-29)

 

 アブラムは、妻サライのことを妹だと証言しています。

 「あれは私の妹です。あの女は私の父の娘ですが、私の母の娘ではありません。それが私の妻になったのです。」(創世記20:12)

 

 アブラムとサライは腹違いの兄妹でした。二人の父は、テラです。テラは、アブラムの父であり、アブラムの妻サライの実の父でもあったのです。

 

 神はアブラムとサライを、アブラハムとサラに改名されました。神が立てられる「王」の父と母とにするためでした。イスラエルの王、主キリストは、ふたりの子イサクの子孫と定められていたのです。この子孫は、エバを騙した蛇の頭(悪魔の支配)を踏み砕く、女から生まれた神のひとり子であり、「人の子イエス」です。

 

 アブラハムの兄弟ナホルは、アブラハムとナホルとの兄弟ハランの娘ミルカを妻としていました。ナホルは、姪であるミルカを妻としていたのです。アブラハム、ナホル、ハラン、そして、アブラハムの妻サラは、テラの子。ミルカはテラの孫です。

 

 アブラハムとサラのひとり子イサクは、テラの孫です。アブラハムは、息子イサクの妻に、アブラハムの兄弟ナホルとその妻である姪のミルカとの間に生まれたベトエルの娘リベカを迎えました。リベカは、テラのひ孫であり、玄孫(やしゃご)でもあります。イサクとリベカの間に生まれたヤコブは、テラのひ孫であり、玄孫(やしゃご)でもあり、来孫(らいそん)です。

 

 神が契約を結ばれたアブラハムも、アブラハムの子イサクも、イサクの子ヤコブも、純粋なテラの子孫なのです。

 

 また、ヤコブの十二人の息子のうち、ルベンと、シメオンと、レビと、ユダと、イッサカルと、ゼブルンは妻レアの子、ヨセフとベニヤミンは妻ラケルの子です。レアとラケルは、アブラハムの兄弟ナホルの子ベトエルの子、ラバン(イサクの妻であり、ヤコブの母であるリベカの兄)の子なのです。

 

 アブラハム、イサク、ヤコブの神と呼ばれるイスラエルの神と契約を結んだ者たちは、テラの子孫です。

 

 ヤコブの十二人の息子のうち、ルベンとシメオンとレビとユダとイッサカルとゼブルンとヨセフとベニヤミンの八人は、純粋なテラの子孫です。

 

 ノアとその家族を洪水から救い出された神は、アブラハムとその家族を救いの計画の中に組み入れておられました。神は、テラの子孫の中から、蛇の頭を踏み砕く女の子孫(神のひとり子主キリスト)を生むために、神の民イスラエルを造られました。

 

 神の民イスラエルに、神が選ばれたイスラエルの王ダビデを立てられました。主である神は、預言者ナタンを通してダビデ王に仰せられました。

 「『主はあなたのために一つの家を造る』わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子を、あなたのあとに起こし、彼の王国を確立させる。

 あなたの家とあなたの王国とは、わたしの前にとこしえまでも続き、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。」(サムエルⅡ 7:11,12,16)

 

 神は、ダビデの子孫であるヨセフの許嫁の妻、処女マリアから、御自分のひとり子イエスを生みました。彼は、処女から生まれた女の子孫であり、神との和解を成就させる罪の生贄の子羊であり、悪魔の支配と死を打ち砕く主キリストです。

 

 アブラハムとテラの家族から生まれたイスラエル。神の民イスラエルから生まれたダビデ。ダビデの子孫としてお生まれになった主キリスト。神は、神の救いに組み合わされた家族を通して、御自身のひとり子イエスを遣わされたのです。

 

 神は、ダビデに、イスラエルの家(ユダヤ民族)とダビデの王国(ダビデの子と呼ばれるイエス、神の御子キリストの王国)が、神の御前にとこしえまでも続き、ダビデの子主キリストの王座はとこしえまでも堅く立つことを約束されました。

 

 神の御子イエスの血によって神と和解せられた者は、ユダヤ人も異邦人も一つとなった主キリストの家族です。主イエスを長子とする神の家族です。

 

 神の救いは、家族とともにあります。主イエス・キリストにおいて、神の家族となった者は、みな、救われるのです。

 

 「私たちのすべての罪を赦し、いろいろな定めのために私たちに不利な、いや、私たちを責め立てている債務証書を無効にされたからです。神はこの証書を取りのけ、十字架に釘づけにされました。

 神は、キリストにおいて、すべての支配と権威の武装を解除してさらしものとし、彼らを捕虜として凱旋の行列に加えられました。」(コロサイ2:13-15)

 

 キリストにあって、すべての罪は赦され、その債務証書を無効とされました。神は、責め立てる証書を十字架に釘づけにし、キリストの血によって贖われた者の証書を取りのけられました。

 

 キリストは、悪魔の支配と死に打ち勝たれました。キリストは、平和をつくり出されたのです。神との和解、国の和解、民族の和解、他者との和解、自己との和解は成立し、平和が生まれました。武装は解除されました。

 

 そして、キリストによる、一つの国民、復活の主キリストを王とする、罪の贖われた新しいイスラエルが誕生したのです。

 

 この世の者(異邦人)のうち、キリストの権威に入る者たちを捕虜として、天に帰る凱旋の行列に加えられたのです。

 

 神の救いは、キリストの家族とともにあります。キリスト・イエスは、ユダヤ人です。ユダヤ人たちは主イエスの兄弟姉妹であり、同胞です。主イエスの家族であるユダヤ民族は、主キリストとともに、天に帰るように召された家族です。

 

 キリストを信じる異邦人は、主キリストの家族(ユダヤ民族)とともに凱旋の行列に加えられるのです。彼らもまた、キリストの家族に組み合わされた家族であり、聖なる神の子どもなのです。