ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

とこしえの国を与えられたキリスト

 

 イエス・キリストの降誕よりも、およそ六百年前のユダヤ人の預言者ダニエルは、幻を見ました。

 

 「私(ダニエル)は、あの角(終わりの世に主権者として立つ反キリスト)が語る大きな言葉(いと高き方〈天地の絶対主権者であられる神〉に逆らう言葉、すなわち、神に対する汚し事と、神の御名と天に住む者たちをののしる言葉)の声がするので、見ていると、そのとき、あの獣(イエスが世の終わりに現われると言われた「荒らす憎むべき者〈エルサレムの神の神殿に立ち、おのれを神とする反キリスト〉」すなわち、破壊者である悪魔から権威を与えられた者であり、十の国〈トルコ、イラク、クウェート、シリア、レバノン、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、サウジアラビア、エジプトにかかる、ユーフラテス川からナイル川までのカナンの地に建つ反キリストの国〉を治め、世界を支配し全地を食い尽くす恐ろしい主権者である反キリスト)は殺され、(第四の獣である反キリストの)からだはそこなわれて、(生きたまま)燃える火(の池)に投げ込まれるのを見た。(天から来られるキリストと天の軍勢が、メギド山〈ハルマゲドン〉で、悪魔に支配される世界の王たちと戦い、反キリストと偽預言者とを生きたまま火の池に投げ込んで、反キリストの国を滅ぼします。また、キリストはサタンを縛って、千年の間底知れぬ穴に封印します)

 残りの獣は、主権を奪われたが、いのちはその時と季節まで延ばされた。(第一の獣のアメリカと第二の獣のロシアと第三の獣の中国は、世界的な影響力は失うものの、天から来られる「とこしえの国の王」であるイエス・キリスト〈平和の王として世界を治める王の王、主の主〉の治められる、新しい平和の世である千年王国の世界にあっても、残っているようです。千年の終わりにサタンが牢から解き放たれると、地の四方にある諸国の民、すなわち、ゴグとマゴグを惑わして戦いのために彼らを召集します。そして、聖徒たちの陣営〈イエス・キリストの国、すなわちイスラエル王国〉と愛された都〈エルサレム〉とを取り囲むと、天から火が降って来て、彼らを焼き尽くします。その時、第一の獣も第二の獣も第三の獣も滅ぼされます。反キリストの国は千年王国の前に滅ぼされますが、残りの獣のアメリカやロシアや中国は千年王国の終わりの時に焼かれるために取って置かれ、保たれているようです)」(ダニエル7:11,12)

 

 「私(ダニエル)がまた、夜の幻を見ていると、

 見よ、人の子のような(姿をした)方が天の雲に乗って来られ、年を経た方(永遠の昔からおられ、きのうもきょうもとこしえまでも生きておられる神、すなわち、天地万物の創造以前からおられ、すべてのものの根源であられる神、主。全き光であり、みずから存在されるいのちの根源、唯一御座におられる絶対主権者)のもとに進み、その前に導かれた。(ダニエルは、神に遣わされた神のひとり子が、十字架の贖いのみわざを成し遂げた後、死から復活し、死に勝利した神の御子の栄光を現わして、ご自分を遣わされた父のみもとに帰って来たところを幻で見ており、神のひとり子であられる神の子羊イエス・キリストの姿を見ていたのです。世の罪を取り除き、世を救うメシアとなるために、キリストの油を注がれてイスラエルに遣わされた「人の子」ダビデの子ナザレのイエスは、すべてのみわざを成し遂げて、御霊に創造された新しい人〈第二のアダム〉として、御座におられる父の御前に立ちました)

 この方(子羊イエス)に、主権と光栄と国が与えられ、諸民、諸国、諸国語の者たちがことごとく、彼(神から主権と光栄と国を与えられたキリスト)に仕えることになった。

 その主権(神の子羊イエス・キリストの主権)は(唯一の神から与えられた、天においても地においても)永遠の主権で、過ぎ去ることがなく、その国は滅びることがない。(神の子羊イエス・キリストが御座におられる方〈神〉から与えられた国は、世界中のすべての人が、神の子羊イエス・キリストの主権にへりくだり、国王であるイエス・キリストに仕えるとこしえの国〈イスラエル王国〉です)」(ダニエル7:13,14)

 

 預言者ダニエルは、神の御子がまだ神のひとり子の栄光の御姿である時に、神がイスラエルに約束しておられたキリスト、すなわち、「人の子」(御霊によって生まれた新しい人、第二のアダム)を見たのでした。

 

 エデンの園において、アダムが罪を犯した後に、惑わした蛇に仰せられた主のことばの成就をダニエルは見たのです。

 「わたし(主)は、おまえ(蛇)と女(人)との間に、また、おまえの子孫(騙す者、破壊する者)と女の子孫(人の子)との間に、敵意を置く。

 彼(「人の子」キリスト)は、おまえの頭(悪魔)を踏み砕き、おまえ(悪霊ども)は、彼のかかと(ヤコブ、すなわち「人の子」を生んだイスラエル)に噛みつく。」(創世記3:15)

 

 神に召されたイスラエルは、キリストを生むキリストのからだであるゆえに、悪魔に命を狙われ、悪霊どもに殺されます。そして、悪霊どもは、神に逆らう心の人間たちを悪魔の子として働かせ、イスラエルを迫害し苦しめます。

 

 しかし、「人の子」(女から生まれた女の子孫である神の子羊イエス・キリスト)は、十字架において、世の罪を取り除く「罪の贖いの神の子羊の血」を流して、死と悪魔を踏み砕かれました。罪の呪いを砕かれたのです。

 悪魔と悪霊どもに噛みつかれたイスラエルは、霊の目が閉じてイスラエルの神(生けるまことの神)が遣わされたキリストを悟らず、悪魔の心を抱いてキリストを呪い、十字架につけて殺しましたが、神は、ユダヤ人の救いの時をもうけておられます。

 それは、神がイスラエル(ユダヤ民族)の父祖アブラハムと結んだ契約ゆえです。

 

 ユダヤ人からキリストが出ることは、アブラハムの契約によることです。

 アブラハムの子孫から、ひとりの子孫「人の子」が生まれると約束しておられたからです。

 

 アブラハムの契約と祝福とは、アブラハムと妻サラのひとり子イサクに受け継がれ、そして、イサクの子ヤコブが相続しました。それは、契約をお与えになった神御自身の選びによったのです。

 

 神は、御自分のひとり子(神の御子)を「人の子」として遣わすために、御自身で神の祭司の国民イスラエルを造られました。

 そして、神は、「人の子」をイスラエルの王と定められました。

 

 神に遣わされた「人の子」(ナザレのイエス)は、地上で世の罪を取り除く罪の贖いのみわざを成し遂げた「神の子羊」であり、死から復活した神の子羊イエスは、聖霊のバプテスマを授ける権威を神から受ける「キリスト」として、御座の前に立ちました。

 

 ダニエルは、六百年後に天で起こることを見たのです。聖書のみことばは必ず成就します。聖書に書かれていることは、霊の世界ではすでに起こっていることであると言えます。

 

 世の中には、「キリスト」と呼ばれる人は多くいますが、天で認められるキリスト(まことのキリスト)は、世界を治める王であり、天においても地においても、神に主権を与えられ、とこしえの国の王となられる神の御子イエス・キリストただおひとりです。

 

 キリスト・イエスの国は、とこしえの国であり、国民はみな、永遠のいのちを得させられ、御霊の与える復活のからだを持つ人たちです。

 キリストとともに、十字架につけられ、肉に死んで御霊によって新しく生まれ、御霊の新しい創造を受けた人たちです。

 

 神の子羊イエス・キリストは地上に来て、千年の間、地上を治められます。

 諸民、諸国、諸国語の者たちはことごとく、イスラエルの王であられるイエス・キリストに仕えなければなりません。天地万物の創造主であり、万物の支配者であられる全能の神、主が、主権と光栄と国とをキリストにお与えになったからです。

 

 宗教の創始者たちは、その宗教を信じる信者たちの上に立ちますが、それ以外の諸民、諸国、諸国語の者たちの上に立つわけではありません。それゆえ、世界中の人たちが彼に仕えることはありません。

 

 キリストは、ユダヤ教とキリスト教とそのほかの宗教の人たち、また、無宗教の人たちの上に立つ方、王の王、主の主なのです。

 すべて造られた者の上におられる方です。

 

 千年王国において、世界中の国々のあらゆる言語の人たち、あらゆる民族の人たちはみな、イエス・キリストに仕えます。

 今は、神の御子イエス・キリストに高ぶっている人たちも、千年王国(弥勒の世)では、救いを求めて、イエス・キリストの国の国民に助けを求めるのです。

 

 「多くの国々の民、強い国々が(キリストの王座のある)エルサレムで万軍の主(すべてのものの上に立ち、神から主権と光栄と国を与えられた神の子羊イエス・キリスト)を尋ね求め、(いのちの木のある都に招き入れる権威を持つイスラエルの王イエス・キリスト)主の恵みを請うために来よう。」(ゼカリヤ8:22)

 

 「万軍の主はこう仰せられる。『その日には、外国語を話すあらゆる民のうちの十人が、ひとりのユダヤ人(イエス・キリストの国、イスラエル王国の国民)のすそを堅くつかみ、「私たちもあなたがた(永遠のいのちを得ているイスラエル王国の国民)といっしょに(いのちの木のある都)へ行きたい。(永遠のいのちを得させられる御救いの)神があなたがた(ユダヤ人たち)とともにおられる、と聞いたからだ。」と言う。』」(ゼカリヤ8:23)

 

 イエス・キリストを信じる人たちは、救い主イエス・キリストが治められるイスラエル王国の国民であり、永遠のいのちを得させられ復活のからだを着せられるとこしえの国の国民として永遠の御住まいが約束されており、天の御国を相続する神の子どもなのです。