ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

創世記十七章 契約のしるし

 

 創世記12:1で、「わたし(主)が示す地へ行きなさい。」とアブラムに命じられた主は、「そうすれば、わたし(全能の神)はあなた(アブラム)を大いなる国民とする。」と、約束されました。

 

 創世記15:9-21にて、神は、カナンの地に寄留するアブラムと契約を結んで、カナン全土を、アブラムとアブラムの子孫に与えると仰せられました。

 

 これらは、神の一方的な祝福の契約でした。

 これらの契約は、神とアブラムの間ですでに締結されていると思いきや、実は、アブラムの側の契約の署名はまだされていない状態だったのです。

 

 結婚にたとえるならば、婚約して婚姻の約束を交わしたものの、まだ、結婚していない婚約期間に入った状態でした。婚姻の効力はなく、相続の権利はまだ持っていなかったのです。

 

 七十五歳の時、カナンの地へ向かって父の家を出たアブラムは、九十九歳になっていました。この二十四年の間、アブラムの妻サライに子はできませんでした。

 すでに、神の契約を信仰によって受け取っていたアブラムは、カナンの地に来て十年後に、妻サライの女奴隷ハガイとの間にひとりの男の子をもうけていました。イシュマエルです。

 

 おそらく、アブラムも妻サライも、アブラムが神から受けた契約と祝福は、女奴隷の子が受け継いで、アブラムの血肉の子イシュマエルがアブラムの跡取りである、と考えていたことでしょう。

 

 イシュマエルは、十三歳になっていました。

 アブラムは、アブラムの血を引くたったひとりの子イシュマエルに、大きな期待と希望を持っていたでしょう。

 おそらく、父アブラムがカナンの地に寄留する経緯や、全能の神が約束してくださった土地と祝福の約束などをイシュマエルに語り聞かせ、イシュマエルには神の契約を受け継ぐための教育がなされていたことでしょう。

 

 しかし、神は、アブラムにお与えになった契約に関して、アブラムの署名をまだ受け取っておられなかったのです。

 

 アブラムが九十九歳になったとき、主はアブラムに現われ、仰せられました。

 「あなた(アブラム)は、この、わたしの契約(土地と祝福の契約)をあなたと結ぶ。あなたは多くの国民の父となる。

 あなたの名は、もう、アブラムと呼んではならない。あなたの名はアブラハム(「高貴な父」の意)となる。

 わたし(全能の神)が、あなた(アブラハム)を多くの国民の父とするからである。

 わたしは、あなたの子孫(アブラハムの子孫)をおびただしくふやし、あなた(アブラハム)を幾つかの国民とする。あなた(アブラハム)から、王たちが出て来よう。

 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなた(アブラハム)との間に、そしてあなたの後のあなたの子孫(アブラハムの子孫)との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。わたしがあなたの神(アブラハムの神)、あなたの後の子孫の神(アブラハムの子孫の神)となるためである。

 わたしは、あなたが滞在している地、すなわちカナンの全土を、あなた(アブラム)とあなた(アブラハム)の後のあなたの子孫に永遠の所有として与える。わたしは、彼らの神(アブラハムの子孫の神)となる。」(創世記17:4-8)

 

 アブラムに現われた主は、アブラムに新しい名前をお与えになりました。

 高貴な父という意味の「アブラハム」と呼ばれました。

 もし、神との契約に契約書があるとすれば、その契約書は、アブラムではなく、アブラハムの名前で署名されています。

 

 そして、仰せられました。

 アブラムの子ではなく、アブラハムの子孫と契約を結ぶことを。神は、アブラムの神ではなく、アブラハムの神なのです。

 神が正規の契約を結ばれたのは、肉のアブラムではなく、神からいただいた新しい名で呼ばれるアブラハム(天の神の御子キリストを生むアブラハム)でした。

 

 ついで、神はアブラハムに仰せられました。

 「あなた(アブラハム)は、あなたの後のあなたの子孫とともに、代々にわたり、わたしの契約(神の契約)を守らなければならない。

 次のことが、わたしとあなたがたと、またあなたの後の子孫との間で、(神と契約を結ぶ)あなたがたが守るべきわたしの契約(神の契約)である。

 (神と結ぶアブラハムの契約にはいる)あなたがたの中のすべての男子は割礼を受けなさい。

 あなたがたは、あなたがたの包皮の肉を切り捨てなさい。それが、わたしとあなたがたの間の契約のしるしである。

 あなたがたの中の男子はみな、代々にわたり、生まれて八日目に、割礼を受けなければならない。家で生まれたしもべも、外国人から金で買い取られたあなたの子孫ではない者も。

 あなたの家で生まれたしもべも、あなたが金で買い取った者も、必ず割礼を受けなければならない。わたしの契約は、永遠の契約として、あなたがたの肉の上にしるされなければならない。

 包皮の肉を切り捨てられていない無割礼の男、そのような者は、その民(契約の民)から断ち切られなければならない。わたしの契約を破ったのである。」(創世記17:9-14)

 

 神は、契約を結ぶ者たちに、割礼を命じられました。割礼は、神との契約のしるしとなります。このしるしのない者は、アブラハムの家の中に留まることはできません。

 アブラハムの家は、神の契約の民の家だからです。アブラハムの血肉の子孫に限らず、しもべも奴隷もみな、割礼を受けることで、契約の民の中にいれられます。

 

 また、神はアブラハムに仰せられました。

 「あなたの妻サライのことだが、その名をサライと呼んではならない。その名はサラ(王の娘)となるからだ。

 わたし(天の神)は彼女(サラ)を祝福しよう。確かに、彼女(サラ)によって、あなた(アブラハム)にひとりの男の子を与えよう。わたしは彼女を祝福する。彼女は国々の母となり、国々の民の王たちが、彼女から出て来る。」(創世記17:15,16)

 

 神は、アブラムを高貴な父(アブラハム)と名づけ、妻サライを王女(サラ)と名づけられました。

 神は、こうして、アブラハムとサラとを祝福して、高貴な父と王女との間に、ひとりの男の子イサクをお与えになりました。

 

 アブラムと女奴隷ハガルとの間の子イシュマエルは、アブラハムの跡取りではなかったのです。

 アブラハムが神の契約のしるしの割礼を受けたのは九十九歳。イシュマエルは十三歳で神の契約のしるしの割礼を受けたのでした。

 

 アブラハムとサラの間に生まれたひとり子イサクは、生まれて八日目に割礼を受けました。イサクは、神の契約のしるしを持つアブラハムから生まれ出たひとり子であって、生まれる以前から神に定められたアブラハムの跡取り、すなわち、アブラハムの契約の相続人なのです。

 

 神は、契約とともに、契約のしるしを要求されます。契約のしるしが、契約の締結の証印となります。

 肉の割礼によって、アブラハムは、神との婚姻を完了させたことになります。

 

 また、神の契約を受け継ぐ「信仰の父」にふさわしく、多くの国民の父と母となるために、アブラハムという称号とサラという称号を与えて、神は、いよいよアブラハムの家を建て上げられます。

 

 地上のすべての民族を祝福する「アブラハムの家」の建て上げの始まりです。

 神が契約を結ぶ「アブラハムの家」には、アブラハムとサラのひとり子イサクの血肉の子孫もいれば、イサクの子孫ではないしもべや奴隷たちなど、アブラハムの信仰の中にはいる「信仰の子孫」もいます。

 

 イスラム教の聖典の『コーラン』には、「約束の地(カナンの地)はイスラエルの子らの土地」と書かれてあるそうです。

 

 アブラハムの肉の契約は、アブラハムの子孫イエス・キリストにより、霊の契約にバージョンアップしました。

 肉にしるされる「肉の割礼」ではなく、心にしるされる「心の割礼」が要求されます。

 神の御子イエス・キリストが来られたことで、神の契約のアブラハムの家は、地上の家から天上に上げられる家へと、とこしえの契約に引き上げられたからです。

 

 地上のアブラハムの家は、肉の割礼がなければ、無割礼の者として、神の家から断ち切られ、無割礼の者は契約を失いました。たとい、アブラハム、イサク、ヤコブの血肉の子たちであっても、神の契約を破った者とされたのでした。

 

 天上の契約の家は、心の割礼が求められます。心の割礼は、真理の御霊がお住まいになって、神の御霊みずから真理を教え導かれる、神の子どものしるしです。

 

 地上のイスラエルは、信仰の父アブラハムとサラのひとり子イサクの子、ヤコブの子孫たちと、また、その家のしもべや奴隷たちの肉の割礼という契約のしるしを持つ者たちでした。

 

 天上に引き上げられるとこしえのイスラエルは、信仰の創始者イエス・キリストの御霊を持つ人たちのとこしえの家です。

 契約の神は、契約のしるしを要求されます。

 

 終わりの時代、とこしえの天の御国にはいる生ける神の御霊の契約を持つアブラハムの子孫は、生かす御霊を持つ人々です。生かす御霊は、永遠のいのちだからです。

 神は、神のひとり子イエス・キリストの御名による真理の御霊の契約によって、御霊の教会を建て上げられます。

 

 千年王国にて、キリストとともに世界を統べ治める人たちは、キリストの御霊を飲むキリストのからだなのです。