ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

反キリストの霊に支配された教会

 

 天地万物の創造主全能の神(イスラエルの神)と契約を結ぶイスラエルに、神のひとり子であるキリストが遣わされました。

 イスラエルはまことの神の民であり、神が預言者たちを通して約束しておられた救い主キリストが現われるのを待ち望んでいました。

 アブラハム、イサク、ヤコブの子孫であるユダヤ民族は、まことの神のことばを受け、神のことばを守り、まことの神を礼拝するように、神が御自分のために造られた民族でした。

 

 それ以外の民族はまことの神の存在を知らず、神が遣わされる救い主(キリスト)の存在を聞かされてもおらず、キリストを待ち望む信仰もなく、偶像の神々を拝むものたちでした。

 

 神が遣わされるメシアの存在を知り待ち望んでいたイスラエルは、イスラエルの神が遣わされた神の御子イエスをキリスト(救い主)であると信じることができずに、「神の子」と呼ばれるイエスをののしり十字架で殺しました。

 

 イエスはユダヤ会堂で教えました。聖書の朗読もしました。イエスの弟子を含むイエス一行はユダヤ教の祭司や律法学者やパリサイ人たちに憎まれながら、ユダヤ教のナザレ派とみなされていました。

 

 イエスが十字架につけられ墓に入り、死から甦り栄光のからだ(永遠に生きる霊のからだ)で復活され、天に上られると、イエスの父なる神(イスラエルの神)は弟子たちに約束の助け主を遣わされました。キリスト・イエスが言っておられた「もうひとりの助け主」です。

 

 主なる神は、地上に約束の聖霊を遣わされました。神の御子キリストが地上から去ったあとに、キリストの血で贖われた子らを正しい道に導くために、父なる神に遣わされた真理の御霊です。父のことばを語るキリストの御霊です。

 

 ユダヤ教の中で働く反キリストの霊は、キリストの御霊を宿すユダヤ人(イエス・キリストを信じるユダヤ人)を迫害し、殺害しました。反キリストの霊に追われてユダヤ会堂から除名されたユダヤ人(イエスの弟子たち)は、聖霊のバプテスマを受けた後に、「神の教会」を造りました。イスラエルの神が、イスラエルの契約を土台に置き、神の御子イエス・キリストを礎石とする「神の教会」を聖霊によって誕生させられたのです。

 

 イスラエルの神と契約を結ぶ割礼の民ユダヤ人は、イエス・キリストを信じる異邦人にも割礼を受けさせてモーセの律法を守ることを要求しました。それを受け入れなければ、無割礼の異邦人を聖なるイスラエルの神の民に加えるべきではないと主張しました。

 

 使徒たちはキリストの権威をもって、律法はイエス・キリストの十字架によって完成されたこと、聖霊が注がれた今は、聖霊による心の割礼こそが大切であって、肉の割礼は永遠の義と永遠のいのちをもたらすものではないことを語りました。

 

 それで、キリストの霊(聖霊)によって新しく生まれた「神の教会」では、イエス・キリストの十字架の贖いの血による義と聖霊による心の割礼とを、新しいイスラエルの契約としました。キリストの十字架によってユダヤ人と異邦人の隔ての壁は破られ、一つの御霊によって同じ神の国民、新しいイスラエルとなるとしたのです。

 

 新しいイスラエルである「神の教会」に異邦人が増加すると、異邦人たちは、肉の割礼を受けモーセの律法を守る古い契約のうちにいるユダヤ人を、キリストの血による義と聖霊による心の割礼による新しい契約を完全に信じない者として責めました。そして、古い契約を捨てることを強要しました。

 

 次第にユダヤ人は姿を消し、聖霊によってユダヤ人の使徒たちが始めた「神の教会」は、異邦人の「キリスト教会」となりました。そして、教会からは、イスラエルの神の契約の民ユダヤ人も、ユダヤ人の弟子に注がれた聖霊も去っていきました。

 

 イスラエルの神の教会が、異邦人のキリスト教会となりました。聖霊の臨まれない教会は、キリストの霊による教会ではありません。反キリストの霊に支配される教会となったのです。

 

 反キリストの霊に支配された「キリスト教会」は、キリスト殺しの汚名を着せてユダヤ人を迫害し、殺戮しました。こうして、イスラエルの契約の土台に置かれたイエス・キリストの礎石を奪い、異邦人のための救いの家を建てたのです。

 

 聖霊を消すキリスト教会は、生けるまことの神と契約を結ぶアブラハムの子孫であって神と契約を結ぶ神の民イスラエルを否定しました。キリスト教会は、ユダヤ人が神の御子キリストを十字架につけて殺したことだけを切り取って、ユダヤ民族を神に呪われた民であると位置づけました。

 

 神の御子イエス・キリストが与えられたのは、ヤコブの子孫血肉のイスラエルのユダヤ人です。人の子イエスのことばを聞き、神のみわざを見たのもユダヤ人です。墓から復活された栄光の主キリストから福音宣教を命じられたのもユダヤ人です。栄光のからだの主キリストが天に上られるのを見ていたのもユダヤ人です。イエス・キリストが約束された聖霊を初めに受けたのもユダヤ人です。

 

 神の御救いの御計画は、ユダヤ民族から離れてあるものではありません。血肉のイスラエルの契約を土台とした御救いなのです。この土台の上にないキリスト教会は、神の教会ではありません。

 

 反キリストの霊に支配されたキリスト教会では、聖書に書かれている「イスラエル」を、旧約聖書では血肉のイスラエルを指し、新約聖書ではイエス・キリストを主とする霊的イスラエルを指していると考えます。そして、ユダヤ人は神の御子イエスを十字架につけて殺したことで神に呪われたものとなり、世界に散らされて、神の契約を失った。イエス・キリストを信じる異邦人(クリスチャン)の私たちこそが本当のイスラエル(神の民)であると主張するのです。

 

 神は、聖書の預言どおりに、1948年にユダヤ人のための国をアブラハムの眠るイスラエルの地に再建し、諸国に散っていたユダヤ人たちを世界中から集めておられます。血肉のイスラエルは、神の契約のうちに健在なのです。

 しかし、反キリストの霊に支配されたキリスト教会は、聖書の預言の成就を目にしながらもなお、ユダヤ人に向けられた神の真実の愛を信じようとはしません。

 

 反キリストの霊に支配されたキリスト教会は、反ユダヤの霊にも支配されます。反キリストの霊も反ユダヤの霊も、同じ父である悪魔から出ているのです。キリスト教会こそが神に喜ばれる本当の神の民イスラエルだと主張するのです。

 

 私たちの生まれ育ったキリスト教会は、ユダヤ人を迫害し、聖霊を消す反キリストの霊に支配された教会から生まれたものです。

 

 しかし、血肉のイスラエルの国(ユダヤ人の国イスラエル)が再興されると、キリスト教会にも、聖霊が戻って来られました。旧約聖書の預言の成就とともに、聖書信仰が回復したのです。聖書の預言は成就するという信仰とともに、聖書に書かれているイスラエルの復興は、ユダヤ人のことを指すことを読み取ることができるようになったのです。

 

 聖霊を受ける異邦人が起こされました。キリストの御霊を受けると、反キリストの霊に支配された従来のキリスト教会の教えに違和感を覚えます。今まで正しいと信じて来たことがひっくり返ります。そして、真理を求めます。

 

 従来のキリスト教会を心の拠り所としていた信仰から、聖書を調べる信仰に、また、イエスが約束された聖霊を求める信仰へ、そして、キリストの霊に導かれる信仰へと成長していきます。

 

 反ユダヤの霊、反キリストの霊の宗教の霊に支配されたキリスト教会から、キリストの霊に支配され御霊に聞き従う御霊の教会(聖霊を宿す聖霊の宮、神の神殿。御霊によって生まれ聖霊が創造する新しい人)が生まれるのです。

 

 キリスト教会の中に、密かに御霊に導かれる御霊の教会がかたち造られていきます。