「あなたの打ち場とあなたの酒ぶねから、刈り入れが済んだとき、七日間、仮庵の祭りをしなければならない。
この祭りのときには、あなたも、あなたの息子、娘、男女の奴隷、あなたの町囲みのうちにいるレビ人、在留異国人、みなしご、やもめも共に喜びなさい。
あなたの神、主のために、主が選ぶ場所で、七日間、祭りをしなければならない。あなたの神、主が、あなたのすべての収穫、あなたの手のすべてのわざを祝福されるからである。あなたは大いに喜びなさい。
あなたのうちの男子はみな、年に三度、種を入れないパンの祭り、七週の祭り、仮庵の祭りのときに、あなたの神、主の選ぶ場所で、御前に出なければならない。主の前には、何も持たずに出てはならない。
あなたの神、主が賜った祝福に応じて、それぞれ自分の献げ物を持って出なければならない。」（申命記１６：１３－１７）
神は、御自分の民としたイスラエルに、イスラエルを奴隷の家エジプトから連れ出した奇しい神のわざを覚えて七日間の「過越しの祭り」を祝うこと、また、それから七週間（かまを立穂に入れ始める時から七週間）を数えた「七週の祭り」（神がモーセに十戒を与えた五旬節）を祝うこと、そして、穀物の打ち場と酒ぶねから取り入れが済んだとき、七日間の「仮庵の祭り」を祝うことを命じられました。
「過越しの祭り」、「七週の祭り」、「仮庵の祭り」は、ユダヤ人の三大祭りと呼ばれ、今尚、ユダヤ人の間で守り続けられています。
肉の割礼を受け、モーセの律法を受け、神のことばを受けた血肉のイスラエル（神が契約を結ぶアブラハム、イサク、ヤコブの子孫）は、神の子羊イエス・キリストを十字架で屠りました。血肉のイスラエルは、神の祭司の務めを果たしたのです。
祭司の国民ユダヤ民族は、神のひとり子イエス・キリストを生みました。神の御子イエスは、イスラエルの罪の贖いのための神の子羊です。神の子羊の血は、十字架で流されました。罪のない子羊イエスの血は、永遠の贖いを成し遂げられました。もはや、再び贖いの血を流すことはありません。
キリスト・イエスは自分自身を献げ、ただ一度で、罪の贖いを成し遂げられたのです。そして、死から甦られたキリストは、永遠に存在される祭司の務めを持っておられます。
「ご自分（イエス・キリストの御名）によって神に近づく人々を、完全に救うことがおできになります。キリストはいつも生きていて、彼らのために、執り成しをしておられるからです。」（へブル７：２５）
イスラエルに、天のまことの聖所で仕える祭司、天よりも高くされた大祭司イエス・キリストが現われました。メルキゼデクの位に等しい祭司です。神が、「あなたは、とこしえに、メルキゼデクの位に等しい祭司である。」と仰せられたからです。
神である主は、誓ってこう言われ、御心を変えられることはありません。「あなた（神のひとり子イエス・キリスト）はとこしえに祭司である。」
天で仕える大祭司が現われると、天の大祭司イエス・キリストに仕えなければなりません。地上の祭司は、まことの祭司（神のひとり子イエス・キリスト）のひな型でした。
「祭司職が変われば、律法も必ず変わらなければなりません。」（へブル７：１２）
永遠に生きておられるまことの祭司イエス・キリストが現われると、新しい律法が与えられました。肉の割礼と石の板に書かれたモーセの律法を古いとされ、御霊による心の割礼と心に書かれる律法を与えられたのです。
神は、神のひとり子イエス・キリストによって、神がイスラエルに命じられた「過越しの祭り」や「七週の祭り」や「仮庵の祭り」の実体を現わされました。
祭司の実体が、永遠に生きる神のひとり子イエス・キリストであるように、実体は、永遠のものだったのです。
「過越しの祭り」の実体は、神の子羊イエスの罪の贖いの十字架による御救いのわざでした。神は、子羊イエスの血によって、罪人を滅びの世から救い出し、罪の奴隷の世から解放してくださるのです。
「わたしはあなたがたの神、主であって、わたしがあなたがたの神となるために、あなたがたをエジプトの地から連れ出したのである。わたしはあなたがたの神、主である。」（民数記１５：４１）
神のひとり子イエス・キリストは、キリストの十字架を信じる人々の主となるために、彼らを罪の世から連れ出し死と滅びから救い出されました。
「七週の祭り」の実体は、五旬節の日に天から下られた聖霊のバプテスマでした。神は、天から与えられる新しい律法（御霊）によって、心に割礼を授け、新しい創造を施されるのです。こうして、永遠に生きる神の民イスラエルが、永遠に生きておられるイスラエルの王神のひとり子イエス・キリストのために造られるのです。
「仮庵の祭り」の実体は、神の御子主キリストが治められる神の国でした。永遠に生きるイスラエルのために、地上に造られる千年王国です。
仮庵の祭りは、神がカナンの地に導き上るために奴隷の家エジプトから連れ出されたイスラエルが、荒野で過ごしたことを覚えるためでした。
「あなたがたは七日間、仮庵に住まなければならない。イスラエルで生まれた者はみな、仮庵に住まなければならない。
これは、わたしが、エジプトの国からイスラエル人を連れ出したとき、彼らを仮庵に住まわせたことを、あなたがたの後の世代が知るためである。わたしはあなたがたの神、主である。」（レビ記２３：４２、４３）
神の子羊イエス・キリストの十字架の贖いの血で世の罪から連れ出されて、イエス・キリストの救いの御名を信じた人々は死と滅びから救い出され、聖霊のバプテスマを受けて、新しい契約を受ける新しいイスラエルの中に入ります。
新しいイスラエルは、永遠に生きるイスラエルです。永遠のいのちを得る、神のひとり子イエス・キリストの民イスラエルです。キリストが王となられる新しいイスラエルの国民です。
永遠のいのちが約束された新しいイスラエル（キリストの血で贖われた神の民）は、滅びの世から救い出してくださった神のひとり子イエス・キリストのもとに集められます。
世に与えられた仮庵の時です。火の中（患難）を潜り抜けた世は、イスラエルの王イエス・キリストを迎え、平和の世となります。千年の間、神のみことばの成就を味わうのです。
反キリストに支配されてエルサレムに攻め上って来たすべての民のうち、生き残った者もいます。
「エルサレムに攻めて来たすべての民のうち、生き残った者はみな、毎年、万軍の主である王を礼拝し、仮庵の祭りを祝うために上って来る。
地上の諸氏族のうち、万軍の主である王を礼拝しにエルサレムへ上って来ない氏族の上には、雨が降らない。もし、エジプトの氏族が上って来ないなら、雨は彼らの上に振らず、仮庵の祭りを祝いに上って来ない諸国の民を主が打つその災害が彼らに下る。
これが、エジプトへの刑罰となり、仮庵の祭りを祝いに上って来ないすべての国々への刑罰となる。」（ゼカリヤ１４：１６－１９）
イスラエルを奴隷としたエジプトは、この世のひな型です。聖書では、罪の奴隷とするこの世を、エジプトと表現しています。
千年王国は、仮庵の祭りの時です。仮庵の祭りを祝うためにエルサレムに上って来て、万軍の主であるイスラエルの王イエス・キリストを礼拝する者は、神の祝福を受けますが、仮庵の祭りを祝いに上って来ない諸国の民に災害が下るのです。
イエス・キリストが再びイスラエルに来られる前に、イスラエルは大きな患難を潜り抜けました。イスラエルだけではありません。全地が恐怖と苦難の中を抜け出して来たのです。
生き残っていること自体が奇跡です。悪魔が荒れ狂い、反キリストと偽預言者と悪魔の子らにいのちを奪われ、世の人々は、激しい苦しみと恐怖の中を潜り抜けて来たのです。
悪霊どもと反キリストと偽預言者を滅ぼし、悪魔を千年の間縛ってこの苦しみを終わらせてくださったのは、イスラエルの王キリスト・イエスです。
生き残った人々は、この世から救い出された人々です。千年間は、新しい天と地に入る前の仮庵の時代なのです。
血肉のイスラエルが、奴隷の家エジプトを連れ出されて約束の地に入るのに、荒野で仮庵に住みました。同様に、罪の奴隷の世から救い出された人々は、約束の天の御国に入るのに、仮庵の時を過ごすのです。
神が地上に設けられた仮庵の時は、イエス・キリストの民新しいイスラエルが天の御国に入るための仮庵です。しかし、患難から救い出してくださった主キリストに感謝しない者や神を信じない人々は、この世の滅びから救い出されたのにも関わらず不信仰ゆえに刑罰を受け、罪の中で死んでいくのです。
エジプトから出たイスラエルの多くの人々は、荒野で死にました。六十万人いた成人男子でカナンの地に入ったのは、ヨシュアとカレブの二人だけでした。
神が設けられた仮庵の時、イスラエルの王の治世では、王を礼拝しに、毎年、（悪魔と悪霊どもと反キリストと偽預言者の勢力を打ち破り、死と滅びに勝利を取られた）万軍の主である王（イエス・キリスト）を礼拝しに、仮庵の祭りを祝うためにエルサレムに上ることに祝福があるのです。
かつて、奴隷の家エジプトから救い出された血肉のイスラエルは、仮庵の荒野で、神と契約を結ぶ神の民となり、神と心一つとなったイスラエルがカナンの地に入りました。
罪の世から救い出された人々は、神が設けられた仮庵の時に、イスラエルの王（イエス・キリスト）を礼拝する新しいイスラエルに整えられて、イスラエルの王と心一つになった新しい創造のイスラエルが、天の御国に入るのです。
