ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

悪魔のからだの完成 

 

 バビロン帝国のネブカドネザル王は、この後、バビロン帝国がどうなるのか、繁栄し続けるのかと思い巡らしていました。

 すると、天の神は、彼の夢に現わされました。この後に起こることです。その夢に見た出来事は、ネブカドネザル王が知りたいと願った事の答えでしたが、彼にはその意味がわかりませんでした。

 

 天の神は、たとえで現わされるからです。神の御子イエスもたとえで語られました。しかし、主のしもべには、隠されたものを明らかにされます。

 

 捕虜のユダヤ人のダニエルが、神から知恵を受けて、ネブカドネザル王の夢を解き明かしました。

 ネブカドネザル王の治めるバビロン帝国の栄華の後で、バビロン帝国よりも劣るもう一つの帝国が起こり、次に第三の帝国が起こって全土を治め、第四の帝国は鉄のように強い国です。そして、鉄と粘土の分裂した帝国が起こり、その王たちの時代(鉄と粘土の分裂した国を治める王と十本の足の指に当たる十の国の王たちの時代)に、天の神は、一つの国を起こされます。

 すると、天の神が起こされたその国(神の御子イエス・キリストが治める神の国)が、ネブカドネザル王の栄華を誇る帝国(悪魔に支配された地に属する強い国)をすべて絶滅し、永遠に堅く立ち続けます。

 

 ネブカドネザル王の見た夢の中の像は、悪魔のからだを現わしていました。悪魔のからだの頭は、バビロン帝国にありました。

 ネブカドネザル王の治めるバビロン帝国の後に、メディヤとペルシャの帝国が起こりました。バビロン帝国ほどの力はありません。

 次に、全土を治めるギリシャ帝国とローマ帝国が起こりました。これらの帝国の影響力は全土をおおい、現在でも精神性や文化、芸術など多岐にわたって色濃く残っています。ローマ帝国においては、神聖ローマ帝国としてバチカンに引き継がれ、今でも世界中に信者を持つ大きな組織として権力を維持しています。

 そして、鉄のように強いオスマン帝国が起こり、支配しました。第一次世界大戦の後、オスマン帝国は消滅しました。

 

 ネブカドネザル王の見た夢は、実現しました。ネブカドネザル王没後の世界で成就しました。しかし、最後の十本の足の指の帝国は、まだ起こっていません。

 この国が起こると、悪魔のからだは完成します。

 

 現代では、帝国の支配は過去の事だと思われていますが、実は、帝国支配は、まだ完成していないのです。

 ネブカドネザル王は、バビロン帝国の栄華が末長く続くことを願ったことでしょう。その栄華を、最後の帝国が完結します。世界中を悪魔を礼拝する悪魔の民とするのです。

 バビロン帝国、メディヤ帝国、ペルシャ帝国、ギリシャ帝国、ローマ帝国、オスマン帝国、そして、その後、世界の文明国の発展と様々な自国主権の国々の複雑な細胞分裂の時を経て、最後に、バビロニア帝国のような、悪魔の帝国が起こります。世界の覇権を握る反キリストの国です。

 

 反キリストの国が起こると、この世を支配する悪魔の帝国は完成します。長い年月をかけて完成されました。

 反キリストは、十の国の王の上に立つ、主権者です。十の国は、神がアブラハムの子孫イスラエルの相続地としてお与えになられたカナンの地の全土です。反キリストは、終わりの時に現われるようにと、神が定めておられた破壊者滅びの子です。

 

 オスマン帝国が第一次世界大戦後に消滅した後、帝国主義は終焉し、新しい時代の幕開けとなりました。

 多くの植民地を持つイギリスで産業革命が起こり、金融のしくみによって世界を水面下で支配しました。

 イギリスから渡航したアメリカでは、聖書を土台とする国づくりがされました。ピューリタンによる新約聖書のキリスト教の教えから旧約聖書だけを聖書とするユダヤ人による金融支配の資本主義が主流となり、人間の心を奮い立たせる人権主義が世界を覆いました。平和を語る大統領はノーベル平和賞を授与され、聖書の土台は取り除かれ、多様性の新しいアメリカはイスラムが潜む国となりました。

 ソビエト連邦が崩壊すると、ロシア連邦が立ち上がり、世界は軍事力を競い合いました。ロシアは、イランや北朝鮮や中国と手を結び、核開発を推奨します。

 あらゆる国の技術を盗み取る中国は、経済大国となり、お金を貸した国々が返せないとなると、各国の建設物を次々と中国が所有し、一帯一路政策を進めて、世界の覇権を握るでしょう。しかし、その期間は短いのです。

 中国の強い指導者が亡くなると、中国は弱い国となり、中国の指導者が握っていた世界の覇権をめぐって国々が争い、第三次世界大戦が勃発します。

 オスマン帝国の復興をめざすイスラム原理主義の戦闘員たちは、この時とばかりに戦い、勝利するでしょう。

 平和な世界統一をめざすバチカンのローマ教皇の助けを受けて、反キリストは、イスラム教、キリスト教、ユダヤ教の聖地エルサレムに平和をもたらし、世界中の人々から支持を受けるでしょう。

 神が終わりの時代のために定めておられたふたりの証人(イスラエルのメシアとアロンのメシア)がイスラエルに立ち、ユダヤ人たちは、神殿の丘に、アブラハムの神の神殿(第三神殿)を建てます。

 ふたりの証人の預言や奇跡やしるしが現わされる三年半の期間に、ユダヤ人にリバイバルが起こります。また、終わりの時の世界宣教のために神に召された十四万四千人のユダヤ人たちによって、神に立ち返る人々が起こされます。おそらく、神に立ち返る人々は、聖書を知っている人々だと思われます。彼らが預言している間は、反キリストの力が弱くされます。

 三年半の終わりに反キリストは力を吹き返し、ふたりの証人を殺します。世界は歓喜します。闇の子らが聞きたくない神のことばを語るふたりが滅ぼされたからです。

 

 イスラエルの君ミカエルとの闘いに敗れ地上に落とされた悪魔は、反キリストに、悪魔の権威を与えます。すると、反キリストは神殿に立ちます。悪魔は、ひとりのユダヤ人にも、反キリストと同じ悪魔の権威を与えます。おそらく、ダン族の人でしょう。

 

 ユダヤ民族の父ヤコブは十二人の息子(十二部族の族長)たちに、終わりの日に起こることをそれぞれに告げました。

 「ダンは、道のかたわらの蛇、小道のほとりのまむしとなって、馬のかかとを噛む。それゆえ、乗る者はうしろに落ちる。」(創世記49:17)

 ダンは終わりの日に、いのちの道(狭き門の狭き道)のほとりで、馬のかかと(神の御子イエス・キリストの聖徒であるユダヤ人)を噛み、神の選びの民であるユダヤ人のことを頼みとしている聖徒(異邦人)たちをつまずかせるのでしょう。 

 ダン族から出るひとり(ユダヤ人)が、悪魔の権威を受けた偽預言者だからです。ダン族の人々はダン族の誉れとして、この偽預言者に従うでしょう。

 彼らは、ユダヤ人たちに反キリストの像を造らせて、ユダヤ人に拝ませます。また、異邦人たちに獣の数字666を刻印し、世界中の人々を悪魔礼拝者とします。

 

 反キリストが神殿に立つとき、バビロン帝国のネブカドネザル王が見た、鉄と粘土でできた最後の帝国(復興するバビロン帝国)が起こります。こうして、巨大で、その輝きはこの世のものとは思われない、姿の恐ろしい像は完成します。

 

 悪魔に権威を受けた反キリストとユダヤ人の偽預言者は、神の民(ユダヤ人とキリスト信者)を滅ぼし、世の光を消す破壊者です。世界は闇となり、神のさばきの恐怖に満ちます。

 

 悪魔は古い蛇です。人類の創造の初めにエバを惑わし、人類を悪魔の手のうちに入れた蛇です。悪魔は、巨大な竜の姿のサタンです。それは、七つの頭と十本の角を持つ竜の姿です。

 最後の反キリストの帝国が起こる(反キリストが世界の覇権を握る)と、竜は七つの頭に勝利の冠をかぶります。

 十の国の王たち(反キリストが治める十の国の王たち)は心一つとなって反キリストに主権を与え、彼らは、バチカンと教皇やカトリック諸国を焼き払います。反キリストは、十の国の王たちに指導者として認められ、栄誉を受けます。その時、反キリストは頭の十本の角のそれぞれに冠をかぶります。国のなかった反キリスト(国のない民族出身なのでしょうか)は、十の国にまたがるカナンの地の全土を所有する主権者となるのです。

 

 悪魔のからだは完成します。七つの帝国を支配し、世界を恐れさせました。そして、終わりの時に、十の国の王の主権者反キリストとして現われ、歴史をまたがり支配してきた悪魔は姿を現わします。

 

 反キリストは、悪魔の寵児です。

 悪魔は、金融のしくみを世界に張り巡らせ、人間の欲を駆り立てて地に属する人間社会を形成して天の神を忘れさせ、欲望のすえに武器兵器に明け暮れる一方で、世界の覇権を握る欲望に目覚めさせ、世界的権威を持つローマ教皇とともに、偽りの平和で世界を騙し、挙句の果てには自分を神とする反キリストを出現させました。

 七つの頭は、すべて反キリストであり、反イスラエルであり、反ユダヤなのです。神に敵対する荒らす者たちなのです。

 

 現在、のちに起こされるオスマン帝国の復興のイスラム国はすでに、世界の人々の心を自分の味方にしています。

 ハマスは、世界中の人々の心にユダヤ人を憎む心を芽生えさせ、イスラエルを呪う者としつつあるのです。

 

 「イスラエルを祝福する者を神が祝福し、イスラエルを呪う者を神が呪われる。」という神のことばは、異邦人のための神の法です。ユダヤ人を憐れみ、イスラエルを祝福する者は、永遠のいのちの恵みに辿り着く道を見出します。しかし、イスラエルを呪う者は、神が与えられたもの、持っているもののすべてを失うのです。

 

 悪魔のからだが完成すると、天の神は、悪魔のからだ(七つの頭と十本の角の竜)を絶滅する、一つの国を起こされます。

 

 天から来られるイスラエルの王(イエス・キリスト)が反キリストと偽預言者を滅ぼし、悪魔のからだは絶滅します。そして、悪魔を捕え、悪魔を千年の間縛って、底知れぬ所に投げ込んで、そこを閉じ、その上に封印して、千年の終わるまでは、悪魔が諸国の民を惑わすことにないようにされます。(黙示録20:2,3)

 

 悪魔(だます偽り者)がいない世界は争いがなく、平和です。

 天の神は、神の御子イエス・キリストの国を地上に建てられます。天から下って来た新しいエルサレムにキリスト(イスラエルの王)が住まわれ、反キリストが所有した国土(カナンの全土)はイスラエル王国となり、ユダヤ人やクリスチャンが集められます。

 

 世界は、平和の王(イスラエルの王イエス・キリスト)に治められ、千年の間、人々は平和で平安と喜びに満ちた神の世を味わうのです。