ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

神は心得ておられる

 

 「イスラエルの中には、偽預言者も出ました。同じように、あなたがたの中にも、偽教師が現われるようになります。

 彼ら(偽教師たち)は、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込み、自分たちを買い取ってくださった主を否定するようなことさえして、自分たちの身にすみやかな滅びを招いています。」(ペテロ第二2:1)

 

 神の最初の契約を受けたイスラエルの中に、偽預言者が出ました。彼らは、エリヤに敵対し、神のまことの預言者を迫害しました。

 同様に、神が次に与えられた新しい契約(神の御子イエス・キリストによる契約)においても、真実を捻じ曲げる偽教師たちが現われることを、使徒ペテロは言います。

 

 偽教師たちは、キリストの血によって贖われた人々に、滅びをもたらす異端をひそかに持ち込みます。それは、彼ら(罪が贖われた人々)の中から出るのです。キリストの血で買い戻された人々(水のバプテスマを受けた者たち)の中から起こります。偽預言者が、ユダヤ人の同胞から起こったのと同様です。

 

 彼らは、真理の御霊に導かれる者ではなく、不品行、汚れ、好色、偶像礼拝、魔術、敵意、争い、そねみ、憤り、党派心、分裂、分派、ねたみ、酩酊、遊興、そういった肉の行ないの中に留まる人々です。

 

 彼らは、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制といった御霊の実に全く関心を示しません。

 彼らの望みは高くなることであり、彼らはキリストの贖いを利用して、自分の肉の欲するままに神の民を食い物にします。彼らは貪欲であり、作り事のことばをもって、キリストの血で買い取られた神の民を食い物にし、挙句の果てに、自分たちを買い取ってくださった主イエス・キリストを否定するようなことさえするのです。

 

 彼らの終わりは滅びです。しかも、それはすみやかな滅びです。すなわち、悔い改める時は与えられません。情状酌量の余地はないのです。

 

 多くの者は彼らの好色にならい、キリスト信者は真理から外れ、そのために、聖書の神が地上にお造りになられた真理の道(神の御子イエス・キリストの御名による御救い)がそしりを受けるのです。

 分裂分派のキリスト教会にいのちを見ることがなく、キリストの教会は、彼らに、永遠のいのちはどこにあるのか、と言ってそしられるのです。それゆえ、イエス・キリストの御救いは侮られます。

 

 しかし、彼らに対する裁きは、昔から怠りなく行なわれており、彼らが滅ぼされないままでいることはありません。

 

 「神は、罪を犯した御使い(堕天使)たちを、容赦せず、地獄に引き渡し、(最後の)裁きの時まで暗闇の穴の中に閉じ込めてしまわれました。

 また、(神は)昔の世界(の暴虐の罪を)赦さず、(神の怒りと、罪を悔い改めるならば赦しを与えられる神の)義を宣べ伝えたノアたち八人の者(ノアの家族)を保護し、不敬虔な世界に洪水を起こされました。(こうして、神は、暴虐に満ちた世を大水で滅ぼされました。)

 また、(神は、罪に満ち、暴虐に満ちた)ソドムとゴモラの町を破滅に定めて灰にし、以後の(世界の、神を恐れない)不敬虔な者へのみせしめとされました。

 また、無節操な者たちの好色なふるまいによって悩まされていた義人ロトを(暴虐に満ちたソドムの町から)救い出されました。

 というのは、この義人(ロト)は、彼らの間に(ソドムの町に)住んでいましたが、(ソドムの人々の)不法な行ないを見聞きして、日々その正しい心を痛めていたからです。

 これらのことでわかるように、主は、(神を恐れる)敬虔な者たちを誘惑(試練)から救い出し、(神を侮る)不義な者どもを、裁きの日まで、懲罰のもとに置くこと(裁かれなければならない罪であること)を心得ておられるのです。(必ず、神は裁かれます。)」(ペテロ第二2:4-9)

 

 キリストの使徒ユダ(エルサレム教会の代表者)は、キリストの血によって贖われた聖徒たちに、信仰のために戦う(欺く者らの試みに勝利して信仰を持ち続け、信仰の勝利者となる)ように勧めます。

 

 「というのは、ある人々(神の畑〈教会、また信者の交わり〉の中に入り、聖徒を惑わし滅びに導く、悪魔が遣わした毒麦)が、ひそかに忍び込んで来たからです。

 彼ら(毒麦)は、このような裁きに会うと昔から前もってしるされている人々で(神の子羊イエスの一行にいたイスカリオテのユダもまた、神に定められていました。)、不敬虔な者であり、私たちの神の恵みを放縦に変えて(神の用意された御救いの道〈神の子羊イエスの死と血の贖いと、真理の御霊による復活の永遠のいのちの福音〉を人間の好き勝手に作り変えて、神の法と秩序を覆して真理を捻じ曲げ)私たちの唯一の支配者であり主である(神のひとり子)イエス・キリストを否定する人たち(ナザレのイエスをメシアとしない人々)です。」(ユダ4)

 

 ユダは言います。

 「あなたがた(キリストの聖徒たち)は、すべてのことをすっかり知っているにしても、私(ユダ)はあなたがたに思い出させたいことがあるのです。

 それは(私たちの)主が、(イスラエルの)民をエジプトの地から救い出し、次に、信じない人々(エジプト人、すなわち主を恐れない人々)を滅ぼされたということです。」(ユダ5)

 

 神は、不法な行ないを見聞きして、日々その正しい心を痛めている神を恐れる敬虔な者たちを、不敬な者たちの誘惑(試み)から救い出し、神を恐れない不義な者どもを、裁きの日まで、懲罰のもとに置くことを心得ておられるのです。

 

 「汚れた情欲を燃やし、肉に従って(肉の欲望のまま)歩み、権威を侮る者たちに対しては、特にそうなのです。

 彼らは、大胆不敵な、尊大な者たちで、栄誉ある人たち(神から永遠のいのちを得させられる神の子どもたち)をそしって、恐れることがありません。」(ペテロ第二2:10)

 

 神が聖なる預言者たちによって前もって語られたみことばの記憶を呼びさまさせ、また、キリストの使徒たちが語った、主であり救い主である方(神の御子イエス・キリスト)の命令とを思い起こさせて、キリストにある聖徒たちの純真な心を奮い立たせるために、使徒ペテロは言います。

 

 「まず第一に、次のことを知っておきなさい。終わりの日に、あざける者どもがやって来てあざけり、自分たちの欲望に従って生活し、次のように言うでしょう。

 『キリストの来臨の約束はどこにあるのか。(ユダヤ人の)先祖たち(また、キリストの使徒たち)が眠った時からこのかた、何事も創造の初めからのままではないか。』

 こう言い張る彼らは、次のことを見落としています。すなわち、天は古い昔からあり、地は神のことばによって水から出て、水によって成った(できた)のであって、(ノアの生きた)当時の世界は、その水により、洪水におおわれて滅びました。

 しかし、今の天と地は、同じ(神の)みことばによって、火に焼かれるためにとっておかれ、(神を恐れない)不敬虔な者どもの裁きと滅びとの日まで、保たれているのです。」(ペテロ第二3:3-7)

 

 今から約二千年前に使徒ヨハネに告げられたイエス・キリストの黙示「ヨハネの黙示録」には、終わりの時の、キリスト教会の滅びとイスラム帝国の滅びがしるされています。

 反キリストの率いるイスラム国(イスラムの十の国)が、ローマ教皇とバチカンとカトリックを火で焼き尽くして滅ぼすことが書かれており、また、キリストと天の軍勢が天から来られて、キリストが反キリストと偽預言者のふたりを生きたまま火の池に投げ込むことと、反キリストの国と国民をことごとく滅ぼすこととが書かれています。これらのことは、神に定められていることなのです。

 

 彼らのうちに正しい心を痛める義人がひとりもいなくなって、完全に悪いものとなった時に、ノアの時代の世界を洪水で滅ぼされたように、また、暴虐に満ちたソドムの町を火で焼き尽くされたように、神は裁きを決行されます。

 

 なぜ神は悪者たちの横行を見て見ぬふりをしておられるのか、神はなぜ、これらのことを許しておられるのか、とつぶやいてはなりません。神は、心得ておられるのです。

 今はまだその時ではないのです。それゆえ、神は、それらを火に焼かれるためにとっておかれ、不敬虔な者どもの裁きと滅びとの日まで、保っておられるのです。