ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

人の子イエス

 

  神のひとり子は、神のみもとから、イスラエルの地に遣わされました。それは、アダムとエバが神のことばに背き、善悪の木の実を食べた後で、神がエバをそそのかした蛇に判決を下されたときに、すでに計画されていたことです。

 

  神は、女から生まれる子孫に、蛇(悪魔)の頭(支配力)を踏み砕く子が生まれること、そして、蛇はその子のかかと(ヘブライ語でヤコブ)に噛みつくことを決めておられました。

 

  神は、エバを通して、女には身籠りの苦しみを与え、苦しんで子を産むことと、妻は夫に支配されるという判決を下されました。妻は夫を支配したくても、神がそれを許されないこと、妻が悪魔に惑わされて夫に罪を犯させたので、妻は夫に支配され、夫の中で治められなければならない、とされました。

 

  神は、アダムを通して、男は妻のために家族のために一生苦しんで労働し、糧を得なければならない、とされました。神の呪いを背負って、一生を終えるのです。何故ならば、アダムの罪の呪いは、すべての被造物に覆うからです。すべての被造物を滅び(悪魔の支配)に渡してしまった、支配者であるアダムの罪の責任は、重いものです。これは、支配者が負わなければならない責任でした。

 

  神は、人の罪によって滅びの一途をたどるこの世に、神は、世を救うために、神のひとり子に肉体を造り、霊なる神の御子を肉体を持つ人の子として女から生んだのです。人の子は、肉によって生まれたのではありません。聖霊によって処女の胎に宿り、処女から生まれたのです。

 

  人の子は、アダムとエバに分かれる以前の、神が塵から神のかたちに造り神の息を吹き入れられた、最初の人の子です。

 

  人の子には、罪を犯したアダムと、罪を犯した事の無い神の子羊イエスのふたりがいます。つまり、神に背き、神のことばから外れた人の子と、神に従う、神のことばと一体の人の子です。

 

  罪を犯したアダムは、神の刑罰を受け、死と滅びの道を歩みます。これが最初のアダムです。

 

  神が、蛇(悪魔)の頭を踏み砕くために造られた人の子は、第二のアダムと呼ばれます。女から生まれた人の子です。女の子孫です。

 

  第二のアダムは、世を救うために造られました。

 

  最初のアダムは、神のことばから外れて、エデンの園から追放され、地上で罪人として生き、多くの罪人の子供たちを生んで来ました。彼らは、生まれながらの罪人です。聖なる神のもとに帰ることが許されていない汚れた滅びの子らです。彼らが仕えている悪魔の奴隷なのです。

 

  いのちの木への道は閉ざされました。彼らが永遠に生きることが無いように、いのちの木への道が守られているのです。

 

  世に生きるアダムの子らは、悪魔の支配下にあります。悪魔の奴隷です。悪魔の子になった者達もいます。

 

  神は罪の無い神の子羊によって、神の怒りを鎮め、神の義を立てることを定められました。全き聖なる生贄の子羊を用意し、天から地に送られました。

 

  地に住む者の中に、全きものはありません。神の御心を満足させる生贄はありませんでした。世の罪を贖う生贄は、地上に見出すことは出来ません。

 

  神はご自身のひとり子を世の罪の生贄とすることを考え、彼に人の子のからだを造られました。神の敵対者である悪魔の権力を砕き、悪魔の支配から、アダムの子らを救い出すためです。

 

  神は初めに、アブラムと契約を結ばれました。アブラムは、全能の神を畏れる正しい人でした。ノアに箱舟を造らせ、人類を滅ぼす大洪水からノア一家を救い出された創造主を崇拝していたのです。

 

  アブラムはアブラハムと改名され、神の契約のしるしである割礼を受ける、割礼の民の父となりました。

 

  アブラハムと妻サラの間に、神がアブラハムに与えると約束されていたイサクが生まれました。神は、アブラハムに、イサクがあなたの子孫と呼ばれる、と仰せられました。

 

  アブラハムから神の契約と祝福を相続したイサクに双子の男の子が生まれました。神はヤコブ(かかとの意)と名付けられた弟を選び、ヤコブが祖父アブラハムの契約と祝福を相続したのです。

 

  ヤコブが相続人である証として、神はアブラハムに告げておられた通りに、ヤコブの子孫は四百年間、外国の地(エジプト)で奴隷となりました。その後、神は、イスラエルと改名されたヤコブの子孫を、アブラハムに与えると約束されたカナンの地(現イスラエル)に導き上られました。

 

  途中、神は、ヤコブの十二部族のうちのレビ族を取り、ご自分の初穂として取り分けて、神に仕える部族としました。レビ人のモーセを通して、イスラエルの民に律法を与えて、神の民としての民族が造られたのです。神がアロンを大祭司とし、全能の神に仕える祭司の王国の民としての歩みが始まりました。

 

  ヤコブの子孫イスラエルにカナンの地が与えられて、ユダヤ民族によるイスラエル国家が誕生したのです。神がアブラハムに契約した通りでした。

 

  神は、神が選んだダビデ王の子孫に、天から、人の子を遣わされたのです。悪魔の頭を踏み砕く女の子孫は、神の御子が人となった、人の子イエスでした。アダムの罪を受け継ぐエバの子である、女から生まれたのです。

 

  しかし、神が地上に用意された人の子は、罪を犯す前に居た人の子です。アダムの罪を負っていません。罪の無い方でした。それで、神の子羊になることが出来たのです。彼は、自分の罪のために生贄を献げる必要はありませんでした。

 

  神が用意された神の子羊は、傷もしみもしわも無い全き生贄でした。聖なる方です。神の子羊イエスは、罪を犯しませんでした。最初から最後まで、徹頭徹尾、神のことばとして地上を歩まれました。

 

  神が遣わされた完全なる人の子は、地上に置いても、天上の生き方を全うされました。肉によって生きるのではなく、父のことばに従い、御霊によって生きられたのです。

 

  神の子羊として、アダムの罪を償い、贖いの血を流された人の子は、死から復活し、御霊による霊の子として永遠に生きるキリストとなられました。

 

  復活した人の子イエスが、キリストです。神の子羊イエスの血によって罪贖われたアダムの子らは、御霊によって新しく生まれて、霊の子とされます。

 

  イエスは頭(かしら)であり、御霊によって新しく生まれた人の子らは神の子羊のもとに集められて、キリストのからだは完成されるのです。

 

  人の子イエスは、永遠に生きる人の子を完成するために来られたのです。

 

  イエスが神の御子であるように、人の子らは神の子となるのです。