ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

むなしい幻 まやかしの占い

 

 「わたしは、むなしい幻を見、まやかしの占いをしている預言者どもに手を下す。彼らはわたしの民の交わりに加えられず、イスラエルの家の籍にも入れられない。イスラエルの地に入ることができない。このとき、あなたがたは、わたしが神であることを知ろう。

 実に、彼らは、平安がないのに『平安。』と言って、わたしの民を惑わし、壁を建てると、すぐ、それを漆喰で上塗りしてしまう。

 漆喰で上塗りする者どもに言え。『それは、すぐはげ落ちる。』大雨が降り注ぎ、わたしが雹を降らせ、激しい風を吹きつける。すると、壁が倒れる。人々はあなたがたに向かって、『上塗りした漆喰はどこにあるのか。』と言わないだろうか。

 それゆえ、神である主はこう仰せられる。わたしは、憤って激しい風を吹きつけ、怒って大雨を降り注がせ、憤って雹を降らせて、壊してしまう。あなたがたが漆喰で上塗りした壁を、わたしが打ち壊し、地に倒してしまうので、その土台までもあばかれてしまう。それが倒れ落ちて、あなたがたがその中で滅びるとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。

 わたしは、その壁と、それを漆喰で上塗りした者どもへのわたしの憤りを全うして、あなたがたに言う。壁もなくなり、それに漆喰を塗った者どもも、いなくなった。

 エルサレムについて預言し、平安がないのに平安の幻を見ていたイスラエルの預言者どもよ。

 自分の心のままに預言するあなたがたは、まやかしに聞き従うわたしの民にまやかしを行ない、死んではならない者たちを死なせ、生きていてはならない者たちを生かして、わたしの民のうちでわたしを汚した。わたしは、あなたがたのベールをはがし、わたしの民をあなたがたの手から救い出す。わなにかかった者たちは、もうあなたがたの手のうちにいなくなる。このとき、あなたがたは、わたしが主であることを知ろう。」(エゼキエル13:9-21)

 

 平和の翳りが差し始めると、民は平和を求めます。そんなとき、平和を乱す者が力を得ることはないという自分自身の願望に基づいて、平和は失われないというまやかしが囁かれます。平和を切望する民は、そのまやかしにすがります。

 自分の心のままに預言する預言者が現われて、まやかしの平安を信じる民に、平安の預言をして、ますますむなしい幻を見させるのです。

 

 神から出ていないのに、「平安。」と言って、神を信じる民を惑わし、むなしい幻とまやかしの言葉で、まことの神を見えなくさせる壁を建てます。すると、すぐに、そのまやかしが真実であるかのように、主の御名を使って平和の預言を繰り返し、壁に漆喰で上塗りして、平和の約束が神からのものであると安心させるのです。

 

 しかし、神である主はいわれます。神御自身が、神の民を惑わす預言者どもに手を下されます。彼らは、偽りの預言をしているからです。

 平和を求める者たちは、神との平和を求めなくてはなりません。神を恐れない者、神から心が離れている者たちを神に向かせ、神に立ち返らせるために、神が許しておられる状況です。まことの神なくしては、真の平安はないのです。平和の神を迎えないで、自分たちで平和を実現しようとしています。

 

 神の御心を悟ろうとせず、自分たちの思いのまま、「主の御告げ。」と言って、世の人々が望む偽りの預言を与え人々をまやかしに頼らせて、自分たちを養っているのです。そして、神のことばを語る真実な神の預言者を嘲るのです。

 自分で何も見ないのに、自分の心のままに預言する愚かな預言者たちは、神が悲しませているのではないのに、正しい人の心を偽りで悲しませ、神に敵対する悪者を力づけ、悪者が悪の道から立ち返って生きるようにしません。悪者は、神に悔い改めることなく、自分の罪の中で死んでいくのです。

 神の預言者ならば、悪者に不真実な偽りとまやかしのむなしさを教え、悪者が悔い改めて偽りを手放し、神に立ち返るための神のことばを語らなければならないのです。

 

 神は、むなしい幻を見、まやかしの占いをする預言者どもを罰せられます。彼らは神の霊に従わず、自分の霊に従っているのです。

 「彼らはわたしの民の交わりに加えられず、イスラエルの家の籍にも入れられず、イスラエルの地に入ることができない。」と神である主は告げておられます。

 つまり、『いのちの書』から名前が消されて、のちに起こる千年王国の平和を味わうこともなく、永遠の天の御国に入ることができない者となって、まことの神と契約を結んでいない異邦人と同じ裁きを受けるのです。

 その裁きを受けるとき、彼らは、神のことばを語るキリストの霊がまことの神であり、主権者であることを知るのです。

 

 神は、彼らが建てた、神の真実なことばを隠すまやかしの壁も、彼らのむなしい幻と預言も打ち壊し、地に倒されます。すると、それらは神から出たものではなかったことが明らかとなるのです。彼らの預言は神からのものではありませんでした。神の土台のないむなしい幻だったのです。

 神は、神の預言者のことばを成就させて、彼らの預言がむなしいまやかしであったことを明らかにするとともに、彼らを滅ぼされます。

 

 平安がないのに平安の幻を見ていた神の民のうちにいる預言者どもに、わざわいが来ます。

 まやかしに聞き従う神の民にまやかしを行ない、正しい人の道を誤らせて神のことばをあざ笑う悪者どもの道連れとし、神の民を聖とせず、神の民のうちで、聖なる神を汚したのです。

 

 神は、神を目の前に置かず、自分の心のままに預言する預言者どもが偽りの言葉で罠にかけた人々を、解放します。罠にかかった人々は、もう彼らの手のうちにいなくなります。神は、神を求める神の民を、彼らの手から救い出されるのです。

 彼らは、もう、むなしい幻も見ることができず、占いもできなくなります。このとき、彼らは、神の民を彼らの手から救い出し、真実のことばで養う神が主であることを知るのです。