ダニエル書に書かれた預言の成就するときは近づいています。
横柄で狡猾なひとりの王(世界的指導者)が立つとの預言です。
「彼(反キリスト)の力は強くなるが、彼自身の力によるのではない。(天から堕ちた悪魔が彼に権威を与えるのである。)彼(悪魔の権威を受けた反キリスト)は、あきれ果てるような破壊を行ない、事をなして成功し、有力者(反キリストに従わない権力者)たちと聖徒の民(神と契約を持つユダヤ人とキリスト者たち)を滅ぼす。
彼(反キリスト)は悪巧みによって欺きをその手で成功させ、心は高ぶり、不意に多くの人を滅ぼし(ナチスが六百万人のユダヤ人を殺戮した時代のように聖徒たちを滅ぼすことが国家事業とされて、世界中からユダヤ人やキリスト者を絶滅させ)、君の君(神が主権をお与えになった神の御子キリスト)に向かって立ち上がる。しかし、人手によらずに、彼は砕かれる。(反キリストが戦う相手は、人ではなく、死から甦られた神のひとり子(神の子羊イエス・キリスト)であり、神が主権をお与えになられた天地万物宇宙全体の王なのです。)」(ダニエル8:24,25)
現在の世の動きから見て、これらのことは、二十年も先の事とは思われません。
世界平和を語り、イエス・キリストの御名によらない、偶像の入り混じった人道的な平和を世界に広めるローマ教皇は、反キリストを平和の君、世界が待ち望んだ世界的指導者のように持ち上げ、彼が世界の人々に受け入れられるように働きます。
霊の目が塞がれているローマ教皇の目には、反キリストが世界平和を成し遂げる英雄のように映るのです。
「彼(反キリスト)は、とりでの神(エルサレムのモスクの神)を崇め、金、銀、宝石、宝物で、彼の先祖たちの知らなかった神(悪魔)を崇める。
彼(反キリスト)は外国の神の助け(キリスト教を信じるローマ教皇とバチカン)の助けによって、城壁のあるとりで(エルサレム)を取り(神殿の丘に新しく建てられるアブラハムの神の神殿を悪魔礼拝の神殿として、自分を神とし)、彼が認める者(反キリストに忠実な者)には、栄誉を増し加え(高い地位を与え)、多くのものを治めさせ、代価として国土を分け与える。(民族関係なく、反キリストに忠実な者を、反キリストが治める十の国の支配者に立てる。)」(ダニエル11:38,39)
反キリストは、外国の神(ローマ・カトリック)の助けによって、自分の地位を確立します。
しかし、悪魔から権威を与えられた反キリストは、反キリストの十の国の王(権力者)とともに、ローマ教皇とバチカンとを火で焼き尽くします。
反キリストの協力者として立っていたローマ教皇に代わって、悪魔は、ダン部族のユダヤ人のひとりに、偽預言者の権威を与えます。
ユダヤ民族十二部族のうち、世の終わりに世界宣教に召された、神に忠実な十四万四千人のユダヤ人のうちに、ダン部族は含まれていません。
ダン部族は、悪魔の勢力となるようです。ダン族の紋章が蛇であることは、そのためなのですね。
偽預言者は、おそらくダン族のユダヤ人たちに、反キリストの像を造らせるのでしょう。ダン族は、キリストを出したユダ族、また、神に仕えるために選ばれたレビ族に妬みを持っていたのかも知れません。
神が御救いのために立てられたふたりの証人のことばを聞いて、悔い改めることもなく、従うこともなかったのです。
偽預言者は、反キリストの像を、ユダヤ人たちに拝ませます。それを拒むユダヤ人たちを殺すためです。
反キリストの像を拝まず、神に忠実なユダヤ人たちは、信仰の勝利者として死んでいきます。
また、偽預言者は、世界の人々の額か右の手に、反キリストの数字を刻印します。刻印の無い者には、売り買いできないようにして、餓死させるためです。刻印を拒む者は、殺されます。刻印を拒む者は、信仰の勝利者として死んでいきます。
悪魔の権威を持つ反キリストと、偽預言者は、こうして、世界から、神の戒めを守る忠実な聖徒(ユダヤ人)と、イエスを主と告白する信仰を保っている聖徒(キリスト者)とを一掃します。
世界に、神への信仰を持つ人々は残されていません。
反キリストに忠誠を誓う人々と、像を拝んで信仰に敗北したユダヤ人と、刻印を押されて信仰に敗北したキリスト者と、刻印の試みを逃げ延びた残りのキリスト者たちの世界となりました。
神は、世の中から、神の国のみのりを刈り取られました。
反キリストの像を拝まなかった信仰の勝利者と、反キリストの刻印を拒んだ信仰の勝利者たちの魂を、肉体の死を通して、永遠のいのちに移されたのです。
神が御自分の民を刈り取られると、世界は、神の裁きを受けます。七人の御使いが七つの鉢をぶちまけると、世界に七つの災害が起こされます。
「聖所は神の栄光と神の大能から立ち上る煙(神の霊)で満たされ、七人の御使いたちの七つの災害が終わるまでは、だれもその聖所に、はいることができなかった。(天の扉は閉じられて、七つの災害の期間の死者は、天に帰ることができません。すなわち、この期間に死ぬ人々は、第二の死〈肉体に死ぬだけではなく霊にも死ぬ、永遠の死〉に定められた魂の人々なのです。)」(黙示録15:8)
第一の鉢が地にぶちまけられると、反キリストの刻印を受けた信仰の失格者のキリスト者たちと、反キリストの像を拝んだ信仰の失格者のユダヤ人たちに、ひどい悪性のはれものができます。
第二の鉢が海(異邦人)にぶちまけられると、反キリストの刻印を拒む勇気がなくて、刻印の試みから身を隠して逃れた者は、みな死にます。キリストよりも自分を愛する者、キリストの御名のために自分のいのちをささげることのできない、信仰の脱落者たちです。
彼らには、第二の死が待っています。
第三の鉢が川と水の源とにぶちまけられると、ユダヤ人たちを惑わして、彼らの信仰を奪った反逆のユダヤ人たちは死に至らせられます。
彼らの先祖もまた、神のことばに留まる忠実な聖徒たちや預言者たちの血を流して来たのです。
第四の鉢が太陽に向けてぶちまけられると、世界中は太陽の激しい炎熱で焼かれます。しかし、彼らは自分の罪を悔い改めることなく、災害を支配する神をののしるのです。
第五の鉢が獣(反キリスト)の座にぶちまけられると、反キリストの十の国(カナンの地)は暗くなり、人々は苦しみます。そして、その苦しみと、はれものとのゆえに、天の神に対してけがし事を言い、自分の行ないを悔い改めようとはしません。
第六の鉢がユーフラテス川にぶちまけられると、世界は、いよいよ終わりの体制にはいります。ユーフラテス川の水は枯れ、日の出るほうから来る王たちに道が備えられます。
また、反キリストと偽預言者に権威を与えた悪魔と、悪魔の権威を持つ反キリストと偽預言者との口から、汚れた霊が三つ出て、全世界の王たちのところに出て行きます。
これらの悪霊どもの霊は、万物の支配者である神の大いなる日の戦い(キリストと反キリストの戦い)に備えて、彼らをイスラエルのメギド山(ヘブライ語で「ハルマゲドン」)に集めます。
第七の鉢が空中にぶちまけられると、大きな地震が起こります。人間が地上に住んで以来、かつてなかったほどの大きな、強い地震です。
人を惑わした大きな都(バチカン)は倒れ、周囲のカトリック諸国の民の町々は倒れます。
ハルマゲドンの戦いはキリストと反キリストとの戦いです。それは、霊の戦いです。
神のひとり子と神のひとり子を妬み神のひとり子に敵対する天から堕ちた堕天使長ルシファーとの戦いであり、神と悪魔との戦いなのです。
神の裁きによって、死んだ魂は、永遠の死に定められます。
七つの鉢の神の裁きのあとで、キリストの勝利により、闇の子の世は終わります。
千年王国が地上に実現する前には、光のない完全な闇の世(反キリストに完全に支配され、すべての者の心から神が締め出された、悪魔の世界)を通ります。
反キリストの像を拝むことを拒み、反キリストの刻印を拒む勇気は、信仰の力によってしか得られません。聖霊が取り去られた世にあって、人のうちには、悪霊の力を退ける力はないのです。
ただ、神にすがる信仰、自分の命を惜しむ余裕さえない信仰が必要です。
信仰の勝利者たちは、この神の裁きをくぐることはありません。自分に何が起ころうとも、神への信仰を、手放さなかったからです。
神への信仰を守る者に、神は、勝利する力をお与えくださるのです。