ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

魂の救いの土台にイスラエルがあることは知られていない

 

 神がお定めになったアブラハムの跡取りは、妻サラが産んだイサクです。

 イサクは、アブラハムの祝福と契約を相続しました。

 カナンの地の相続と、世界の国々の祝福となること。すなわち、イサクの子孫から、地上のすべての民族を、神の祝福の中にはいらせるキリスト(救世主)が出る、という約束です。

 

 イサクの双子の息子のうち、神は、弟のヤコブを選んで、父祖アブラハムから受け継いだカナンの地と、ヤコブの子孫から世界の国々の祝福となるキリストが生まれるという契約を、相続させられました。

 

 神は、イサクの妻リベカに、リベカの胎内には二つの国があること、そして、兄が弟に仕えることを告げておられました。

 神のことばどおり、弟のヤコブが長子の権利とアブラハムの祝福を受け継ぐこととなりました。神に無頓着な兄エサウは、アブラハムが信仰によって受け継いだ神の契約を相続するには、ふさわしい者ではありませんでした。

 弟ヤコブは、胎内にあるときから選んでおられた神の御旨にふさわしく、アブラハムの契約の価値を十分に理解して神の祝福を求める信仰の人でした。

 

 アブラハムの信仰は、ヤコブに受け継がれたのです。

 ヤコブは兄エサウから長子の権利を買い取り、父イサクからアブラハムの祝福を勝ち取りました。

 

 父イサクは、ヤコブを祝福して祈りました。

 「国々の民はおまえ(ヤコブ)に仕え、国民はおまえを伏し拝み、おまえは兄弟たち(双子の兄エサウや、父イサクの兄弟のイシュマエルたち)の主となり、おまえの母の子らがおまえを伏し拝むように。

 おまえ(ヤコブ)を呪う者は(神に)呪われ、おまえを祝福する者は(神に)祝福されるように。」(創世記27:29)

 

 神がアブラハムに仰せられた「あなたを祝福する者をわたしは祝福し、あなたを呪う者をわたしは呪う。地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」の約束は、ヤコブを祝福する約束となりました。

 

 ヤコブという名前の意味は、「かかと」です。

 神は、エデンの園でエバを騙して罪を犯させた蛇に、女の子孫の「人の子」によって、蛇の頭の悪魔を踏み砕き、悪魔の子らは「人の子、すなわち、キリスト」のかかとに噛みつくという事を仰せられました。

 

 アダムにひとりの子どももいない時に、神は、キリスト(人の子として世に遣わす神のひとり子)のことを語られ、また、「人の子」(キリスト)のかかとに蛇(獣の霊)が噛みつく、と仰せられました。

 神は、アダムの腰にアブラハムをご覧になり、アブラハムの腰にヤコブ(かかと)を御覧になり、ヤコブの腰にキリストをご覧になっておられたのです。

 ヤコブは、悪魔を踏み砕く「人の子」(神の御子キリスト)を世に迎える者です。それゆえ、悪魔は、ヤコブに噛みつき、神の御計画を妨害します。

 

 神は、人と戦い、神と戦って勝利を得、信仰によって、アブラハムの契約と祝福とを勝ち取ったヤコブに、「イスラエル」という新しい名前をお与えになりました。

 ヤコブに噛みついた蛇(悪魔の子、すなわち、獣の霊)は、イスラエルに噛みついています。

 

 ヤコブの十二人の息子は、ユダヤ民族の十二部族の族長となりました。

 ユダヤ民族は、四百年の間エジプトの奴隷となって苦しみ、その苦しみの中で神に叫ぶと、神がレビ族のモーセを立てて遣わし、イスラエル(ヤコブの血肉の子孫)をエジプトから連れ出して、父祖アブラハムの地(カナンの地)に連れ上らせるために荒野へ導かれました。

 

 荒野で神は、ヤコブの子孫と契約を結ばれました。

 エジプトで奴隷だった民を、神の奴隷として任命されたのです。イスラエルは、この世の奴隷から、天地万物を造られた全能の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神の奴隷とされました。

 

 「イスラエルはみな口をそろえて答えた。

 『私たちは主が仰せられたことを、みな行ないます。』」(出エジプト19:8)

 

 神はイスラエルと契約を結び、イスラエルを「神の祭司の国民」として聖別して「わたしの民(全知全能の神の民)」と呼び、また、御自身を「イスラエルの神」と名乗られました。

 

 「来て、イスラエルを呪ってください。」と尋ねて来たバラクの金銭に目がくらんだバラムは、バラクについて行こうとしました。

 しかし、神の御使いが現われ、バラムの前に立ち塞ぎました。そして、「主がバラムに告げることばだけを告げよ。」と言いました。

 

 バラクは、バラムにイスラエルを呪うことばを期待しました。

 しかし、バラムは言いました。

 「バラクは、アラムから、モアブの王は、東の山々から、私(バラム)を連れて来た。『来て、私のためにヤコブを呪え。来て、イスラエルに滅びを宣言せよ。』

 神が呪わない者を、私(バラム)がどうして呪えようか。

 主が滅びを宣言されない者に、私がどうして滅びを宣言できようか。」(民数記23:7,8)

 

 バラムは、神から、イスラエルを祝福せよ、との命令を受けました。

 祈りに力があると認められているバラムは言います。

 「神は祝福される。(神はイスラエルを祝福される)

 私(バラム)はそれをくつがえすことはできない。」(民数記23:20)

 

 金銭に目がくらんだバラムの目は啓かれました。神の霊がバラムの上に臨みました。

 バラムは、イスラエルを祝福することが、神の御旨であることを、はっきりと悟ったのです。そして、祈りました。

 「あなた(イスラエル)を祝福する者は(神に)祝福され、あなた(イスラエル)を呪う者は(神に)呪われる。」(民数記24:9)

 

 アブラハムの上にあった神の祝福の約束は、ヤコブの上にあり、イスラエルの上にあるのです。

 神の約束は損なわれることがありません。

 

 イスラエルがどのような状態であっても、神の祝福はイスラエルとともにあるのです。

 「ヤコブの中に不法を見い出さず、イスラエルの中にわざわいを見ない。

 彼らの神(天地万物の創造主であり、すべての被造物を裁かれる裁き主である神)、(全能の)主は彼ら(神と契約を結ぶイスラエル)とともにおり、王をたたえる声が彼ら(ユダヤ民族)の中にある。」(民数記23:21)

 

 キリストの出現を約束されたイスラエルは、キリストを待ち望む民です。

 イスラエルが神の御子イエス・キリストを信じず、神に不信の罪を重ねているのは、異邦人の救いのためなのです。

 異邦人の中で救われる人たち(いのちの書に名がしるされる人たち)が定まったならば、異邦人の時は完成して、ユダヤ人の時が始まります。

 

 神に召され油注がれたユダヤ人たち(日本から起こると言われている「イスラエルのメシア」と「アロンのメシア」と十四万四千人のユダヤ人)のことばが、闇の世の真理の光となります。彼らの宣教によって、世界は救われ、心に愛と希望と信仰を持つ人々の魂は収穫されます。

 異邦人の霊の目が閉じると、ユダヤ人の目が開かれます。こうして、イスラエルはみな救われるのです。

 

 イスラエルの中には、王をたたえる声があります。

 異邦人たちは、イエス・キリストを王として仰いだことがあるでしょうか。

 ユダヤ人たちは、神の子羊イエスをイスラエルを贖うメシアとして心に迎え、神の御子キリストを彼らの王としてたたえるのです。

 

 日本人のキリスト者たちは、神の子羊イエス・キリストを、日本を贖うメシアと信じたことがあるでしょうか。神の御子イエス・キリストを、日本人の王としてたたえたことがあるでしょうか。

 

 ユダヤ人たちは、彼らの国を贖うキリストを待ち望んでいるのです。

 イスラエルは、あらゆる国、あらゆる民族、あらゆる言語の人たちを治める、平和の王ダビデの子、エルサレムに住むイスラエルの王を待ち望んでいるのです。

 

 「聖書」をあずかったのは、ユダヤ民族です。

 神のひとり子に肉体を造り、神がキリストである「人の子」を遣わされたのは、イスラエルです。

 「救い主キリスト」を待ち望んで来たのはイスラエルです。

 「地上のすべての民族は、あなたによって祝福される。」と神に約束されたのは、イスラエルです。

 救いは、ユダヤ人から出るのです。

 

 世の罪を取り除き、私たちの罪を贖ってくださる救世主イエス・キリストは、ユダヤ人です。

 終わりの時に、神に油注がれて世界の救いのために働くのは、ヤコブの血統のユダヤ人たちです。

 千年王国で、神の子羊イエス・キリストの王座の右と左にすわるのは、ユダヤ人です。

 

 千年王国の都は、贖われたユダヤ人たちが守ります。

 都の中にあるいのちの木の実を食べることが許される人は、「いのちの書」に名前のしるされている人たちです。

 

 全地にあって、全能の神の祭司として、神の御前に立って執り成す大祭司アロンとその子ら(祭司たち)に、主は告げられました。

 「あなたがたはイスラエル人をこのように祝福して言いなさい。

 『主があなた(イスラエル)を祝福し、あなた(イスラエル人)を守られますように。

 主が御顔をあなた(イスラエル)に照らし、あなた(イスラエル人)を守られますように。

 主が御顔をあなた(イスラエル)に向け、あなた(イスラエル人)に平安を与えられますように。』

 彼ら(祭司たち)がわたしの名でイスラエル人のために祈るなら、わたし(神)は彼らを祝福しよう。」(民数記6:23-27)

 

 罪の贖いを成し遂げて、父のみもとに帰られた神の御子イエス・キリストは、天の聖所で仕えるとこしえの大祭司となられました。レビ族から出たのではない、ユダ族から出た神の子羊イエスが神と人との仲介者となられたのです。

 キリストによって、古い契約は破棄され、新しい契約が与えられました。

 

 レビ族が神に仕える時代は過ぎ去りました。キリストの御霊を受ける者たちが、天の大祭司イエス・キリストの御名によって、地上で執り成す祭司の務めを受けたのです。

 

 祭司の務めをいただいたキリスト者たちは、イスラエルを祝福する祈りをしましょう。

 主イエス・キリストの御名でイスラエル人のために祈るなら、神は私たちを祝福してくださるでしょう。

 また、キリスト者でなくても、イスラエル人(ユダヤ人)の祝福を祈るなら、永遠のいのちを得させられる神が、その人たちを祝福されるでしょう。「いのちの書」に名前がしるされると思います。