イエスは世の終わりに起こることを、弟子たちに語られました。
「人に惑わされないように気をつけなさい。
わたし(イエス・キリスト)の名を名乗る者が大ぜい現われ、『私こそキリストだ。』と言って、多くの人を惑わすでしょう。」(マタイ24:4,5)
世の終わりの前兆として、「私がキリストだ。」と言う者が起こり、多くの人が惑わされて、彼について行く、と言われたのです。
おそらく、キリスト教徒の中にもついて行く人がいるのでしょう。
キリスト教会の中で癒しや奇跡を見たことも聞いたこともない人たちが、「私はキリストだ。」と名乗る自称キリストが見せる奇蹟と不思議を見て驚き、神の御力だと信じてしまうのかも知れません。
しかし、不思議なことは、マジシャンだってしますし、神の人モーセがエジプトの王の前で見せた不思議なことを、エジプトの呪法師たちも、彼らの秘術を使って同じことをしたのを思い出しましょう。
モーセの力の源は、神です。しかし、呪法師たちの力の源は、悪しき霊です。悪霊どもも、同じことができます。なぜならば、悪霊どもは、天から落ちた堕天使たちだからです。
悪霊どもは、天から落ちる以前は、いのちの根源であられる全能の神に仕える天使たちでした。霊的な存在なのです。
人間の知り得ない事を知る者たちです。人間よりも、はるかに真理を知っています。霊の世界にいるからです。
彼らは、天から追放された闇の堕天使たちです。真理を知っているからすぐれた者ではありません。真理を知っていながら、真理に逆らう滅びの子らです。真理を知り、真理に聞き従う光の御使いではありません。
悪しき霊どもは、闇の王者悪魔に仕える霊です。この悪しき霊の偽りのことばを信じて従うならば、闇に覆われます。闇に引かれて行く者たちは、悪魔の子らです。
モーセのように、神の御霊のことばを語る者は、神から出た者です。神のことばを語る者に聞き従う者は、真理を知り、真理の光に照らされ、栄光の光へと導かれます。まことの光に導かれて行く者は、神の子どもたちです。
使徒ヨハネは警告します。
「愛する者たち。霊だからといって、みな信じてはいけません。それらの霊が神からのものかどうかを、試しなさい。なぜなら、偽預言者がたくさん世に出て来たからです。
人となって来たイエス・キリストを告白する霊はみな、神からのものです。それによって神からの霊を知りなさい。」(ヨハネ第一4:1,2)
神からの霊は、人の子として女(処女マリア)から生まれたイエス・キリストを告白します。
しかし、イエスを宇宙からやって来た宇宙人であるとしたり、人の姿で現れた神である、女から生まれた人の子ではなくて成人したキリストが世に現われたとします。
そうした教えは、神から出たものではなく、真理ではない、と言っているのです。
真理を求める者は、熱心にみことばを聞いたあとで、果たしてそのとおりかどうかと聖書を調べ、真理の確証をみことばに求めるのです。彼らの信仰は、神の契約の書である「聖書」に土台を置いているのです。
御霊を持っている人たちは、御霊に教えられて霊的感覚を養われますが、御霊を受けていない人たちは、聖書を足のともしびとして歩んだらよいのです。聖書のみことばに従う道が、いのちの道だからです。
ヨハネは言います。
「イエスを告白しない霊はどれ一つとして神から出たものではありません。それは反キリストの霊です。(イエスがキリストであることを否定する者は偽り者です。だれでも御子〈神が遣わされたキリスト〉を否認する者は、御父〈イエスの父〉を持たず、御子〈「人の子」となられた神のひとり子〉を告白する者は、御父〈罪人を天の御国を相続する神の子どもに造り変えてくださる、いのちの根源であられるイエスの父〉をも持っているのです。[ヨハネ第一2:23])
あなたがたはそれ(反キリストの霊)が来ることを(主イエスから)聞いていたのですが、今それが世に来ているのです。」(ヨハネ第一4:3)
「イエス・キリストが人として来られたことを告白しない者が大ぜい世に出て行ったからです。こういう者は惑わす者であり、反キリストです。
だれでも行き過ぎをして、キリストの教えのうちに留まらない者は、神を持っていません。その教え(イエス・キリストが人として来られた「人の子」であることを教える教え)のうちに留まっている者は、御父をも御子をも持っています。
あなたがたのところに来る人で、この教えを持って来ない者は、家に受け入れてはいけません。その人(イエス・キリストは宇宙人であるとか、天使のひとりであるとか、イスラエルのベツレヘムで生まれたダビデの子イエスを否定する教えの人)にあいさつのことばをかけてもいけません。そういう人にあいさつすれば、その悪い行ないをともにすること(真理をはぐらかして人を惑わす霊と交わること、すなわち、反キリストの霊の仲間)になります。」(ヨハネ第二7,9ー11)
御国を宣べ伝えて巡回した地を離れて出発しようとするとき、使徒パウロは言いました。
「私が出発したあと、凶暴な狼があなたがたの中に入り込んで来て、群れを荒らし回ることを、私(パウロ)は知っています。(イエス・キリストを信じる信者たちの群れの中に、偽りの教えをもって騙す者たちが入り込んで、信者たちを混乱させて信仰から引き離すことを、パウロは霊で捉えていました)
あなたがた(キリスト信者)自身の中からも、いろいろな曲がったことを語って、(イエスの)弟子たちを自分のほうに引き込もうとする者たちが起こるでしょう。(人は弱い者です。厳しい神の警告のことばを憎み、自分の心を喜ばす人間の言葉に耳を傾けるのです)
ですから、目を覚ましていなさい。
いま私(パウロ)は、(イエス・キリストを信じた)あなたがたを神とその恵みのみことばとにゆだねます。みことば(聖書)は、あなたがたを育成し、すべての聖なるものとされた人々の中にあって御国を継がせることができるのです。(みことばの中に居る〈聖書の教えに従う〉ことで、神のみことばの実現を見るのです)」(使徒20:29ー32)
神の御子イエス・キリストに望みを置く者はみな、キリストが清くあられるように、自分を清くします。彼らの心に、みことばがあるからです。
キリストが現われたのは罪を取り除くためであったことを、私たちは知っています。
「私こそキリストだ。」と言う者が、罪を取り除いてくれますか。永遠のいのちを得させてくれますか。
「キリストである。」と自称する者は、今も生きていますか。墓の中に入ったままではありませんか。死に勝利して、甦りましたか。復活のからだで信者たちに現われて「平安あれ。私を信じる者は、私が死んで甦ったように、一度死んでも、甦って永遠に生きる。」と、信仰の確証と希望を与えてくれましたか。
ヨハネの福音書を書いたヨハネは、聖書を書いた目的を伝えています。
「これらのことが書かれたのは、(ナザレの)イエスが神の子キリスト(罪を取り除いて、永遠のいのちを得させる救世主)であることを、あなたがたが信じるため、また、あなたがたが信じて、イエスの御名によって(永遠の)いのちを得るためである。」(ヨハネ20:31)
キリストは、罪人たちを死の滅びから救い出して永遠のいのちを得させるために、天の神に遣わされた「人の子」(人となられた神のひとり子)です。
まことのキリストは、世の罪を取り除くためにご自分の血を流し、死と悪魔に勝利して死者の中から甦り、御霊の与える新しいからだで復活し、永遠に生きる神の子羊イエスです。
天地万物は神によって造られました。神によらずに存在するものはありません。
創造主のない被造物はありません。悪魔も悪霊どもも、堕天使も、宇宙も、地球外生命体(宇宙人)も、御使いも、人も、すべての生きものも、同じひとりの創造主によって造られました。神がいのちの根源だからです。
キリストは「人の主」であり、「すべてのものの主」です。
神の子羊イエスは、天においても地においても、神から主権と光栄ととこしえの国が与えられた唯一のキリストなのです。
神の御子イエス・キリストによらなければ、永遠のいのちを受けることはありません。
世の人々に定まっているのは、一度死ぬことと死後の裁きと永遠の滅びです。鼻から息をするすべてのものは、罪あるものだからです。神に従えないのです。
イエス・キリストは、罪人たちを死と永遠の滅びから救い出して、罪を贖い罪が赦された者としてくださり、真理の御霊(永遠のいのち)を得させてくださる、真実な救世主、神のキリストです。