ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

軍勢の長にのし上がる雄山羊

 

 雄羊を打ち倒した雄山羊は非常に高ぶり、その強くなった時に、一本の大きな角が折れた。そしてその代わりに、天の四方に向かって、著しく目立つ四本の角が生え出た。(ダニエル書8:8)これは第三の獣の一本の大きな角が折れた後で、四つの頭が権力をめぐって立ち上がることを言います。

 

 四本の角のうちの一本の角から、また一本の小さな角が芽を出して、南と東と麗しい国(イスラエル)とに向かって、非常に大きくなった。(ダニエル書8:9)

 

 世界の覇権を握った中国の指導者が世を去ると、中国の経済に隷属した四つの領域(アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパ)が中国の強い指導者に代わる覇権をめぐって立ち上がりますが、四本の角(四つの領域)のうちの一本の角(一つの領域)から、一本の小さな角が芽を出して(国の指導者ではないひとりの人が立って)、中東の国々そして、イスラエルに向かって勢力を拡大するのです。

 

 このひとりの人は、ダニエル書11:21のように、国の尊厳を持つ指導者の立場にある者ではないが、不意にやって来て、巧言を使って国を堅く握る卑劣な者です。

 

 立場の無い者が不意に現れるようですが、その様子を知るのに分かりやすい人物がいます。スウェーデンのグレタ・トゥンベリさん(当時15歳)は、「気候のための学校ストライキ」という看板を掲げて、より強い気候変動対策をスウェーデン議会の前で呼びかけを行い、学校での気候変動のデモとスピーチを開始しました。スウェーデンの新聞が開催した気候変動エッセイ大会で優勝したことがきっかけで、同じ関心をもつグループの誘いでいくつかの会議に参加し、そこで学生ストライキの提案を受けたようです。翌年彼女は、国連気候行動サミットに出席し、地球温暖化に本気で取り組んでいない大人たちを叱責しています。

 

 環境活動家グレタさんとして、知られるようになりました。若者たちの抗議活動の火付け役となりました。彼女の影響力は大きいです。世界から見れば、彼女も不意に現れた存在です。もともとはイギリスのサッチャー首相が火力発電に代わる原子力発電を導入するために、専門家を集めて地球温暖化とCO2削減を紐づけたのが始まりのようですが、グレタさんが現れる前からCO2を問題視する動きがあったのです。

 

 不意に現れる第四の獣は、既に全体主義や世界統一を目指すグローバルな動きのある世界に、突然頭角を現すのです。「これは、ほかのすべての国と異なり、全土を食い尽くし、これを踏みつけ、噛み砕く。十本の角は、この国から立つひとりの王。彼らのあとに、もうひとりの王が立つ。彼は先の者たちと異なり、三人の王を打ち倒す」とダニエル書8:23,24にあります。

 

 第四の獣は、十の中東の国の中から立つひとりの指導者です。この指導者は、国の権威を持たない者であり、先に現れた第一の獣や第二の獣や第三の獣のように一本の角を持つ国の指導者とは異なり、十の中東の国のうちの三つの国を倒して立つ指導者です。

 

 第二の獣のロシアが侵攻しても神自らが守り、第三の獣の中国が税を取り立てる者を行き巡らすが、数日のうちに、中国の強い指導者が世を去ることによってそれは実現しなかった(ダニエル書11:20)イスラエルを、第四の獣が征服します。

 

 第四の獣は、力を増し加え、権力は大きくなって、「天の軍勢に達し、星の軍勢のうちの幾つかを地に落として、これを踏みにじり、軍勢の長にまでのし上がった。それによって、常供の献げ物は取り上げられ、その聖所の基はくつがえされる。軍勢は渡され、常供の献げ物に代えて背きの罪が献げられた。その角は真理を地に投げ捨て、欲しいままに振舞って、それを成し遂げた」とダニエル書8:10-12にあります。

 

 第二の獣(ロシア)の時も第三の獣(中国)の時も、イスラエルの神がイスラエルを守られました。しかし、悪魔が天の軍勢に達してイスラエルの君のミカエルの守りと反撃を止めさせます。そして、星の軍勢であるイスラエル12部族のうちの幾つかの人々を背教させます。また、反キリストは、イスラエルを支配する権威を持つ者となり、ユダヤ教の儀式を止めさせて、ユダヤ人が建てた第三神殿からユダヤ人を除きます。 

 反キリストは、神に代えて自分を神とし、ユダヤ人に建てさせた神の神殿を第四の獣(反キリスト)を大いなる者とした悪魔を礼拝する、悪魔の神殿とします。

 

 ユダヤ人の神殿とユダヤ人は、第四の獣(反キリスト)の手に渡されます。神が許されたのです。悪魔の権威が与えられた第四の獣は、真理を投げ捨て、悪魔の望むことを成し遂げるのです。

 

 世界の覇権を握る雄山羊は、第三の獣の中国の強い指導者に代わって立つ、巧言を使って国を堅く握る卑劣な指導者である第四の獣(反キリスト)によって、イスラエルとユダヤ人とエルサレムの神殿に権威を持つ者となります。

 

 ダニエル書11:31,32に、「彼の軍隊は立ち上がり、聖所と砦を汚し、常供の献げ物を取り除き、荒らす忌むべきものを据える。彼は契約を犯す者たちを巧言をもって堕落させるが、自分の神を知る人たちは、堅く立って事を行う」とあります。

 

 第四の獣は、彼の軍隊によって、ユダヤ人がメシアのために建てた神殿と砦である神の都エルサレムを占拠します。第四の獣(反キリスト)は、神との契約を持つユダヤ人のうち、律法の下にいないユダヤ人を巧言をもって堕落させます。地上の神を求める彼らは、強い指導者にのまれます。しかし、唯一神のイスラエルの神を知る人たち、みことばの中にいる人たちは、まことの神から外れることなく、神の信仰に堅く立って悪魔礼拝を拒むのです。