「招待される者は多いが、選ばれる者は少ないのです。」(マタイ22:14)
神はセム族からアブラハムを選び、アブラハムの子孫イスラエル(ユダヤ民族)を選んで、父祖アブラハムが聞き従った「全能の神」に仕える「神の祭司の国民」とされました。
神は、「地上のすべての民族は、アブラハムの子孫(ユダヤ民)によって祝福される。」(創世記12:3)と仰せられました。
神は、神の都(エルサレム)を守り、世界を祝福する民としてイスラエルを選び、また、ユダヤ民族の中から世界の国々、すべての民族を救う「救世主」を生む事を定めておられました。
ユダヤ民族には、十二部族があります。神は、ユダ族から出た王、ダビデに約束されました。
ダビデに一つの家を与えること、そして、ダビデの王座はとこしえに堅く立ち、とこしえに神の民を治める王が、ダビデから出ることを約束されたのです。
神は、その約束を成就されました。神は、神のひとり子に肉体を造り、ダビデの子ヨセフの許嫁の妻マリアの胎内に宿されました。
天地万物を創造される以前から神とともにおられた、神格を持つ霊の存在である神のひとり子は、肉体を持つ「人の子」となられました。
「人の子」は、神がつけられた「イエス」と名づけられ、ダビデの町ベツレヘムに住民登録されて、ガリラヤ地方のナザレの町で成長しました。
イエスがベツレヘムで生まれたとき、夜番をしながら羊の群れを見守っていた羊飼いたちに、御使いが現われて、キリストの誕生を告げました。
「きょうダビデの町で、あなたがた(神に御救いの契約が与えられているユダヤ人たち)のために、救い主がお生まれになりました。この方こそ主キリストです。」(ルカ2:11)
「すると、たちまち、その御使いといっしょに、多くの天の軍勢が現われて、神を賛美して言った。
『いと高き所に、栄光が、神にあるように。
地の上に、平和が、御心にかなう人々にあるように。』(ルカ13,14)
御子イエスがベツレヘムに生まれたことは、天においても大きな喜びでした。
神がお定めになった、蛇の頭(悪魔)を踏み砕く女の子孫「罪のない全き人の子」を、神が造られた神の祭司の民イスラエルに、お遣わしになられたのです。
被造物を回復する救世主「キリスト」は、ユダヤ民族のユダ族ダビデの子ヨセフの許嫁の妻、処女マリアから生まれました。
神は、ダビデ王に約束されたことを成就されました。
ナザレのイエスは、死から甦り、御霊によって生まれる新しい人の初穂です。
神は、神の子羊イエスの血によって罪人の罪を贖い、そして、聖霊によって永遠のいのちを得させる新しい人に造り変えられます。
永遠のいのちは、キリストが授ける「生かす御霊」によって与えられます。
神は、神のすべてのみわざを成し遂げた人の子イエスを、死から甦らせて、復活のからだを与え、永遠に生きるキリストとされました。
神の子羊イエスは、聖霊のバプテスマを授けるキリストの権威を、神から受けられました。
神は、神の子羊イエスを、神が遣わされた神の御子キリストである、と信じる罪人の罪を赦し、彼らにイエス・キリストの御名による聖霊のバプテスマを授けて、彼らのうちに「真理の御霊」を遣わしてくださいます。
真理の御霊を受ける者は、神の御子キリストの死の中に入り、また、死から甦られ復活のからだの新しい人として新しくお生まれになった神の子羊イエス・キリストのいのち(御霊による永遠のいのち)を授かるのです。
神は、神の民イスラエルを造り、イスラエルの処女に神の御子イエス(神の子羊)を産ませ、神の子羊イエスの贖いの血によってイスラエルの罪を贖い、葬られた神の子羊を聖霊によって死から甦らせて、永遠に生きる新しい人(天の御国を相続する神の子ども)を創造されました。
神は、神が遣わされた救い主「神の子羊イエス・キリスト」を信じる罪人の罪を赦し、神が遣わされた助け主「真理の御霊」を受ける人を、御霊によって新しく生まれる新しい人に造り変えられます。
イエス・キリストを信じる新しい人は、キリストから生かす御霊である「真理の御霊」(永遠のいのち)を得させられるのです。
永遠のいのちを得る新しい人は、キリストとともに天の御国を相続するキリストの兄弟姉妹であり、とこしえの神の家族とされます。
さて、キリストはイスラエルに来られました。
ユダヤ民族は、神との契約を持つ神の民です。ユダヤ民族には、神の御救いの契約があります。イスラエルは、神が遣わされるキリストを待ち望む神の選びの民です。
神の選びの民ユダヤ人のところに来られたのに、ユダヤ人たちはキリストを受け入れませんでした。ユダヤ人たちは、キリストの弟子たちもまた迫害しました。
ユダヤ民族は、世界で唯一、天の御国に招待されていた神の民なのです。しかし、彼らは、神の招きに応じませんでした。
神の御子イエスは、不信仰で不従順なユダヤ人たちを怒って言われました。
「おまえたち蛇ども、まむしのすえども。(イエスは、心頑ななユダヤ人たちを、エバを騙した蛇と同じ、悪魔の子と呼ばれました)おまえたちは、ゲヘナ(永遠に燃え盛る火の池)の刑罰をどうしてのがれることができよう。」(マタイ23:33)
キリストの福音を宣教する使徒パウロは言いました。
「神のことばは、まずあなたがた(ユダヤ人たち)に語られなければならなかったのです。しかし、あなたがたはそれを拒んで、自分自身を永遠のいのちにふさわしくない者と決めたのです。見なさい。私たちは、これからは異邦人のほうへ向かいます。」(使徒13:46)
ユダヤ人たちが、キリストの福音を拒んだので、永遠のいのちの恵みは異邦人に及ぶこととなりました。
神の御救いの契約のなかった異邦人が、天の御国に招待してくださる神の子羊イエス・キリストを救い主と信じて、ぞくぞくと押し寄せて来ました。
世界中の宗教人口の数で、一番多いのがキリスト教徒です。
キリスト者たちは、天の御国に招待された人々です。
しかし、天の御国にはいるためには、永遠のいのちを得なければなりません。肉のからだでは天の御国にはいることができません。死んでも甦り、永遠に生きる復活のからだの「新しい人」に造り変えられなければなりません。
永遠のいのちは、キリストが授けてくださる聖霊のうちにあります。真理の御霊は、イエスのことばを思い起こさせ真理を教えて、いのちの道を歩む、新しい人に造り変えてくださるのです。
新しい創造を受けていない者が、天の御国を相続することはできません。
終わりの時に、神は、まず、新しい人に造り変えられた人たちを天に引き上げられます。彼らは、死んでも甦り、復活のからだで、子羊の婚宴に招かれる人たちです。彼らは、御霊に聞き従う忠実なしもべであり、信仰の勝利者であり、御霊の教会に属する人たちです。
さて、神は、地上の人々の救いのために、ふたりの証人と世界宣教に召された十四万四千人のユダヤ人を立てて、神のことばをもって警告します。
聖霊が引き上げられた世では、夢や幻や神の御声など御霊の導きを受けることができません。御霊の自由の体験は、過去のこととなります。
神に召された人たちに聞き従う者は幸いです。彼らのことばには、御霊のいのちがあり、彼らのことばは永遠のいのちを得させるいのちのパンだからです。
多くのキリスト者たちは霊の事を学んでいません。それで、天の御国にはいる信仰と希望を持っていた彼らは、御霊のことばを聞き分けることなく、失意と神に捨てられたという絶望によって信仰を失うでしょう。
しかし、彼らの警告する神のことばに聞き従い、悔い改めて、自分の為に生きることではなく神の為に死ぬことを選ぶならば、彼らは、永遠のいのちを受けるのです。彼らは、いのちの冠を受けます。
最後まであきらめないで、失望せずにいれば、御救いを得るでしょう。
さて、世が改まって、キリストが世界を治められる千年王国が始まります。
多くの人が東から西から南から北から招かれます。おそらく、ユダヤ人の死者やキリスト者の死者たちも甦って、被造物が回復された平和な世界を体験することでしょう。
聖書に約束された神のみことばが真実であることを彼らが知るために、神は、彼らを甦らせます。
まだ、永遠のいのちを得ていない人たちも多くいます。
しかし、王の王であるキリストを拝するために神の都(エルサレム)に行き、都にはいって、都の中にあるいのちの木の実を食べる者は、永遠のいのちを得ます。彼らは、最後に完成する七つ目の御霊の教会の人たちです。
千年王国時代に入る人たちは、神に招待された人たちです。
夜明け前の患難時代を生き抜いた人たちです。キリスト教徒でもユダヤ教徒でもなく、聖書を知らず宗教に属していない無宗教の人たちも多く招待されています。
しかし、いのちの木のある都にはいるためには、キリストを主と告白する信仰と御霊の真理のことばに聞き従う信仰が必要です。
旧約聖書を信じるユダヤ人は、神が遣わされた救い主「イエス・キリスト」を信じることによって義とされました。ユダヤ民族は招待されていたのに、選ばれる者は少ないのです。神に聞き従う者は少ないのです。
新約聖書を信じるキリスト者は、神が遣わされた助け主「真理の御霊」に聞き従うことで、子羊の婚宴に招かれる、信仰の勝利者となりました。キリスト教徒は招待されていたのに、選ばれる者は少ないのです。キリストに授けられる真理の御霊に聞き従う者は少ないのです。
死者の中から甦っても、いのちの書に名前のない者もいます。彼らは、知っていたけれども、信じていなかったのです。しかし、千年王国にはいって、神のみことばは信頼すべき確かなものであったことを知らされるのです。
いのちの書に名前が書かれていない人は、都にはいることも、いのちの木の実を食べることもできません。
神は多くの人を、あらゆる時代あらゆる世代あらゆる民族において、招待しておられます。
しかし、選ばれるのは少ないのです。