イエスは、主の御力をもって、病気を直しておられました。
「イエスが教えておられると、ガリラヤやユダヤの方々の村から、またエルサレムから来たパリサイ人や律法学者たちが、そこにすわっていた。
主の力が働いて、イエスは人々を癒された。
その時、ある人々が、ひとりの中風をわずらっている人を床にのせたまま連れて来て、家の中に運ぶ入れ、イエスの前に置こうとした。
ところが、群衆のためにどうしても(病人を)運び入れる方法がなかったので、屋上に上り、屋根の瓦をはいで、病人を床ごと群衆の真中につり降ろして、イエスの前に置いた。
イエスは、彼らの(純粋な)信仰を見て、『人よ。あなたの罪は赦された。』と言われた。
すると律法学者とパリサイ人たちとは、『(「あなたの罪は赦された。」なんて、自分に神の権威があるかのように振る舞い、聖なる)神を汚すことを言うこの人(ナザレのイエス)は、いったい、何者だ。神おひとりのほかに、だれが罪を赦すことができるか。(律法学者、パリサイ人たちは、イエスが神格を持つ神のひとり子であることを信じませんでした)』と言って論じはじめた。
イエスは彼らの論議を見抜いて、
『あなたがたは心の中で何を論じているのか。あなたの罪は赦されたと言うのと、起きて歩けと言うのと、どちらがたやすいか。
しかし、人の子(神が遣わされたキリスト)は地上で罪を赦す(神の)権威を持っていることが、あなたがたにわかるために。』と彼らに対して言い、中風の者に向かって、『あなたに命じる。起きよ、床を取り上げて家に帰れ。』と言われた。
すると病人(中風の人)は、即座にみんなの前で起きあがり、寝ていた床を取りあげて、神を崇めながら家に帰って行った。(イエスは、中風が癒されることで、中風の人の罪が赦されたことを証されました。こうして、イエスはご自分に、罪を赦す権威があることを明らかにされたのです)
みんなの者は驚嘆してしまった。そして神を崇め、恐れに満たされて、『きょうは驚くべきことを見た。』と言った。」(ルカ5:17-26)
イエスは、神が、エデンの園で、仰せられた「蛇の頭(悪魔)を踏み砕く女の子孫(人の子)」であり、ダニエルが幻で見た「天の雲に乗って神のみもとに来られた人の子のような方」です。
ダニエルは、夜の幻を見ました。
「見よ、人の子のような方(人の子の姿のような神のひとり子)が天の雲に乗って来られ、年を経た方(永遠の昔から生きておられるいのちの根源であられる主、御座におられる方)のもとに進み、その前に導かれた。
この方(人の子の姿の神の御子、すなわち、神の子羊イエス)に、主権と光栄と国が与えられ、諸民、諸国、諸国語の者たちがことごとく、彼(人の子、すなわち、神の御子キリスト)に仕えることになった。
その主権は永遠の主権で、過ぎ去ることがなく、その国は滅びることがない。」(ダニエル7:13,14)
人の子は、預言者の油、祭司の油、王の油の三つの油を注がれた「キリスト」です。世の罪を取り除く神の子羊として遣わされ、罪の贖いのみわざを成し遂げて、死から甦ると、天の雲に乗って、御父のみもとに行き、御父から、主権と光栄と国とを受けられました。
キリストは、御父から受けた「黙示(世の終わりに必ず起こるはずの事の預言)」を使徒ヨハネに告げられました。
キリストは、「聖霊のバプテスマを授けるキリストの権威」をお受けになりました。これは、キリストに与えられる光栄です。イエス・キリストの御名によって、御父は、もうひとりの助け主を遣わされます。
キリストは、ダビデの王座に着座される「イスラエルの王」です。神は、永遠のいのちを得させられる「七つの御霊の教会」を、とこしえのイスラエルの国民として、キリストにお与えになります。
キリストは、天においても地においても主権を持たれる、唯一の救い主です。
キリストは、死と死後の裁きが定められている人に、永遠のいのちを得させる救い主です。
キリストは、地上で罪を赦す権威が与えられている救い主です。
キリストの救いは、肉体の生命を救い、生命を伸ばすという、肉体の人の救いではありません。肉体が滅んだあとで、永遠の死から救う救い主です。死後の世界から、死者たちを救い出す救い主です。
宗教は多くあり、それぞれに教祖がいて、それぞれの教義にしたがって、救いを提唱し、希望を与えます。
しかし、罪を赦す権威は、神だけです。
キリストは、天地万物が造られる以前から、生けるまことの神、父なる神であられる「主」とともにおられる神のひとり子です。神のひとり子は、神の御姿の栄光を捨てて地に下り、土から造られた人と同じかたちになられました。
人の子のような方となられ、人の罪の身代わりとなって、罪の呪いの「死」を身に負われました。神の子羊イエスの血は、人の罪の贖いの代価となりました。
人の子はご自分のいのちを与え、「魂」が滅びないように、キリストの血で魂を死の国から買い戻し、いのちを与え救われます。
キリストは、永遠のいのちを得させる、魂の救い主です。
キリストは、神から出た者です。神の権威が与えられています。それゆえ、罪を赦す権威をお持ちなのです。
キリストは、神とともに、白い御座に着き、すべての被造物を裁く裁き主です。
それゆえ、イエス・キリストの、罪を赦す権威は有効です。
キリストが地上で赦されたことは、その赦された人が肉体を脱いだあとにも有効なのです。キリストがお与えになる御救いは、永遠の救いです。魂の救いです。
魂が朗らかならば、喜びと平安があります。
キリスト者よ。私たちが信じているイエス・キリストは、罪を赦す権威を持つ救い主です。苦しみから救うだけではありません。悲しみを慰めるだけではありません。
私たちの罪、たとい緋のように赤くても、雪のように白くしてくださいます。
罪を悔い改め、キリストに聞き従うことを心に決めた人に、神は、もうひとりの助け主を遣わしてくださいます。
キリストは魂の救い主です。肉体が死んでも、永遠に生きる新しい人に造り変えてくださる「真理の御霊」を、うちに住まわせてくださいます。御霊は、魂を救うために、この世の教えの偽りを明らかにし、真理を教え、いのちの道へと導いてくださいます。
肉体の死は終わりではありません。
終わりは、最後の裁きにあります。救われた魂は、永遠のいのちを得ます。しかし、魂の救い主に自分自身をゆだねなかった魂、また、まことの救い主キリストの御霊にそむく魂は、永遠の死(魂の死、霊の死)が定められます。肉体の死よりもひどいです。
第一の死(肉体の死)は誰もが通る道です。
第二の死(霊の死)に定められないために、キリストが来られ、もうひとりの助け主が来られているのです。
罪を赦す権威をお持ちのイエス・キリスト、魂を救うキリストの御霊、私たちの救い主をほめたたえましょう。
そして、魂の救い主と助け主を遣わせてくださった父なる神を崇めましょう。