ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

第四の獣とローマ教皇

 

 ダニエル書11:39に、「彼は外国の神の助けによって、城壁のある砦を取り」とあります。37節では、「彼は、先祖の神々を心にかけず」と、第四の獣のことを言っています。

 

 第四の獣は、イスラム帝国の復興を目指しながら、ムスリム(イスラム教徒)ではないようです。彼の心にあるのは、すべてにまさって自分を大きいものとすることであり、どんな神々も心にかけてはいないのです。(ダニエル書11:37)

 

 彼は、策略家です。自分を高くあげる目的のためには、何でも使います。彼は、世界的にも権威が認められているカトリックのローマ教皇の権威を利用します。

 

 第二次世界大戦中、ナチス・ドイツが台頭した時に、当時のローマ教皇ピウス12世はナチスの凶暴的な勢力の前で沈黙を守り、ユダヤ人弾圧に反対しなかったとして、「ヒトラーの教皇」と呼ばれています。

 

 第四の獣が立つ治世のローマ教皇は、世界平和のために、第四の獣に協力します。第四の獣は、異宗教のカトリックの指導者の助けを受けます。第四の獣が世界を政治的に統一する指導者であり、ローマ教皇は世界を宗教的に統一する指導者です。

 

 それ以前から、世界の宗教は、様々な宗教が協力し合って世界平和を目指そうという運動が世界に広がっていました。第四の獣は、バチカンにすべての宗教の本山としての栄誉を与え、ローマ教皇の権威を用いてバチカンの傘に入る宗教を保護し、すべての宗教は各々の教理や宗教観を持ったままで守られるのでしょう。第四の獣は、どんな神々も心にかけず、彼にとっては神ではないから、それらが大集合しても気にしません。

 

 第四の獣にとって必要なのは、ローマ教皇の権威を用いて、イスラム教とその他の宗教を区別することです。イスラム教は、イスラム教徒を一つにまとめるために不可欠なものです。第四の獣は悪魔礼拝者であり、神々を憎む者です。ですから、第四の獣にとっては、イスラム教ですら利用するものなのです。第四の獣は自分の神殿を建てるために、すべてを利用します。

 

 第四の獣は、世界の宗教的統一の象徴として、ユダヤ教、イスラム教、キリスト教の聖地であるエルサレムに神の神殿を建てることを提案します。三つの宗教の共通の父祖アブラハムが神と崇めた、アブラハムの神の神殿をアブラハムに約束された地イスラエルの神の都エルサレムに建築する計画です。

 

 第四の獣の心は、自分を大いなる者とした悪魔の神殿を造らせるのです。しかし、イスラム教徒にはアブラハムの神の神殿と呼び、ユダヤ人のものではなく、イスラム帝国の復興の象徴としての神殿(ユダヤ教徒もキリスト教徒をも支配下に置くイスラムの神の神殿)をユダヤ人に造らせると思わせます。

 

 ユダヤ人には旧約聖書の預言の成就としての第三神殿の建築を、神殿の丘に許します。長い間、ユダヤ人の夢見て来た第三神殿を、イスラム教徒が管理して来た神殿の丘に立てることが出来るのです。ユダヤ人は歓喜します。

 

 神殿の丘は、かつてアブラハムがイサクを献げようとしたモリヤの丘であり、ソロモン王が第一神殿を建てた跡地であり、イスラム教徒がモスクを建てた場所であり、第一回十字軍の征服によってテンプル騎士団の拠点となり騎士団本部が置かれて教会に使われていたこともありました。

 

 ユダヤ人が四百年間の奴隷生活のエジプトから連れ出され、アブラハム、イサク、ヤコブが相続したカナンの地に入った後、ダビデ王の子ソロモン王がエルサレムに神の神殿を建設してイスラエル王国を確立しました。

 

 ユダヤ人が神が天から遣わされた神の御子を信じず、神の子羊イエスを十字架につけると、神を信じなかった不信と背信の罪により、神がローマ帝国を使ってユダヤ人をイスラエル(カナンの地)から追い出し、世界に散らされました。ユダヤ人は国を失い、外国で寄留し国々で迫害を受けながら、先祖の神の預言の成就を待ち望んでいました。

 

 イスラエルの国の回復と第三神殿の建築と、メシアの到来です。1948年にイスラエルの国が建国されました。それは、アブラハムに与えられた土地の一部分でした。イスラム組織の勢力によって国土は縮小していきます。

 

 ソロモン神殿が建っていた神殿の丘はイスラム教徒が管理しており、ユダヤ教徒は入ることが出来ません。ユダヤ人が国を持ったというだけで、聖書に約束されている回復には程遠いです。ソロモン神殿の跡地には、イスラム教のモスクがそびえているのです。

 

 第四の獣は、ユダヤ人に神殿の丘に第三神殿の建築をするように命じます。ユダヤ人には夢のようです。第三神殿が建つと、メシアが来るはずです。メシアのために神殿を建てるのです。世界中からユダヤ人が集められます。希望と喜びを持って集まり、神殿が建てられていきます。ユダヤ人の中には、第四の獣がメシアだと勘違いする人もいるでしょう。

 

 ローマ教皇は、イスラム教とユダヤ教とキリスト教が一つとなる、平和の神殿であるかのように演説します。すると、世界中は中東の平和を確信し、第四の獣を平和の君として褒めたたえます。ローマ教皇の影響力は健在です。

 

 第四の獣とローマ教皇は、その権威により金銭欲と権力欲の欲望によって結ばれ、互いに協力して、世界統一の新秩序を生み出して行くのです。