ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

神は御子の敵をキリストの足台とされる

 

 預言者ダビデは言います。

 「主(イスラエルの全能の神)は、私の主(イスラエルを贖う主キリスト)に仰せられる。

 『わたし(父なる神)があなた(神のひとり子)の敵(悪魔)をあなた(神の子羊)の足台とするまでは、わたし(全能の神)の右の座に着いていよ。』」(詩篇110:1)

 

 イスラエルの王ダビデは、神のみことばを預かる預言者でもありました。

 イスラエルの神を「主」と呼ぶダビデは、イスラエルを贖い救う方、神の御子キリストを「私の主」と呼びました。

 

 ユダヤ人たちは、「ダビデの子」と呼ばれる「キリスト」を待ち望んでいました。ダビデ王の系図に生まれる救い主を待ち望んでいたのです。ユダヤ人たちは、キリストはダビデの子孫から現われるという約束を知っていたからです。

 

 しかし、ダビデ王は、ダビデの子孫としてイスラエルに遣わされる「神のひとり子」を見て、「私の主」と呼んでいるのです。

 ダビデは、自分の子孫に向かって、「私の主」と呼びました。ダビデは、キリストの正体を知っていたのです。肉としては、ダビデの系図から出る「人の子」ですが、その実体は、永遠の昔から神とともにおられる、神のひとり子であることを知っていたのです。

 

 そして、ダビデは、神が、「人の子」として悪魔に勝利を取られた神の御子キリストに、「わたしがあなたの敵をあなたの足台とするまでは、わたしの右の座に着いていよ。」と仰せられるのを聞いたのです。

 

 キリストがイスラエルに遣わされたのは、ダビデ王の死後、およそ千年後のことです。預言者ダビデは、千年後に起こることを、神に知らされていました。

 

 ダビデは、ダビデの王座に着くとこしえの王が起こることを、神に約束されていたからです。ダビデは、その約束の王、すなわち、とこしえに堅く立つ「とこしえの王」を見たのでした。

 「ダビデの子」と呼ばれるキリストは、「ダビデ王の主」だったのです。

 

 ダビデは、イスラエルに遣わされたキリストが、神の子羊の血の贖いと死からの復活を成し遂げて、遣わされた方であるイスラエルの神(父なる神)のみもとに帰り、神の御座の右に着座されるところを見ました。

 そして、主(父なる神)は、キリストに、「わたしがあなたの敵(悪魔)をあなたの足台とするまでは、わたしの右の座に着いていよ。」と仰せられるのを聞きました。

 

 その四百年以上のちの預言者ダニエルもまた、その情景を見ました。

 「見よ、人の子のような方(肉体を持つ人の子となられた神の御子キリスト)が天の雲に乗って来られ、年を経た方(永遠の昔からおられる、すべてのものの存在の原因であり理由であり「いのちの根源」であられる全知全能の神)のもとに進み、その前に導かれた。

 この方(キリスト)に、主権と光栄と国が与えられ、諸民、諸国、諸国語の者たちがことごとく、彼(神の子どもたちの長子キリスト)に仕えることになった。

 その主権(キリストの主権)は永遠の主権で、過ぎ去ることがなく、その国は滅びない。」(ダニエル7:13,14)

 

 ダニエルは、悪魔に勝利を取られた神の子羊イエスが天に上って、子羊を遣わされた方、父なる神のみもとに帰り、子羊イエスが父から主権と光栄と国とを受けられたところを見ました。

 神の子羊イエスは、御座におられる方(父なる神)から、聖霊のバプテスマを授ける権威を与えられて、キリスト(永遠に生きるメシア)となられました。

 

 ダビデの子と呼ばれるキリストは、イスラエルを救うために、永遠に生きるメシアとして再び、地上に来られます。

 しかし、神のひとり子(キリスト)の敵である悪魔が地に落とされて、神が悪魔をキリストの足台とするその時までは、神の御座の右の座に着いていなければなりません。

 

 ダニエルは、すべての悪を打ち砕いて王座に着く「人の子」キリストが治める国の起こることを知りました。神がそのことをなされるのです。

 ダニエルは、バビロンのネブカドネザル王の見た夢を解き明かすことによって知りました。

 

 その夢には、終わりの時代に起こる国のことが秘められていました。

 強い純金の国の後に、銀の国が起こり、銀の国の後には青銅の国が起こり、最後に鉄の国が起こり、イスラエルを支配します。しかし、その鉄のように強い国(反キリストの国)を、神御自身が山から切り出した一つの石(神の国の礎の石、すなわち、キリスト)が打ち砕き、人の治める世は終わります。

 

 現在の世界に当てはめてみると、世界に多大な影響力を持つ強大な国アメリカの後には、ロシアが影響力を持ち、次に中国が世界の覇権を握り、最後に反キリストの国が起こり、反キリストが世界を支配するのではないかと思います。

 反キリストの国は、鉄と粘土が混じり合う国です。鉄のように強いイスラムと、神の御手の中にある器(陶器師の手の中にある粘土のユダヤ)が共存する中東の国です。

 

 反キリストは、トルコの中にいる、国を持たない民族から出るのではないかと思います。彼は巧言を使ってイスラムを一つのものとし、ユダヤを属州とすることでしょう。

 

 しかし、反キリストが神殿に立って自分を神として悪魔礼拝を始めて三年半の時が満ちると、天の神はひとつの国を起こされます。

 その国は永遠に滅ぼされることがなく、自分の思いのまま権力を振るったこれらの国々(金・銀・青銅・鉄の国々)をことごとく打ち砕いて、絶滅してしまいます。

 反キリストの国は滅ぼされ、そのほかの国々は影響力のない弱い国となります。

 

 キリストが天から来られます。神が、ひとり子の敵をキリストの足台とされたのです。

 金と銀と青銅と鉄と粘土で出来上がっている巨大な勢力は、神が送られる一つの石(キリスト)によって打ち砕かれます。

 神は、後に起こることを知らされました。

 

 地上には、キリストの国が建ちます。

 しかし、その国にも期間が定められています。

 キリストの支配は、すべての敵をその足の下に置くまで、と定められているからです。千年の期間に完成します。

  

 「終わりが来ます。

 そのとき、キリストはあらゆる支配と、あらゆる権威、権力を滅ぼし、国を父なる神にお渡しになります。」(コリント第一15:24)

 

 神は、最後の敵である死も滅ぼされます。(ハデスも死も、永遠の火の中に投げ込まれるのです)

 「彼(キリスト)は万物をその足の下に従わせた。」からです。(コリント第一15:27)

 

 順番があります。(コリント第一15:23)

 まず、初穂(神の御霊の新しい創造による神の子どもたちの初穂)であるキリストです。神は、新しい創造の「新しい人」を創造されます。その創造の初めは、初子のキリストです。

 キリストは肉の死から聖霊によって生まれた、新しい人の初穂です。

 

 次にキリストの再臨のときキリストに属している者です。永遠のいのちを得させられる神の子どもたちです。彼らは、七つの御霊の教会です。そして、千年王国で、七つの御霊の教会は完成します。

 キリストは、万物をその足の下に従わせたのです。

 それから終わりが来ます。

 最後の敵である死も滅ぼされます。

 

 「万物が御子に従うとき、御子自身も、ご自分に万物を従わせた方(父なる神)に従われます。

これは、(父なる)神が、すべてにおいてすべてとなられるためです。」(コリント第一15:28)