ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

渇く者は来なさい

 

 イエスは、立って(人々に向かって)大声で言われた。

 「だれでも渇いているなら、わたし(イエス・キリスト)のもとに来て飲みなさい。

 わたしを信じる者は、聖書が言っているとおりに、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになる。」(ヨハネ7:37,38)

 

 イエスは言われました。いつも(救い主)キリスト・イエスのもとに来て、いつもキリストの与える水を飲んでいなさい。

 

 雨の少ないイスラエルでは、水は大変貴重なものでした。人々は町の井戸に水を汲みに行きます。人々は朝に井戸へ行きました。しかし、町の人々にうしろめたい思いを持つ人は人々の群がる時間帯を避けて、人のいない夕方に井戸へ行きました。

 

 イエスは旅の疲れで、井戸のかたわらに腰をおろしておられました。

 ひとりのサマリヤの女が水を汲みに来ました。女は、人目を避けて、人々のいない時刻に井戸に来ました。

 

 ユダヤ人たちは混血のサマリヤ人を外国人とみて彼らと交流することはありません。ところが、イエスは、彼女に「わたしに水を飲ませてください。」と言われました。

 サマリヤ人とつきあいをしないユダヤ人がサマリヤ人の自分に声をかけるので、女は驚きました。

 

 イエスはサマリヤの女に言われました。

 「もしあなたが神の賜物(神が遣わされた神の子羊キリスト)を知り、また、あなたに水を飲ませてくれという者(イエス)がだれであるかを知っていたなら、あなたのほうでその人(救い主キリスト)に求めたことでしょう。そしてその人(キリスト)はあなたに生ける水を与えたことでしょう。」

 

 また、イエスは言われました。

 「この(井戸の)水を飲む者はだれでも、また渇きます。

 しかし、わたし(イエス)が与える水を飲む者はだれでも、決して渇くことがありません。わたしが与える水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水が湧き出ます。」(ヨハネ4:13,14)

 

 女は、生理的生命を潤す水を考えました。「私が渇くことがなく、もうここ(井戸)まで汲みに来なくてもよいように、その水をください。」とイエスに答えました。

 しかし、キリストであるイエスは、霊を潤し永遠のいのちを得させるいのちの水のことを言われたのでした。これは、天から来られたキリストにしか与えることのできないいのちの水です。

 

 キリストに向くならば、その人の心の奥底から、生ける水の川が流れ出るようになるという、心に置かれる泉を、キリストは与えられます。

 キリストは聖霊のバプテスマを授ける権威を持たれる主(神の御子)です。しかし、まだ栄光を受けておられなかったので、御霊はまだ注がれていませんでした。

 イエスは、イエスを信じる者が後になってから受ける御霊(イエスの十字架の死と贖いの血と死からの復活、そして、天に上って神から国と光栄と主権を受けて神の御座の右に着座され、そして、キリストの権威を持って授けられる聖霊のバプテスマ)のことをいわれたのです。

 

 キリストが聖霊のバプテスマを授けられると、イエスの弟子たちは、御霊を受けました。イエスを信じる者のひとりひとりのうちに御霊が住まわれると、その人の腹の底から喜びが湧き起こります。

 キリストが与える生ける水は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水が湧き出ます。それが、真理の御霊、もうひとりの助け主のことです。

 

 御霊が設けられる泉から生ける水の川が流れ出て、その人自身が生かされるだけでなく、生かす御霊は、永遠のいのちに至る神のことばを溢れさせ、周りの人々をも生かされるのです。

 

 それは聖書が言っているとおりです。

 「ああ。渇いている者はみな、水(永遠のいのちへの生かす御霊)を求めて(キリストのもとに)出て来い。金のない者も。さあ、穀物を(ただで)買って食べよ。

 さあ、金を払わないで、穀物を買い、代価を払わないで、ぶどう酒と乳を買え。」(イザヤ55:1)

 

 キリストが与えるものは、金で買うものではありません。信仰によって得るものです。それは、永遠に至る食物です。(からだを養う)なくなる食物ではなく、いつまでも保ち、永遠のいのちに至る霊の食物(真理のことば)、すなわち、神が与える真理の御霊です。それこそ、人の子(イエス・キリスト)が与えるものであり、永遠のいのちを得させるものです。

 

 聖書は言っています。

 「今、聞け、わたしのしもべヤコブ、わたしの選んだイスラエル(神と人と戦って勝利しアブラハムの契約と祝福を得た神の民)よ。あなたを造り、あなたを母(リベカ)の胎内にいる時から形造って、あなた(神が選んだ弟ヤコブ)を(兄エサウの殺意から)助ける主はこう仰せられる。

 『恐れるな。わたしのヤコブ(ヤコブの子孫ユダヤ民族)、わたしの選んだエシュルン(愛らしい真実な民)よ。

 わたし(神)は潤いのない地に水を注ぎ、乾いた地に豊かな流れを注ぎ、わたしの霊をあなたのすえに、わたしの祝福をあなたの子孫(ユダヤ民族)に注ごう。」(イザヤ44:2,3)

 

 1948年にイスラエルの国が建国されると、離散していたユダヤ人たちが祖国に帰還しました。ユダヤ人は、海水を真水にする技術を生み出し、乾いた荒地は、緑豊かな地とされました。イスラエルの地はアブラハムの子孫ユダヤ人を迎え、彼らを喜び、彼らを祝福したからです。果樹に豊かな実をつけ、多くの産物を与えて、ユダヤ人を養いました。

 

 かつて、ユダヤ民族の父祖アブラハムの子イサクが住んでいたとき、その地に飢饉があり、ゲラルのペリシテ人の王アビメレクのところへ行きました。主がイサクに現われて仰せられました。

 「エジプトへは下るな。わたし(神)があなた(イサク)に示す地に住みなさい。

 あなたはこの地(カナンの地)に滞在しなさい。わたしはあなたとともにいて、あなたを祝福しよう。それはわたしが、(カナンの地の)これらの国々をすべて、あなた(イサク)とあなたの子孫(ヤコブの子孫)に与えるからだ。こうしてわたしは、あなたの父アブラハムに誓った誓いを果たすのだ。」(創世記26:2,3)

 

 イサクは、主のことばに従いました。

 「イサクはその地に種を蒔き、その年に百倍の収穫を見た。主が彼(イサク)を祝福してくださったのである。」(創世記26:12)

 

 神は、イサクを養うために、土地を祝福し、百倍の収穫を与えられました。

 1948年以降、神は、約束どおり、アブラハムの約束の地にイサクの子孫(ユダヤ人)を住まわせ、イサクの子孫ユダヤ人にも、イサクと同じ祝福を与えておられます。

 

 しかし、神の約束は、朽ちて行く水の祝福にとどまりません。

 潤いのない地に水を注ぎ、乾いた地に豊かな流れを注がれた神は、神の霊(聖霊)をヤコブの子孫のすえ(キリスト)に、神の祝福をヤコブの子孫(ユダヤ人)に注ごう、と約束しておられるのです。

 

 確かに、神は、約束どおり、ユダヤ人のうちに、神の御子キリストを遣わされ、イエス・キリストを信じる者たちに、聖霊のバプテスマを授けられました。

 

 イエスが、外国人のサマリヤの女に、「わたしの与える水(御霊)は、その人のうちで泉となり、永遠のいのちへの水が湧き出ます。」と言われたように、キリストは、契約の外にいた異邦人の私たちにも、キリストの与える決して渇くことのない水(御霊)を与えると言ってくださいました。これは、恵みの約束です。

 

 決して渇くことのないキリストが与える水(御霊)を、イエス・キリストに求めるならば、キリストは、喜んで生ける水(御霊)をお与えになるのです。

 

 「渇く者は来なさい。」とイエス・キリストは仰せられます。

 御霊を与えることで、神は、聖書のことばを成就されます。

 「主は絶えず、あなたを導いて、焼けつく土地でも、あなたの思いを満たし、あなたの骨を強くする。(骨は若草のように生き返る。)

 あなたは、潤された園のようになり、水の枯れない源のようになる。」(イザヤ58:11)

 

 御霊は、主を恐れて悪から離れさせてくださいます。そして、その人を健康にし、骨に元気をつけてくださいます。

 御霊は、その人のうちで泉となり、ことばに尽くすことのできない、栄えに満ちた喜びに満たしてくださるのです。