「ユダヤ人のすぐれたところは、いったい何ですか。(ユダヤ人の肉体にある、神の民のしるしである)割礼にどんな益があるのですか。
それは、あらゆる点から見て、大いにあります。
第一に、彼ら(ユダヤ人)は神のいろいろなおことば(聖書)をゆだねられています。」(ローマ3:1,2)
ユダヤ人のすぐれている点は、神に選ばれているということです。
「聖書」は、ユダヤ民族にゆだねられた、全能の神のみことばです。
天地創造の初めから、人の始まり、そして、滅びと御救い、世界を救う救世主がユダヤ民族から出ることと、ユダヤ民族の御救いの約束が書かれています。
ユダヤ民族から起こる救世主は、天地万物を造られた「いのちの根源」である創造主によって、天から遣わされる神のひとり子です。
永遠の昔から、いのちの根源である「父なる神」とともにおられた「神のひとり子」です。人間ではありません。霊なる神の、御子です。神格を持つ、神のひとり子です。全き人であって、全き神です。
キリストは、天地万物が創造される以前からおられる御子です。全き光の神、暗い所が一つもない聖なる神の、ひとり子の栄光を持つ、神の御子です。そして、肉体を持つ人の子となられて、地上に現われてくださった神です。
天の御使いたちは、御座におられる「いのちの根源」の父なる神に仕え、神のひとり子である御子にも仕えていました。
天使長ルシファーが、ひとり子の栄光を妬み、御子よりも高くなろうとして、父なる神に罰せられ、天から追放されました。天使長といっしょに多ぜいの天使が天から落ちました。
天から追放された堕天使たちの住まいは闇です。全き光のうちにいる神の御使いと、闇に住む堕天使は、相容れません。光と闇、全く異なる性質のものです。
まことの主権者の神と、みずから主権を主張する偽主権者の悪魔とは、融合することはありません。
神の御子は、まことの主権者である絶対主権者を父とする、神のひとり子です。唯一の神であられる「主」の、ただひとりの御子です。父なる神は、御子に、御自身の主権を相続されます。
闇には、悪魔と悪魔に仕える悪霊どもがいます。また、悪魔の主権を認めない堕天使たちがいます。
神は、悪魔と悪霊どもの刑罰のために、永遠に燃え盛る火の池を用意されました。しかし、悪魔に聞き従うわけではない堕天使たちを、悪霊どもといっしょに滅ぼすことはなさいません。堕天使たちは、天に帰る希望を持っているのです。
希望を持つものを、神は見捨てられません。堕天使たちは、光を求めているのです。
いのちの根源である、父なる神は、ひとり子とともに、闇に天地万物を創造されました。万物は、神によって造られました。
御子は、万物の存在の目的であり、原因でもある方です。
父なる神は、主権を相続する御子のために、御子の主権にへりくだるもの、また、仕えるものを造られたのです。万物は、御子のために造られました。
御子の主権を妬む悪魔は、御子を憎み、御子に属するものをことごとく滅ぼそうとして、働いています。
そして、存在の原因であり、理由である御子から、被造物を引き離したのです。それで、被造物は、根無し草のように漂い、自分の存在の理由は隠されて、自分の存在の原因(いのちの根源の主と、神のひとり子の存在)も封印されてしまいました。
人は、泡のようにわいて、泡のように消えてゆくはかない生命を、人類の歴史に刻むだけです。
人は生命の期間に楽しみを見つけて、生きる望みを見い出そうとします。
自分の存在の原因であり、理由である方を見失った被造物は、いのちの光を見つけることができません。闇の中で、原因と理由の秘密を持つ方(創造主)を探しているからです。
神は、闇と死と悪魔と悪霊どもを滅ぼすことを定めておられます。そして、それらを永遠に燃やす火の池をも用意しておられます。
神は、闇の中でうめく、いのちあるものを救うことを御計画されました。
地には、神(御父と御子と御霊の、愛の交わりと全き調和と平和の神)に似せて造った「人」がいます。人は、被造物の御救いを助ける神の協力者です。
神は、被造物の管理者として造った「人」を、回復させなければなりません。
神の御子が「人」を闇から救い出し、神の御霊が「肉の人」を「霊の人」に造り変えられます。
神は、御子を地上に遣わすために、人類の中からセムの子孫のアブラハムを選ばれました。そして、アブラハムの子孫ユダヤ民族を選ばれたのです。
神に選ばれたユダヤ民族は、アブラハムが恐れて聞き従った「全能の神」に仕える、祭司の国民とされました。
神は、イスラエルを「わたしの民」と呼び、また、御自身を「イスラエルの神」と仰せられます。神は、イスラエルに語り、神のみことばをゆだねられました。
「イスラエルはわたしの子、わたしの初子である。」(出エジプト4:22)
天地万物の存在の原因であり、理由である神は、イスラエルを御自分の初子である、と仰せられました。
「彼ら(ユダヤ民族)はイスラエル人です。(全能の神の)子とされることも、(生ける全能の神がともにおられるという)栄光も、(神御自身が神の祭司の国民としてイスラエルを選び、イスラエルと結ばれた)契約も、(神の祭司の国民として、神の)律法を与えられることも、(創造主であられるいのちの根源の生けるまことの神にささげる)礼拝も、(イスラエル民族の御救いの)約束も彼ら(ユダヤ人)のものです。
先祖たち(神と契約を結ぶアブラハムと、アブラハムの契約を受け継いだイサク、そして、カナンの地の相続とアブラハムの祝福と契約を相続するヤコブ)も彼らのものです。(ユダヤ民族は、アブラハム、イサク、ヤコブの血肉の子孫のイスラエルです)
またキリスト(ユダヤ人の同胞から起こる、と聖書に預言されたキリスト)も、人としては彼ら(ユダヤ人)から出られたのです。
このキリストは万物の上にあり、とこしえにほめたたえられる神です。アーメン。(これは、まことの言葉であり、真実です)」(ローマ9:4,5)
万物の存在の原因であり、理由である方(神の御子)が、ユダヤ民族の処女から「人の子」として、生まれました。
神は、多くの子(神の子どもとされる新しい創造の人)たちを栄光(天の御国)に導くのに、彼らの救いの創始者(死から甦り、復活のからだで天に上った神の子どもの長子【復活の神の子羊イエス・キリスト】)を、多くの苦しみを通して(十字架の死に至るまで忠実なしもべの心のナザレのイエスによって)全うされました。
人類の救世主は、ユダヤ人から起こりました。天から遣わされた神の子羊イエス・キリストです。
キリストは、ご自分を信じる者に、生かす御霊を授けられます。期限のある肉の生命の死に代えて、永遠のいのちを得させられるのです。
父なる神は、御子キリスト・イエスを信じる者に、真理の御霊をお与えになります。真理の御霊は、イエスのみことばを思い起こさせ、真理を教え、天の御国へと続くいのちの道へと導き、キリストに似た神の子どもに造り変えていかれます。
割礼と律法が肉のイスラエルのしるしであったように、キリストの御霊は新しく創造される人(新生する人)のしるしです。
御霊が、神の子どもであることを証されます。キリストの御霊は、永遠のいのちのしるしであり、天の御国にはいる神の子どものしるしなのです。
天から来られた救世主は、ユダヤ人であり、神の御子です。そして、世界を救うキリストです。
肉の死に勝利したイエス・キリストは、、聖霊のバプテスマを授ける贖い主であり、永遠のいのちを得させる救い主です。
キリストは、創造主であり、すべての被造物の上におられる神のひとり子です。そして、ご自身において、すべてのものを救う、救世主なのです。
神は、キリストに主権を与えられました。キリストは、神の民を裁き、また、父なる神とともに、悪魔と悪霊、御子を信じない者、聖霊に逆らう赦されない罪を犯した違反者たちを裁く裁き主です。
終わりの時代に、イエス・キリストの霊が置かれる「ふたりの証人」がユダヤ人から起こされます。ヤコブの血統の人ですが、イスラエル人ではありません。
また、イエス・キリストとひとつ心の十四万四千人のユダヤ人が起こります。ヤコブの子孫ですが、イスラエル人ではありません。聖書を知らない人たちです。
しかし、真理の御霊によって、真理を教えられ、真理のことばを告げる人たちです。
世界を救うために立てられ、ユダヤ人たちから「メシア」と呼ばれるふたりの証人のことばに、また、十四万四千人のユダヤ人の宣教のことばに、救いを求める人たちは聞き従うことでしょう。