ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

ふたりの証人

 

 黙示録11章で、神の聖所と祭壇と礼拝している人が測り竿で測られています。これは、ゼカリヤ書2章にもあります。ここでは、エルサレムの幅と長さが測られています。その後、大祭司ヨシュアのもとにゼルバベルが来て、ふたりが神殿再建に取り掛かったことが記されています。

 

 ゼカリヤ書で起こったことが、終わりの時代にも起こります。第三神殿が測られ、ふたりの証人が神殿建設に携わり、千二百六十日の間預言します。彼らは全地の主の御前にある二本のオリーブの木、また二つの燭台です。

 

 黙示録11:5-7に、こう書かれています。

 「彼らに害を加えようとする者があれば、火が彼らの口から出て、敵を滅ぼし尽くす。彼らに害を加えようとする者があれば、必ずこのように殺される。

 この人たちは、預言をしている期間は雨が降らないように天を閉じる力を持っており、また、水を血に変え、その上、思うままに、何度でも、あらゆる災害をもって地を打つ力を持っている。

 そして彼らが証を終えると、底知れぬ所から上って来る獣が、彼らと戦って勝ち、彼らを殺す。」

 

 ふたりは、終わりの時代に神に油注がれた霊的指導者です。ひとりはユダヤ人、ひとりは日本人と思われます。南ユダの杖と北イスラエルの杖が一つとなって、世界の人々を正しい道に導くのです。

 

 神に油注がれたふたりに害を加えようとする者があれば、彼らの言葉によって火が下り、人々が焼き尽くされます。まるで、列王記Ⅱ1:12のエリヤのようです。

 

 この人たちは、預言をしている期間は雨が降らないように天を閉じる力を持っています。ヤコブ書5:17に、「エリヤは、私たちと同じような人でしたが、雨が降らないように祈ると、三年六か月の間、地に雨が降りませんでした。そして、再び祈ると、天は雨を降らせ、地はその実を実らせました」とあります。エリヤの霊がふたりに働くのです。

 

  ふたりはまた、水を血に変えます。出エジプト記7:17-21に、モーセが手に持っている杖でナイルの水を打つと、水が血に代わったことが、書かれています。モーセの霊がふたりに働きます。モーセは、主のことばを受けて主の仰せられる災害をエジプトに下しました。しかし、終わりの時代に立つふたりの証人は、自分たちの思うままに、何度でも、あらゆる災害をもって地を打つ力が与えられているのです。

 

 ユダの総督ゼルバベルの霊の人は、イエスを彷彿とさせます。イエスが生まれた時、ヘロデ王に命を狙われました。神がエジプトへ逃がして幼子イエスの命を守られました。ゼルバベルの霊の人がキリストを信じて新しく生まれる時、やはり、七つの頭と十本の角を持つ獣(反キリスト)に命を狙われます。この子には、神の使命があります。神が、彼を守られます。

 

 モーセの霊と、エリヤの霊と、キリストの霊がふたりの証人に働きます。マタイの福音書17:1-3には、高い山で、イエスの御姿が弟子のペテロとヤコブとヨハネの前で変わり、御顔は太陽のように輝き、御衣は光のように白くなったことが書かれています。しかも、モーセとエリヤが現れてイエスと話し合っているのです。

 

 イエスよりも数世代も前のアブラハム、イサク、ヤコブの子孫であるモーセと、北イスラエル王国の預言者エリヤが、彼らよりも数世代後の時代に、バビロン捕囚から帰還したユダ(もと南ユダ王国)に誕生した、ユダヤの王神の御子イエスと話し合っているのを、見たのです。

 

 レビ人のモーセの時代に出エジプトしたアブラハム、イサク、ヤコブの子孫ユダヤ民族は、民族の律法が神から与えられて神の民となりました。

 ダビデ王とその子ソロモン王によって確立したカナンの地に建国されたイスラエル王国は、ソロモン王の不従順により、南ユダ王国と北イスラエル王国に分裂しました。神の契約の民の国には預言者が立ち、王に神のことばを伝えました。エリヤは、後にアッシリアに捕囚されることとなる北イスラエル王国の預言者です。

 イエスは、ダビデの子、ユダヤの王としてベツレヘムに生れ、『ユダヤの王』という罪状書きで、十字架につけられます。イエスは、ユダヤ民族の罪を贖う生贄の神の子羊です。イエスの贖いの血は、ユダヤ民族の罪を贖い、ユダヤ民族を律法の呪いから解放します。神の初穂の民ユダヤ民族が贖われることで、すべての被造物の罪が贖われるのです。

 

 ふたりの証人は、神との契約と神の律法の民ユダヤ民族(ユダヤ教徒)と、神のことばに忠実な北イスラエル(律法の外にいる神の民、クリスチャン)とに福音を語り、神に立ち返らせ、主イエス・キリストに立ち返らせ、また、多くのユダヤ人にイスラエルの王として再び来られるキリストを迎える備えをさせる働きをするのでしょう。

 

 神が彼らに定められた三年半の期間が終わると、悪魔が反キリストに力を与えて、ふたりの証人を殺害し、彼らの主イエスのように、木にかけるのです。

 

 終わりの時にふたりの証人が現れることも、彼らの働きも、彼らの死も昔から神によって計画され、定められているのです。