人の細胞の核の中には、23対46本の染色体があり、そのうちの1対2本が性別を決定する性染色体であるようです。
性染色体には、X型とY型の二種類があり、性別を決定する1対2本の性染色体は、X染色体とY染色体の組み合わせにより、「XY」と「XX]との二種類となります。
X染色体とY染色体の組み合わせの「XY」であれば、性別は男性となり男のからだのかたちを持ちます。また、X染色体とX染色体の組み合わせの「XX」であれば、性別は女性となり、女のからだのかたちを持ちます。
神は、初め、ひとりの人を造られました。
「神である主は、土地の塵で人を形造り、その鼻にいのちの息を吹き込まれた。そこで、人は生きものとなった。」(創世記2:7)
「神である主が、土からあらゆる野の獣と、あらゆる空の鳥を形造られたとき、それにどんな名をつけるかを見るために、人のところに連れて来られた。
人が、生き物につける名は、みな、それが、その名となった。
こうして人は、すべての家畜、空の鳥、野のあらゆる獣に名をつけたが、人にはふさわしい助け手が、見当たらなかった。
そこで、神である主が、深い眠りをその人に下されたので彼は眠った。それで、彼のあばら骨の一つを取り、そのところの肉をふさがれた。
こうして神である主は、人から取ったあばら骨を、ひとりの女に造り上げ、その女を人のところに連れて来られた。」(創世記2:19-22)
人は、自分のあばら骨から造られたもうひとりの人を得て、愛する喜びと愛される幸せを、また、一体となる存在を得て愛を学び、魂を成長させます。その学びは、愛を知る人が、神の愛をより深く理解し、また、愛によって、秩序と調和をもって被造物を管理するはずでした。
また、人は、もうひとりの人の存在を得ることにより、神への感謝と神の造られたものを喜び楽しむ心と神への従順を育てていくのです。
「すると、人は言った。
『これこそ、今や、私の骨からの骨、私の肉からの肉。これを女と名づけよう。これは男から取られたのだから。』
それゆえ、男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となるのである。」(創世記2:23,24)
神に造られたひとりの人は、土から取られた男と、男の骨から取られた女とに分かれました。二つに分かれましたが、もとはひとりの人です。
男は土から造られました。それゆえ、陶器師である神の御手の中でかたちを造り直される粘土のように、従順で素直なところがあります。
女は骨から造られました。すでに焼かれて完成した器(粘土)から造られました。それゆえ、女が造り直されるには多少頑固で強情なところがあります。
蛇に騙されたのは、女でした。男は女にそそのかされました。
神は、人に仰せられました。
「男はその父母を離れ、妻と結び合い、ふたりは一体となる。」
最初の人は男です。次に男から女が造られました。
夫は自分の妻を自分のからだのように愛さなければならない、と聖書にあります。
男から女は取られました。自分の妻を愛する者は、自分を愛している者である、と聖書は言っているのです。
土から取られた男である夫は、自分の骨から造られた女である妻を、自分のからだのように大切にすることが求められています。
妻には、自分を愛してくれる夫を敬い、夫に従うことが要求されます。
エルサレムでイスラエルの王であった伝道者(神の知恵を得た知恵者のソロモン王)は言います。
「ソロモン王は、ファラオ(エジプトの王)の娘のほかに多くの外国の女、すなわちモアブ人の女、アモン人の女、エドム人の女、シドン人の女、ヘテ人の女を愛した。
この女たちは、主がかつてイスラエル人に、『あなたがたは彼ら(外国人)の中にはいって行ってはならない。彼ら(偶像の神々に仕える外国人)をもあなたがた(イスラエル)の中に入れてはならない。さもないと、彼ら(外国人)は必ずあなたがた(イスラエル人)の心を転じて彼らの神々に従わせる。(すなわち、イスラエル人をイスラエルの神から引き離す)』と言われたその国々の者(イスラエルの神に禁じられた女たち)であった。それなのに、ソロモンは彼女(外国人の女)たちを愛して、離れなかった。
彼(ソロモン王)には七百人の王妃としての妻と、三百人のそばめがあった。その妻(外国人の女)たちが彼の心を転じた。(外国人の妻たちがソロモンの心を、イスラエルの神から、妻たちの神々のほうへ向けた)
ソロモンが年をとったとき、その妻たちが彼の心をほかの神々のほうへ向けたので、彼の心は、父ダビデの心とは違って、彼の神、主と全く一つにはなってなかった。」(列王記第一11:1-4)
全地にあって、生けるまことの神、全能の神、主に仕えるように召された神の祭司の国イスラエルの王でありながら、ダビデの子ソロモンは、イスラエルの神のことばを軽んじて外国の神々に仕える者となってしまいました。
伝道者は言います。
「私(ソロモン)は心を転じて、知恵と道理を学び、探り出し、捜し求めた。愚かな者の悪行と狂った者の愚かさを学びとろうとした。
私は女が死よりも苦々しいことに気がついた。女はわなであり、その心は網、その手はかせである。神に喜ばれる者は女からのがれるが、罪を犯す者は女に捕えられる。
見よ。『私(知恵者ソロモン)は道理を見いだそうとして、一つ一つに当たり、見いだしたことは次のとおりである。』と伝道者は言う。
私(伝道者)はなおも捜し求めているが、見いださない。私は千人のうちに、(筋の通った)ひとりの男を見いだしたが、そのすべてのうちに、(矛盾のない正しい)ひとりの女も見いださなかった。
私の見いだした次の事だけに目を留めよ。神は人を正しい者に造られたが、人は多くの理屈を捜し求めたのだ。」(伝道者7:25-29)
パウロは言います。
「男は神の似姿であり、神の栄光の現われだからです。女は男の栄光の現われです。
なぜなら、男は女をもとにして造られたのではなくて、女が男をもとにして造られたのであり、また、男は女のために造られたのではなく、女が男のために造られたのだからです。(神の秩序の中に留まりなさい)
ですから、女は頭に権威のしるし(夫を敬い従う妻であるしるし)をかぶるべきです。それも御使いたちのためです。(一人一人の人に遣わされている御使いが喜んで仕えるためです。乱れた秩序に仕えることは御使いの痛みです)
とはいえ、主にあっては、女は男を離れてあるものではなく、男も女を離れてあるものではありません。
女が男をもとにして造られたように、同様に、男も女によって生まれるのだからです。しかし、すべては神から発しています。(人は神によって造られ、神の定められた秩序の中で守られています)」(コリント第一11:7-12)
神のことばにそむいてエデンの園から追放されたアダムは、アダムに似た、アダムのかたちどおりの子セツを生みました。
神は、このセツの系図にノアを生み、ノアからアブラハムを生み、アブラハムからユダヤ民族を生み、ユダヤ民族に神のひとり子(人の子イエス)をお遣わしになられました。
セツは、女【エバ】から生まれた男です。アダムの骨から造られたエバから生まれました。それゆえ、純粋な土から取られたアダムとは違います。頑なな心を併せ持つ人として生まれています。女から生まれた者はみなそうです。
神が遣わされる「人の子」は、女から生まれました。
エデンの園で、エバを騙した蛇に、主は仰せられました。
「わたしは、おまえ(悪魔の子)と女(人の子)との間に、また、おまえの子孫(反キリスト)と女の子孫(キリスト)との間に敵意を置く。
彼(人の子となられる神のひとり子キリスト)は、おまえの頭(悪魔)を踏み砕き、おまえ(悪魔の子)は、彼のかかと(イスラエル)にかみつく。」(創世記3:15)
ダビデの家系のヨセフという人の許嫁で、名をマリアという処女のところに、御使いガブリエルは遣わされました。
そして、御使いはマリアに言いました。
「あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。
その子はすぐれた者となり、いと高き方の子(神の御子)と呼ばれます。また、神である主は彼(キリスト)にその父ダビデの王位をお与えになります。
彼(悪魔を打ち砕くキリスト)はとこしえにヤコブの家(御霊によって新しく造り変えられるイスラエル)を治め、その国(キリストの国イスラエル)は終わることがありません。」(ルカ1:31-33)
処女マリアから生まれた男の子こそが、イスラエルが待ち望んでいたキリストです。人の子となられた神のひとり子です。
御使いは言いました。
「(神の)聖霊があなた(処女マリア)の上に臨み、いと高き方の力(聖霊)があなたをおおいます。それゆえ、生まれる者は、聖なる者、神の子と呼ばれます。
神にとって不可能なことは一つもありません。(神のみことばは必ず成就します)」(ルカ1:35,37)
神は、かつて蛇に仰せられた女の子孫(人の子となられる神のひとり子)を、アブラハムの子孫であるユダヤ民族のうち、ユダ族のダビデ王の子孫のヨセフの許嫁処女マリアの胎内にかたち造られました。
マリアには、まだ夫がいません。ヨセフの許嫁ですが、まだ婚姻前です。さて、処女マリアの胎内の子の遺伝子はどうなっているのでしょうか。
男の子ですから、性染色体は、XYです。X染色体はイエスを産む女である処女マリアから受け継ぎます。イエスのY染色体は、聖霊によって与えられたものです。
イエスは、女から生まれる完全の人ですが、父親は神御自身なのです。すなわち、完全な人であり、父なる神の遺伝子を受け継ぐ完全な神でもあるのです。
神のひとり子は、父なる神に肉体を造っていただき、人の子として女から生まれました。彼は、世の罪を取り除き、死と悪魔を滅ぼすキリストです。
「すべての男のかしらはキリストであり、女のかしらは男であり、キリストのかしらは神です。」(コリント第一11:3)
世の初めから、この秩序は変わっていません。
アダムは神のことばに聞き従い、エバはアダムの言葉に従うはずでした。
しかし、アダムが神のことばから外れ、エバのことばに聞き従ってしまいました。秩序は崩壊しました。
神は、キリストを遣わして、人のかしらを明らかにされました。女でもなく、男でもありません。人のかしらは、神の遺伝子を持つ神の御子イエス・キリストなのです。
そして、神は男にも女にも聖霊を授けて、聖霊に聞き従うことで、キリストに従い、父なる神に従うという、天の御国の秩序を打ち立てられました。
こうして、肉の人は、聖霊によって、天の御国の秩序に聞き従う新しい人に造り変えられるのです。