ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

神の創造の完成はとこしえのイスラエル

 

 天地創造は、神のひとり子のためでした。

 神は、神のひとり子のために、神のひとり子とともに天の御国を相続する者たちを創造し、神のひとり子に主権ととこしえの国をお与えになられます。

 

 闇の天(第二の天)には、神のひとり子の主権を憎む悪魔(元天使長)がいます。

 悪魔と悪霊どもは、神のひとり子を妬み、主権を与えまいと妨害し敵対します。悪魔は自分の主権を主張し、悪霊どもに、神のひとり子は主権者としてふさわしくないと思い込ませています。また、ほかの堕天使たちも仲間にしようとしています。

 

 神は、神のひとり子とともに、闇に光を造り、天と地と万物を造られました。多くの種類の生き物を造り、最後に、神のかたちに似せて「人」を造られて、エデンの園の管理者とされました。「人」は、神が造られた生き物を支配する者でした。

 

 人は、神の息(いのちの息)を吹き込まれて、生きものとなりました。土の塵で造られた神形(人の形に作られた人形ではなく、神の形に造られた神形)でした。神形に、いのちの息が吹き入れられて、生きものとなったものが、「人」です。

 

 人には、すべての生き物を支配し、神の創造物を、神と神のひとり子のために管理する役目がありました。人は神のことばのうちにあり、神のみ旨の中を生きていました。

 

 闇の中には、神が天地万物を創造される以前から生息するものがいました。天から追放された堕天使たちです。天の神が、神のひとり子に敵対して神に反逆する天使長を天から追放されたので、天使長とともに天から落ちた堕天使たちは、闇の中で生息していました。

 

 天体は、堕天使たちのために造られたのでしょう。彼らの住まいです。

 しかし、太陽系銀河は、「人」のために造られました。神のみ旨を受けて、被造物を管理する生きた神形の「人」です。

 

 神は、神の御子のために、国と、主権と、神の御子とひとつ心となる御子の兄弟を創造されます。それは、御使いのように仕えるものではありません。御子とともに国を相続する相続人たちです。

 

 神(父なる神と子なる神と聖霊)に仕える天使長が、神に背きました。そして、天使長に従って多くの天使たちも神に背きました。

 神に背いた天使たちが取り除かれた天は、存在していたものがいなくなりました。

 神のひとり子を妬み、憎んだ滅びの子(堕天使)らに代わって、神は、御子のために、御子を愛し、御子に忠実な兄弟たちを用意されます。

 

 御子の兄弟にふさわしい者は、神を恐れ、神にへりくだり、神に聞き従う正しい人です。神は、それにふさわしい人を見出されました。

 神に敵対する蛇の言葉に聞き従って、エデンの園から追放されたアダムではありません。アダムが百三十年生きてアダムに似たアダムのかたちどおりの子を生みました。その子の名は、セツです。

 セツから生まれた子孫エノクは、神とともに歩む正しい人でした。神は、エノクの信仰を喜ばれ、エノクを生きたまま取り去られました。イスラエルの預言者エリヤのようです。

 

 神への信仰が、天に入るのです。真実な信仰を持つ者が、天に入るのにふさわしい者なのです。

 エノクの子孫に、ノアが生まれました。ノアの父レメクは、「この子は慰めを与えてくれるだろう。」と言って、ノア(休息)と名づけました。

 

 神の子ら(おそらく堕天使たち)は、人から生まれた娘を自分たちの妻とし、そして、彼らに子どもが生まれました。地上に人の悪が増大し、その心に計ることがみな、いつも悪いことだけに傾くのをご覧になった神は、暴虐で満ちた地を、すべての肉なるものとともに滅ぼすことを決められました。

 神は、主の心にかなう正しい人ノアに箱舟を造るように命じられ、ノアとノアの家族は、神の命じられた設計どおりの箱舟を造り、中に入りました。

 神は、四十日四十夜、地の上に大雨を降らせて、箱舟に入った生きものを残し地上のすべてのものを滅ぼされました。

 

 大水から救い出されたノアとノアの家族から、地球は再スタートしました。神は、暴虐に満ちた世をやり直されます。ノアの息子ハムの子孫に、地上で最初の権力者二ムロデが出ました。

 二ムロデは、神に逆らう群れを作りました。そのとき、地上の人は、一つの民、一つの言葉でした。神は、頂が天に届く塔を建てようとした彼らの言葉を混乱させて、彼らが互いに言葉が通じないようにされました。それで、彼らはその町(バベル。混乱の意)を建てるのをやめ、神は、人々をそこから地の前面に散らされました。

 その時、言語は分かれ、一つの民は幾つかの民族に分かれました。

 

 ノアは、息子ハムが自分にしたことを知って、「呪われよ。カナン。兄弟たちのしもべらとなれ。」(創世記9:25)と言いました。二ムロデは、ノアに呪われたハムの子孫です。

 ノアは、息子セムに言いました。

 「セムの神、主はほむべきかな。カナンはそのしもべとなれ。」(創世記9:26)

 ノアは、ノアが聞き従った神、すなわち大水から救い出してくださった神を、「セムの神。」と呼びました。セムはノアに祝福されました。

 

 セムの子孫に、アブラムが生まれました。アブラムは、神を恐れる正しい人であり、信仰によって神のことばに従い父の家を出て、神の示されるカナンの地に入りました。

 

 神は、アブラムを選ばれました。神のひとり子の兄弟にふさわしい者として選ばれました。神は、アブラムをアブラハム(高貴な父)、妻サライをサラ(王女)と改名して、ふたりから生まれる男の子イサクとその子孫に、カナンの地を与え、世界の祝福の基とすると約束されました。

 

 神は、アブラハムの子孫に、エバとアダムを騙した蛇の頭(悪魔)を踏み砕き、世界を治める女の子孫、すなわち、肉体を持つ「人の子」となられた神のひとり子(主キリスト)をお与えになることを定められました。

 

 神は、イサクの子ヤコブと契約を結び、また、ヤコブの十二人の息子たちとその子孫(ユダヤ民族)を神の民(イスラエル)とされました。

 神は、イスラエルと契約を結び、御自身を「イスラエルの神」と名乗られました。

 天の神は、ノアの神であり、セムの神であり、アブラハムの神です。アブラハムの神は、アブラハム、イサク、ヤコブと契約を結ぶ神であり「アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神」と呼ばれ、ついに、ヤコブの子孫ユダヤ民族と契約を結んで「イスラエルの神」となられました。

 

 イスラエルは、神が選ばれた神の民です。神は、イスラエルに神の掟を与え、イスラエルは、神の掟を守る民族です。イスラエルは、神が地上に造られた聖なる神の民であり、神の祭司の国民です。

 

 天の神(イスラエルの神)は、イスラエルに、罪を贖う神の子羊を送られました。世の罪を取り除く、罪の贖いの子羊イエスです。祭司の国民ユダヤ人たちは、神の子羊を十字架で屠りました。

 十字架で流された子羊イエスの血は、世の罪を取り除き、罪人の罪を贖います。十字架で屠られた子羊イエスは、神が遣わされた救世主(主キリスト)だからです。

 

 神が祝福の契約を結ばれたアブラハム、イサク、ヤコブの子孫「イスラエル」は、世界の祝福の基となる民族です。神の名がつけられた神のいとし子です。

 

 ユダヤ人から出た主キリスト(神の子羊イエス)は、神に遣わされた救世主です。罪を取り除き、死と裁きから救い出すメシアです。

 神は、神の子羊イエス(イエス・キリスト)の血の赦しを信じて、イエスを神の御子キリストと信じる者を義とし、イエス・キリストが墓から甦り天に上られたように、一度死んでも、死から甦り永遠に生きる神の子どもに造り変えてくださいます。

 

 神は、主キリストとともに御国を相続する相続人(神の子ども)を造るために、新しい創造を施されます。

 肉のイスラエル(アブラハム、イサク、ヤコブの血肉の子孫)は、天に入るために、キリストの御霊による新しい創造を受けて、永遠のいのちを得なければなりません。

 

 神は、神のひとり子イエス・キリストの御名によって授けられる聖霊(生かす御霊)によって、肉の子どもたちを霊の子どもに新しく生まれさせて、神の子どもに造り変えられます。これは、御霊の働きです。

 

 イスラエルが地に置かれているのは、神のひとり子にとこしえの国と主権をお与えになる神慮によります。

 肉なる者は、イスラエル国家を見ます。エルサレムを認識します。神は、神の御計画を具体的なかたちで私たちに見せておられるのです。

 

 神は、天に上った神の子羊イエスに、国と主権をお与えになられました。イエスは、キリストの権威をもって、イエスの弟子(キリスト者)たちに、聖霊のバプテスマを授けられます。キリストの御霊をお与えになるのです。

 

 神は、この地上にイスラエル王国を建てられます。神の子羊イエス(主キリスト)を王とするイスラエル王国です。天の神(イスラエルの神)とイスラエルの王(主キリスト)はエルサレムに座を設けて世界を治められます。

 

 この国は、永遠のいのちを持つ者の国です。永遠のいのちを得る神の子どもたちが集められます。

 神は、神のひとり子のために、神の子どもたちを創造されました。御霊によって新しく生まれ新しく創造された神の子どもたちは、天の御国の相続人です。とこしえのイスラエルです。

 

 「いと高き方(天の神)が、国々に、相続地を持たせ、人の子らを、振り当てられたとき、イスラエルの子らの数にしたがって、国々の民の境を決められた。

 主の割り当て分は御自分の民であるから、ヤコブ(信仰の勝利者)は主の相続地である。」(申命記32:8,9)

 

 神は、この「とこしえのイスラエル」の創造のために、ユダヤ人を諸国に散らして、すべての民族に彼らの祝福の約束(ユダヤ人から出た御救い)を分かち、イスラエルの子孫の数に照らして、諸国の民の境を決められたようです。神が受けられる分は、新しく生まれる民(新しい創造)であって、ユダヤ人はその祝福の賜物なのです。

 ユダヤ人(イスラエル)を祝福する者を、神は祝福されます。

 

 新しい創造の完成のために、キリストは、悪魔の子と悪霊どもを滅ぼされます。悪魔を捕まえて縛り、千年の間、底知れぬ穴に閉じ込められます。

 

 「諸国の民よ。御民のために喜び歌え。 

 主が、御自分のしもべの血のかたきを討ち、御自分の仇に復讐をなし、御自分の民の地の贖いをされるから。」(申命記32:43)

 

 神は、イスラエル(ユダヤ人とクリスチャン)を苦しめた敵にかたきを討ち、反キリストと偽預言者を生きたまま火の池に投げ入れ、敵に踏み荒らされたイスラエルの地(アブラハムに契約された広大なカナンの地)を贖われ、とこしえのイスラエル王国を完成されます。

 

 神は、神のひとり子のために新しく創造された「とこしえのイスラエル」を御子にお与えになり、神のひとり子の主権と国はとこしえに堅く立つのです。

 神が御子(神の子羊イエス)のために、とこしえのイスラエル(永遠のいのちを得る国民)を完成されると、最後の裁きがなされます。

 

 とこしえのイスラエルは、神が用意された「新しい天と新しい地」に入り、とこしえの安息を得るのです。