「神の御心に従って、イエス・キリストのからだ（生贄の神の子羊）が、ただ一度だけ献げられたことにより、（神の子羊イエスの贖いの血により罪が赦され神に義とされた）私たちは聖なる者とされているのです。
また、すべて祭司は毎日立って礼拝の務めをなし、同じ生贄を繰り返し献げますが、それらは決して罪を除き去ることができません。
（もしそれができたのであったら、礼拝する人々は、一度きよめられた者として、もはや罪を意識しなかったはずであり、したがって、献げ物をすることは、やんだはずです。）
しかし、キリストは、罪のために一つの永遠の生贄（神の御子ご自身のからだ）を献げて後、神の右の座に着き、それからは、その敵（悪魔）がご自分の足台となる（悪魔が支配する世を滅ぼすキリストの国が地上に起こる）のを待っておられるのです。
キリストは聖なるものとされる人々（罪が贖われ神の子どもとされる人々）を、一つの献げ物（罪のない神の子羊イエスの血）によって、永遠に全うされたのです。」（へブル１０：１０－１４）
神の子羊イエスが十字架で流された贖いの血は、ただ一度で、罪を取り除き、また、天にあるもの自体をきよめました。
モーセの時代、イスラエルは、神から御告げを受けました。
「よく注意しなさい。山であなたに示された型に従って、すべてのものを造りなさい。」（へブル８：５）
地上の大祭司が仕えるのは、天にあるものの写しと影です。モーセが神に示された型どおりに建てた幕屋です。
その幕屋は、血によってきよめられ、初めの契約も血なしには成立していません。律法によれば、すべてのものは血（生贄のいのち）によってきよめられるのです。また、血を注ぎ出すことがなければ、罪の赦しはないのです。
「ですから、天にあるもの（天のまことの聖所）にかたどったもの（地上の幕屋）は、これらのもの（生贄の血）によってきよめられる必要がありました。しかし天にあるもの自体は、これよりもさらにすぐれた生贄（神の子羊イエスの血）で、きよめなければなりません。
キリストは、本物の模型にすぎない、（人間の）手で造った聖所（地上の聖所）にはいられたのではなく、天そのもの（天のまことの聖所）にはいられたのです。そして、今、私たちのために神の御前に現われてくださるのです。」（へブル９：２３，２４）
イエス・キリストは、ご自分の血によって、ただ一度、（天の）まことの聖所にはいり、永遠の贖いを成し遂げられたのです。
永遠の贖いは、天において承認される罪の赦しであり、神に義とされるのです。そして、生かす御霊によって、良心がきよめられ、罪の性質が砕かれて、天を思う新しい思いが植えられ、新しい心がかたち造られるのです。
地上の幕屋で献げられる献げ物と生贄は、礼拝する者の良心を完全にすることはできません。罪の性質を変えることはできないのです。
しかし、キリストが傷のないご自身（神の子羊イエス）を、とこしえの御霊によって神にお献げになったその血（罪の贖いの血）は、私たちの良心をきよめて、死んだ行ない（罪の行為）から離れさせ、（生かす御霊によって）生ける神に仕える者とするのです。
神は、御子による新しい契約を、神の子羊イエスの血によって結ばれました。私たちは、神の子羊イエスの血を受けて、キリスト（救い主）の血と御霊とによって御救いの契約を受けるのです。
「キリストは、新しい契約の仲介者です。それは、初めの契約（モーセの律法）のときの違反を贖うための死（神の子羊イエスの十字架の死）が実現したので、召された者たちが永遠の資産の約束を受けることができるためです。」（へブル９：１５）
召された者とは、天の召しにあずかっている聖なる人々のことです。死者の中からキリストを甦らせて、彼（イエス・キリスト）に栄光を与えられた神（父なる神）を、キリストによって信じる人々です。
キリストは、御父にお願いして、私たちにもうひとりの助け主を遣わしてくださいました。真理の御霊です。御霊は、私たちのうちに住まわれ、弱い私たちを助けてくださいます。
「私たちは、どのように祈ったらよいのかわからないのですが、御霊ご自身が、言いようもない深いうめきによって、私たちのために執り成してくださいます。
人間の心を探り窮める方は、御霊の思いが何かをよく知っておられます。なぜなら、御霊は、神の御心に従って、聖徒のために執り成しをしてくださるからです。」（ローマ８：２６，２７）
「神は、あらかじめ知っておられる人々を、御子のかたちと同じ姿（神の子ども）にあらかじめ定められたからです。それは、御子が多くの兄弟たちの中で長子となられるためです。
神はあらかじめ定めた人々をさらに召し、召した人々をさらに義と認め、義と認めた人々にはさらに栄光をお与えになりました。」（ローマ８：２９，３０）
神は、人の心を見られる方です。イサクの妻リベカの胎内の双子の男の子を御覧になり、神を侮る子と神を求める子のそれぞれの心を御覧になって、弟のヤコブを召されました。
神は、心を御覧になって、あらかじめ知っておられるのです。そして、あらかじめ真実な心の人々を知っておられ、その人々をあらかじめ神の子どもに定め、神のひとり子キリストを彼らの長子とされるのです。
神は、新しく創造される神の子どもたちに永遠の資産の約束をお与えになり、キリストとともに天の御国を受け継ぐ者とされるのです。
イエスはご自分の肉体という垂れ幕を通して、（神〈天〉と人〈地〉とを隔てていた垂れ幕を破り）私たちのために、新しい生ける道（天の御国に入るいのちの道）を設けてくださったのです。
私たちは、イエスの血によって、大胆にまことの聖所（天の御国）にはいることができるのです。
私たちには、神の家を司る、偉大な祭司イエス・キリストがあります。キリストは御子として神の家を忠実に治められるのです。
「もし私たちが、（信仰の）確信と、（神の子どもとされる）希望による誇りとを、終わりまでしっかりと持ち続けるならば、私たちが神の家なのです。」（へブル３：６）
「私たちのためには、もろもろの天を通られた偉大な大祭司である神の子イエスがおられるのですから、私たちの信仰の告白を堅く保とうではありませんか。
私たちの大祭司（キリスト）は、私たちの弱さに同情できない方ではありません。罪は犯されませんでしたが、すべての点で、私たちと同じように、試みに会われたのです。
ですから、私たちは、（神の）憐れみを受け、また恵みをいただいて、おりにかなった助けを受けるために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか。」（へブル４：１４－１６）
「私たちすべてのために、御自分の御子をさえ惜しまずに死に渡された方（神）が、どうして、御子といっしょにすべてのものを、私たちに恵んでくださらないことがありましょう。」（ローマ８：３２）
キリストは私たちを憐れみ、神の御前でいつも執り成してくださる大祭司です。
「キリストは永遠に存在されるのであって、変わることのない祭司の務めを持っておられます。
したがって、ご自分によって神に近づく人々を、完全に救うことがおできになります。キリストはいつも生きていて、私たちのために、執り成しをしておられるからです。」（へブル７：２４，２５）
