ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

創世記十二章 神から発し神によって成り神に至る

 

 「主はアブラム(アブラハム)に仰せられた。

 『あなた(アブラム)は、あなたの生まれ故郷、あなたの父の家を出て、わたしが示す地へ行きなさい。

 そうすれば、わたし(全能の神、主)はあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大いなるものとしよう。

 あなたの名は祝福となる。(そのとおり、アブラハムの名は、天においても、地においても、代々にわたって覚えられている祝福の名であり、信仰の父の名前である)

 あなた(アブラハムとアブラハムの子孫〈神は「イサクの子がアブラハムの子孫と呼ばれる。」と仰せられ、イサクの子ヤコブに、アブラハムの契約と祝福を相続させられた〉)を祝福する者をわたし(全地の神)が祝福し、あなた(アブラハムの契約と祝福を相続するヤコブの子孫ユダヤ民族、すなわち、イスラエル)を呪う者をわたし(世をさばく権威を持つ天の神)は呪う。(神の中に祝福も呪いもある)

 地上のすべての民族は、あなた(信仰の父アブラハム)によって祝福される。(ヤコブの子であるアブラハムの血肉の子孫、また、天地万物を創造された全能の主、生けるまことの神への信仰を受け継ぐアブラハムの信仰の子孫、すなわち、信仰の勝利者たちは、ともに神に覚えられ、彼らの名は天に書き記される)』

 アブラムは主がお告げになったとおりに出かけた。(甥の)ロトも彼と一緒に出かけた。アブラムがカランを出たときは、七十五歳であった。

 アブラムは妻のサライと、甥のロトと、彼らが得たすべての財産と、カランで加えられた人々を伴い、カナンの地に行こうとして出発した。こうして彼らはカナンの地にはいった。

 アブラムはその地を通って行き、シェケムの場、モレの樫の木のところまで来た。当時、その地にはカナン人がいた。

 その頃、主がアブラムに現われ、そして『あなたの子孫(アブラハムの子孫、それは、妻サラから生まれる跡取りの子の子孫)に、わたし(天と地を造られた主)はこの地(カナンの地)を与える。』と仰せられた。

 アブラムは自分に現れてくださった主のために、そこに祭壇を築いた。」(創世記12:1-7)

 

 神は、すでに、エルサレムを御自分の都と定めておられました。

 その神の都は、カナンの地にありました。神は、アブラハムに、カナンの地を与えて、アブラハムの子孫を神に仕える民、すなわち、神の祭司の国民とする御計画でした。

 

 アブラムが、いっしょにカランの地を出て来た甥のロトと別れた後に、主はアブラムと契約を結んで仰せられました。

 「わたし(アブラムを、生まれ故郷、父の家から連れ上り、カナンの地に導き入れた主)はあなたの子孫(アブラハムの契約と祝福を相続するアブラハムの跡取りイサクの子孫であるユダヤ民族、すなわち、神の祭司の国民として神と契約を結ぶイスラエル)に、この地(カナンの地)を与える。

 エジプトの川から、あの大川、ユーフラテス川まで。(現在のエジプト、サウジアラビア、ヨルダン、イスラエル、パレスチナ自治区、クウェート、イラク、レバノン、シリア、トルコの十の国土をまたぐ、カナン全土を、アブラハムの子孫〈神の祭司の国民とされるイスラエル〉に与えると、神はアブラムに約束されました)

 ケニ人、ケナズ人、カデモニ人、ヘテ人、ぺリジ人、レファイム人、エモリ人、カナン人、ギルガシ人、エブス人を。(神は、カナン全土の住民も、アブラハムの子孫に与えると約束されました。その通り、神は、アブラハムの子孫イスラエルを四百年間奴隷であった奴隷の家エジプトから連れ上り、カナンの地を所有させるとき、カナンの地の住民を聖絶するように、と命じられました。取り残した住民は、水汲みなどイスラエルに仕える民とされました)』」(創世記15:18-21)

 

 歴史の一部分を切り取ることによってでは、神の御計画を知ることができません。

 現在、カナンの地の大部分はほかの民族の国となっているから、イスラエルが所有権を主張することはできないと考えるのは、今を生きる人々の捉え方でしょう。

 

 しかし、現在から、約四千年前に生きていたアブラハムの時代から、神は、カナン全土を、アブラハムの子孫の所有地と定めておられました。

 アブラハムには、女奴隷のエジプト人ハガルが産んだイシュマエルと、妻サラが産んだひとり子イサクと、妻サラの死後にめとったそばめのケトラが生んだ六人の息子がいました。

 しかし、神は、正妻サラのひとり子イサクをアブラハムの子と呼び、「イサクから生まれる子がアブラハムの子孫と呼ばれる。」と仰せられました。

 

 エジプト女が産んだイシュマエルは、無割礼のアブラムの子であって神の契約の中にはいません。

 神の契約のしるし割礼を受けたアブラハムから生まれた子は、(アブラハムと同じ父テラの娘である異母兄妹の)妻サラが産んだイサクです。

 アブラハムは、神に従って、モリヤの地に行き、祭壇を築き、祭壇のたきぎの上にイサクを置いて神にささげました。

 

 イサクは神にささげられた子です。

 神は、アブラハムの信仰と、父アブラハムに聞き従うイサクの信仰とをご覧になって、アブラハムの契約と祝福とを、イサクに相続されました。

 

 妻サラが亡きあと、アブラハムはそばめのケトラをめとり、六人の子を産みました。しかし、そのときのアブラハムは、神の契約と祝福とをイサクに相続した後なので、六人の子には、神の契約も祝福も残っていませんでした。

 

 アブラハムは生前、全財産を、神の契約を受け継ぐ跡取りのイサクに与えました。

 それゆえ、神の契約と祝福とを相続したアブラハムの子孫は、イサクの子であり、神が産まれる前から選んでおられた弟のヤコブです。

 

 ヤコブは、双子の弟ですが、父イサクがアブラハムから相続した神の契約と祝福の価値を知る者でした。

 双子の兄エサウは、アブラハムの契約、すなわち、神のものに無頓着な者であり、その価値を理解できない者でした。しかし、長子として生まれたエサウは、長子の権利を持ち、父の相続権を持っています。

 

 ヤコブは、エサウから、長子の権利を買い取りました。神と一つとなっていないエサウは、簡単に売って、長子の権利を手放しました。エサウには、アブラハムのような神を恐れる信仰がなかったのです。

 エサウは、アブラハムの信仰を受け継ぐのにふさわしい者ではありませんでした。

 

 ヤコブは、人と戦い、神と戦って、アブラハムの契約と祝福とを勝ち取りました。弟に生まれたヤコブは、信仰によって勝ち取って長子の権利とアブラハムの契約と祝福とを相続したのです。

 信仰の勝利者であるヤコブに、神は、「イスラエル」と名づけられました。そして、御自身を「イスラエルの神」と名乗られます。

 

 神は、アブラハムの契約を、神への信仰によって受け継ぐものとされました。

 神は、ヤコブに現れて仰せられました。

 「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。わたしはあなたが横たわっているこの地(アブラハムに与えたカナンの地)を、あなた(ヤコブ)とあなたの子孫(イスラエル)とに与える。

 あなたの子孫は地の塵のように多くなり、あなたは、西、東、北、南へと広がり、地上のすべての民族は、あなた(の信仰の勝利者の信仰)とあなたの子孫(イスラエル)によって祝福される。

 見よ。わたし(全地を統べ治める神)はあなたとともにあり、あなたがどこへ行っても(諸国に離散しても)、あなた(ヤコブの血肉の子孫ユダヤ人)を守り、あなた(ユダヤ民族)をこの地(アブラハムの相続地、アブラハムに与えたカナン全土)に連れ戻そう。わたし(イスラエルの神)は、あなた(イスラエル)に約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」(創世記28:13-15)

 

 現在、神が御自身の都としてお定めになっているエルサレムは、ユダヤ民族のものでしょうか。

 

 神に不可能はありません。現在そうはなっていないから、神のことば、神の約束は無効であるとするでしょうか。

 

 すでに住民がいる土地を、アブラハムに所有させる、と神は仰せられました。

 カナンの地の住民は、神にとって悪いものとなっていたからです。

 神はノアの時代、悪いものとなった世を水で滅ぼされました。

 神は、アブラハムの時代、悪い者に満ちたソドムとゴモラの町を、天から降って来た火で焼き尽くされました。

 

 神は、悪いものを滅ぼす神です。

 咎の満ちたカナン全土を滅ぼすこともおできになります。しかし、神は、悪いものとなったカナンの住民を滅ぼして、カナンの地をアブラハムとアブラハムの子孫に与えると仰せられました。

 

 神は、神を信頼する者たちに仰せられます。

 「わたしはあなたを救い出す。―主の御告げ。―

 あなたはあなたが恐れている者たちの手に渡されることはない。

 わたしは必ずあなたを助け出す。あなたは剣に倒れず、あなたのいのちはあなたの分捕り物としてあなたのものになる。それは、あなたがわたしに信頼したからだ。―主の御告げ。―」(エレミヤ39:17,18)

 

 肉の死は終わりではありません。死から甦る永遠のいのちの希望があります。信仰を持つ者への約束です。たとい、肉体に死んでも、神に信頼し、信仰を持ち続けるならば、失望に終わることはありません。信仰の勝利者は、必ず、死から甦るからです。肉体の死と引き換えに、永遠のいのちを得る人たちもいるのです。

 

 現在、神の約束が成就していないから、絶望しますか。

 神は、アブラハムと契約を結び、アブラハムの子孫イスラエルのために、カナンの地にイスラエル国家を築かれたではありませんか。

 神は、先祖の約束どおり、ダビデの子キリストをイスラエルに遣わされたではありませんか。神はアブラハムに雄の羊を用意されたように、イスラエルに神の子羊イエス・キリストをお与えになりました。

 

 「すべてのことが、神から発し、神によって成り、神に至るからです。」(ローマ11:36)

 

 カナンの地のエルサレムに第三神殿が建ち、反キリストがそこに立つ時、カナン全土はイスラエルの敵のもの(反キリストの国)となります。神のことばは成就しないのでしょうか。

 イスラエルの敵が勝利し、イスラエルは敗北したのでしょうか。

 

 「神である主はこう仰せられる。

 『見よ。わたしのしもべたちは食べる。しかし、あなたがたは飢える。

 見よ。わたしのしもべたちは飲む。しかし、あなたがたは乾く。

 見よ。わたしのしもべたちは喜ぶ。しかし、あなたがたは恥を見る。

 見よ。わたしのしもべたちは心の楽しみによって喜び歌う。しかし、あなたがたは心の痛みによって叫び、魂の傷によって泣きわめく。

 (神の民を苦しめた)あなたがたは自分の名を、わたしの選んだ者たちの呪いとして残す。それで神である主は、あなたがたを殺される。」(イザヤ65:13-15)

 

 ユダヤ人から出た救い主イエス・キリストは再び、来られます。

 ユダヤ人たちが捨てた神の子羊イエス・キリストが、イスラエルを救い、反キリストの国を滅ぼされます。

 そして、カナン全土にとこしえのイスラエル王国を建てて、キリストはイスラエルの王として、ダビデの王座に着かれるのです。

 

 イスラエルから出たキリスト、女から生まれ「人の子」となられた神のひとり子が、アブラハムの契約と祝福とを成就されます。

 

 「あなたの子孫に、わたしはこの地を与える。」と約束された神のことばは、神の御子キリストによって成就し、カナン全土のイスラエルの地もイスラエルの民も、神の所有となるのです。

 

 神のことばは、神の御子イエス・キリストによって成り、神の栄光に至るのです。