ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

ヤコブの子ヨセフ


  ヤコブには、ニ人の妻と二人のそばめがいました。ヤコブはラケルを愛していました。ラケルを妻として迎えるために、姉のレアも妻として迎え入れ、様々な苦難にも耐えました。

  ラケルは不妊の女で、子どもを身籠る事はありませんでした。それで、レアとラケルの女奴隷二人はそばめとなりました。

  三人の妻には各々息子がおり、ヤコブには、十人の息子がいました。神はラケルを覚えておられました。ラケルの願いを聞き入れて、その胎を開かれました。

  ラケルは、ヤコブに、十一人目の息子ヨセフを生みました。ヨセフは、最愛の妻ラケルの長子でした。ヨセフの後に生まれた十二人目の息子ベニヤミンの出産時に、妻ラケルは亡くなりました。アブラハムは、年寄り子のヨセフを息子達の誰よりも愛しました。そして、長子に着せる、袖付きの長服を作ってやりました。

  他の兄弟は、ヨセフを憎みました。

  ヨセフは、象徴的な夢を見ました。それは、父と母と十一人の兄がヨセフを伏し拝む事を現わしていました。

  ヨセフを妬む兄たちは、「あの夢見る者を殺し、あれの夢がどうなるか見ようではないか」と言って、ヨセフの長服をはぎ取り、彼を捕らえて、穴の中に投げ込みました。すると、ユダが「肉親の弟に手をかけてはならない。ヨセフをイシュマエル人に売ろう」と言い、彼らは通りかかった奴隷商人に、弟ヨセフを銀二十枚で売りました。

  彼らは、ヨセフの長服を雄山羊の血に浸し、父ヤコブのところに持って行くと、ヤコブはヨセフが獣に噛み裂かれたと信じ、幾日もの間、泣き悲しみました。

  一方、エジプト人の奴隷となったヨセフは、主人に愛されました。主人はヨセフを側近の者とし、その家を管理させ、彼の全財産をヨセフの手に委ねました。主がヨセフと共におられ、ヨセフのする事すべてを成功させて下さったからです。

  ヨセフは体格も良く、美男子でした。ヨセフに言い寄る主人の妻を拒んだ事で、妻は、夫に偽証して、ヨセフを罪人としました。夫は怒りに燃え、妻の偽証を信じてヨセフを監獄に入れました。

  主は、冤罪で囚人となったヨセフと共におられました。夢の解き明かしの能力が与えられたヨセフによって、エジプトの知恵者の誰も解き明かす事の出来なかったエジプトの王ファラオの夢が解き明かされました。

  七年間の大豊作の後に、七年間の大飢饉が起こる、というものでした。ファラオは、神の霊を宿すヨセフをエジプトの大臣として、飢饉に備えさせました。監獄に入れられていた奴隷のヨセフが、エジプトの大臣に任命されたのです。

  飢饉になると国々はエジプトに食糧を買いにやって来ました。カナンの地からもヨセフの兄弟が買いに来ました。二回目に訪れた時、ヨセフは兄弟に名乗りました。エジプトの大臣がエジプトに売った弟ヨセフである事を知り、カナンの地に帰りました。父を連れたヤコブ一族は、ヨセフのもとで養われるためにエジプトに移住しました。

  ヨセフの見た夢は、こうして成就しました。また、十二人の息子の長子であるルベンが、四人の母のうちのひとり、ヤコブのそばめと寝るという罪を犯したので、神と父ヤコブは、長子の権利をルベンから取り上げてラケルの長子ヨセフに与えられました。ヨセフの見た夢のように、父も母も十一人の兄弟達もエジプトの大臣のヨセフの権威によって、守られ養われたのです。

  兄達の妬みと憎しみによって、エジプトに売られエジプトの奴隷となったヨセフは、兄達の悪の計らいを、神が良い事のための計らいとされた事を知りました。ヤコブの家族が生き延びるために、その事も神のご計画のうちにあった事を悟りました。

  カナンの地から出て、エジプトに下る時に、神は、夜の幻の中でヤコブに語られました。

  「わたしは神、あなたの父の神である。エジプトに下ることを恐れるな。わたしはそこで、あなたを大いなる国民にするから。わたし自身があなたと一緒にエジプトに下り、また、わたし自身が必ずあなたを再び導き上る。ヨセフの手はあなたの目を閉じてくれるであろう。」

  ヤコブは、死の床で、ヨセフのふたりの息子を祝福しました。弟であるエフライムを長子として祝福し、兄マナセの先にしました。十二人兄弟の長子であるヨセフは、二倍の祝福を受け、エフライムのヨセフ族とマナセのマナセ族の二部族を受けたのです。

  それから、ヤコブは、その子らを呼び寄せて、十二人の息子おのおのに相応しい祝福を与えました。これらは、イスラエルの部族で、十二でした。

  父イサクとは違い、ヤコブは見分ける力が確かな相続人、洞察力の優れたイスラエルとなって息絶えました。

  大臣のヨセフは、父ヤコブをミイラにしました、ファラオのすべての家臣達、ファラオの家の長老達、エジプトの国のすべての長老達、ヨセフの全家族と父の家族達、そして、戦車と騎兵の一団は、カナンの地にある妻レアが眠る墓に納め、荘厳で立派な葬儀を行いました。その墓は、アブラハムが、ヘテ人エフロンから私有の墓地とするために買ったものであり、アブラハムと妻サラ、イサクと妻リベカも眠っていました。

  ヤコブがカナンの地を出てエジプトに下る時に神がいわれた通りに、ヤコブはヨセフの手によって、先祖の地で安らかに眠る事となりました。

  また、この後、ヨセフも兄弟も死んだ後で、エジプトの大臣であったヨセフを知らない世代の者がエジプトに立った時、ヤコブの十二人の息子の子孫は、外国の寄留者として虐げられ、労役にうめく奴隷となりました。

  彼らは、一つの大きな国民となり、四百年の後に、エジプトを出て、ヤコブとその家族が住んでいた地、カナンの地に、神によって導き上る事となるのです。

  エジプトに奴隷として売られたヨセフが、エジプトの大臣となり、エジプトの支配者となったように、エジプトの奴隷として増え広がり一つの国民となったイスラエルは、世界中に神の国の福音を宣べ伝える神の祭司の国民とされるのでしょう。

  また、奴隷から救い出されたイスラエルが、神の律法を与えられて、先祖に与えられ神に約束されたカナンの地に入ったように、神の御霊を受けたイスラエルは、復活のキリストを迎えて、キリストが治める神の王国に入るのでしょう。