ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

原点回帰の時代

 

 アダムとエバが神に敵対する悪魔の言葉に従って神のことばから外れて罪を負うと、エデンの園から追放されました。

 いのちの木のあるエデンの園は神のことばによって治められており、すべてのものに平和と調和と喜びとがあり、アダムとエバは愛に満たされて平安に過ごしていました。

 

 しかし、追放されたアダムとエバの住む地には、愛を知る者はなく、豊かさも輝くいのちもありません。

 最初の子どものカインは弟のアベルを妬んで殺し、そのアベルの血を流したことにより、土地は呪われてしまいました。

 もはや、土地は本来の力を発揮せず、耕してもすぐに雑草におおわれて土地をふさぎます。人の努力なしには、何ものも生じさせてはくれません。

 死が宣告されたアダムとエバにふさわしい場所です。

 

 神は、アダムは百三十年生きて、アダムに似た、最初の人アダムのかたちどおりの子セツを生みました。

 神はこのセツから「人の子」救済計画を始動されました。

 セツから九代目(アダムから十代目)にノアが生まれました。

 神は、地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのを御覧になり、ノアの時代に暴虐に満ちた世を大水によって滅ぼされました。

 

 ノアには三人の息子がいました。セム、ハム、ヤペテです。

 箱舟にのって洪水から救い出されたノアの家族は、洪水のあと箱舟から出て、すべてが洗い流されて一掃した地に降り立ち、生活を始めました。

 

 アダムから始まった人類の歴史は、大水の滅びによって、ノアの家族だけが生き残りました。

 神は、ノアの家族から人類の歴史を再スタートされました。

 

 さて、ノアの子ハムの子にクシュが生まれ、クシュは二ムロデを生みました。二ムロデはノアのひ孫です。

 二ムロデは地上で最初の権力者となりました。

 大水で滅びた世の話を聞いていた二ムロデは、神を恐れる道を選ばず、神に対抗して、石の代わりにレンガを用い、粘土の代わりに瀝青(アスファルト)を用いて町をつくりました。

 大水で滅ぼした神に対抗して、水に強い建物を建てたのです。

 そのうち、彼らは言うようになりました。

 

 「さあ、われわれは町を建て、頂が天に届く塔を建て、名を上げよう。(地上を大水で滅ぼした神に、人は力あるものであることを示そう)

 われわれが全地に散らされるといけないから。」(創世記11:4)

 

 最初の権力者の二ムロデは、まことの権力者であられる神の支配下にいたくなかったのです。

 神の権威によって支配されることを嫌いました。二ムロデは、神が人を支配しやすいように、人を散らして人の力を分散すると考えたのでしょうか。

 

 「主は仰せになった。

 『彼ら(権力者二ムロデに従う人々)がみな、一つの民、一つのことばで、このようなことをし始めたのなら、今や彼ら(人)がしようと思うことで、とどめられることはない。

 さあ、降りて行って、そこでの彼らのことばを混乱させ、彼らが互いにことばが通じないようにしよう。』

 こうして主は人々を、そこから地の全面に散らされたので、彼らはその町を建てるのをやめた。

 それゆえ、その町はバベル(混乱)と呼ばれた。主が全地のことばをそこで混乱させたから、すなわち、主が人々をそこから地の全面に散らしたからである。」(創世記11:6-9)

 

 なんと、大水から救われた人類は、ノアから四代目の子孫の時代に、すでに、神に反抗していたのです。

 水から救い出されたことを感謝し、神を恐れ、神を礼拝する者ではなく、神を信じず、自分で自分を守る自我の塊となっていました。

 

 言語がわかれ、それぞれの民族にわかれ、世界に散らされたのは、神御自身であり、人の罪ゆえでした。

 人類は、神に聞き従わない道、神を信じない道、神に逆らう道を選んだのです。

 

 神に逆らう二ムロデは、救い出された神ではなく、滅ぼす神を見たのです。

 奴隷の家エジプトから救い出されたイスラエルが、荒野でつぶやいたのと同じですね。人の思いは悪いことに傾くのです。

 目に見えない神の御腕ではなく、目に見える現実を見て呆然となり、信仰を失うのです。

 

 ノアは、大水から救い出してくださった全能の神を「セムの神」と呼びました。ノアの子セムの子孫にアブラハムが生まれ、アブラハムからユダヤ民族が生まれ、ユダヤ民族から、救世主(神の御子イエス・キリスト)が生まれました。

 

 救世主は、火の滅びから救い出すキリストです。神が、エデンの園でエバを騙した蛇に、蛇の頭(悪魔)を踏み砕く、と仰せられた「人の子(女から生まれる神のひとり子)」です。

 

 神は神が遣わされた「人の子」につく人々を、悪魔に勝利する神の子どもとされます。闇に勝利する光の子どもたちです。

 すなわち、神は、神のひとり子イエス・キリストを信じてキリストに聞き従う人々の罪を赦し、彼らを真理の御霊を宿す第二のアダムとして、千年王国でキリストとともに世界を治める者とされます。

 

 神は、エデンの園を回復されます。

 救世主であられる神の子羊イエス・キリストの王座のある神の都(エルサレム)にはいのちの木があります。

 

 かつて、蛇の言葉に従って神のことばを軽んじた最初の人アダムは、エデンの園の管理者を失格しました。そして、罪の報酬である死によって滅びました。

 神の子羊イエス・キリストは、アダムの死の報酬を身代わって、死なれました。人を造られた創造主みずから、死の代価を払われました。

 

 蛇の頭(罪の根源である悪魔)を打ち砕き、死に勝利して、新しい創造の人の初めとなられました。

 アダムは死に、第二のアダムが生まれました。肉は滅び、御霊によって生まれる新しい人が創造されたのです。

 キリストにつく人々は、肉体は土に還りますが、御霊によって新しく生まれた魂は、復活のからだ(霊のからだ)を着て、永遠のいのちを得させられます。

 

 千年王国は、永遠のいのちを得させられた第二のアダムが、統べ治められる王であられるキリストのもとに集められる、新しい時代です。

 管理者のアダムがいなくなったエデンの園は閉じられましたが、キリストが治められる千年王国は、第二のアダムが管理者として立ち、キリストとともに治めます。

 いのちの書に名の書かれた人たちは、都にはいっていのちの木の実を食べます。

 いのちの書に名の記されていない人たちは、都にはいることが許されません。

 

 終わりの時代に、二ムロデが成し遂げることのできなかった、天まで届く塔(神の主権に匹敵する主権に固執する高慢)を、反キリストが完成します。

 反キリストは、神がアブラハムに約束されたカナンの地を我が物とします。そして、カナンの地にある十の国の支配権を得て、十の国(中東)の主権者となり、世界を支配します。

 

 二ムロデの心を持つ人々は、反キリストにつきます。反キリストは、ユダヤ人たちに神の神殿を建てさせ、神殿が完成すると、ユダヤ人とキリスト者たち、また、神につく人たちを殺戮し、神の神殿に立ち、自分を神とします。

 そして、反キリストに神の民に勝利する(殺戮する)力を与え、悪魔の権威を与えた悪魔を礼拝します。

 世界は、悪魔礼拝者の世界となります。

 

 こうして、ノアのひ孫が神に逆らって、言語が分けられ、民族に分けられた人類は、科学の力よって、言語を一つのものとし(翻訳機能によって、多言語が同一言語のコミュニケーションのようにすることが可能とされた)、反キリストは、国境のないひとつの国のようにして新世界秩序を打ち立てて、世界を掌握し、悪魔を神の座(神の神殿)に置くことに成功しました。

 

 大水で滅ぼされた世に建て始め中断されたバベルの塔は、終りの時代に、悪魔に権威を授けられた反キリストによって完成します。

 

 しかし、天からキリストと天の軍勢が来て、反キリストと偽預言者を生きたまま火の池に投げ込み、反キリストの国(中東の十の国)と反キリストの国民をことごとく滅ぼして、地をきよめられます。こうして、キリストと天の軍勢は、悪魔が世界中から集めた軍隊と戦い、ハルマゲドンの戦いは、キリストが圧勝されます。

 そして、反キリストと偽預言者に権威を与えた悪魔は縛られて、千年の間、封印されます。

 

 死体が片づけられて、地が、キリストを迎える備えができると、キリストは、オリーブ山に立たれます。すると、谷は隆起し、山は平地となって、天からキリストの王座が設けられた新しいエルサレムが降りて来ます。

 

 ユダヤ人の死者、キリスト者の死者たちは、墓から甦り、聖書に約束された新しい都を見るのです。そして、いのちの書に名前のある人たちは都に入り、いのちの木の実を食べて永遠のいのちを得ます。しかし、いのちの書に名前のない人は、都に入ることが許されず、泣いて歯ぎしりするのです。

 

 二ムロデのもくろみが成功した終わりの時代は過ぎ去りました。

 神は、新しいエルサレムを天から降ろし、聖所から流れ出る生ける水の川によって地を生かされます。

 反キリストが占領したカナンの地はきよめられて、アブラハムの子孫の相続地となり、キリストは、ユダヤ民族の十二に分割し、それぞれに分け与えられます。

 キリスト者たちは、ユダヤ民族と同じ国民となり、それぞれ十二の部族に配属されるでしょう。

 

 武器も争いもない、正義が治めるまことの平和の世界となります。平和の町と呼ばれるエルサレムは、平和の王イエス・キリストを迎えて、世界にはまことの平和が訪れました。

 神道の人たちが待ち望んだ草木も喜ぶ嬉しうれしの世界です。

 地上は神の子どもたちに支配されます。切実な思いで神の子どもたちの現れを待ち望んでいた被造物は、滅びの束縛から解放され、神の子どもたちの栄光の自由、いのちの自由の中で平安を得ます。

 

 反キリストの恐ろしい悪魔の支配の時代(七年間の患難期)の後に、神は、愛といのちと喜びの、平和で安全な世界を用意しておられます。

 

 神を知る人たち、どうか、耐え抜いてください。夜明け前が最も暗いのです。闇の中で、光を求め、キリストと千年王国の希望を持ち続けてください。

 エデンの園を回復されるためには、多くの困難をくぐらなければなりません。産みの苦しみです。

 なぜならば、死からいのちを生み出すのですから。

 

 私たちは、死で終わりではありません。

 新しい世界が、千年王国が、私たちを持ってくれているのです。