ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

モーセの妻 ヨセフの妻 

 

 ヤコブには十二人の息子がいました。ヤコブの最愛の妻ラケルの長子ヨセフに、長子の権利が与えられました。それは、妻レアの長子(ヤコブの初子)ルベンが罪を犯したため、神と父ヤコブとが長子の権利をルベンから取りあげて、妻ラケルの長子である十一番目のヨセフに与えたのでした。

 

 兄たちはヨセフを妬み、ヨセフをつかまえて奴隷商人に売り飛ばしました。

 主がエジプト人の奴隷となったヨセフとともにおられました。主がヨセフのすることすべてを成功させてくださるのを見た主人はヨセフを愛し、ヨセフを側近の者としてその家を管理させ、主人の全財産をヨセフの手にゆだねました。

 しかし、ヨセフにあらぬ罪を着せて訴える主人の妻によって、ヨセフは、監獄に入れられる囚人となりました。そこでも、主はヨセフとともにおられました。

 主がお与えになった夢の解き明かしの力が、エジプトの王とエジプトの窮地を救い、王は、ヘブル人のヨセフをエジプトの大臣としたのです。

 

 ファラオは言いました。

 「神の霊の宿っているこのような人を、ほかに見つけることができようか。

 あなた(ヨセフ)はわたしの家(エジプト)を治めてくれ。私の民(エジプト人)はみな、あなたの命令に従おう。私(ファラオ)があなた(ヨセフ)にまさっているのは王位だけだ。」(創世記41:38,40)

 

 「ファラオはヨセフにツァフェナテ・パネアハという名を与え、オンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテを彼の妻とした。こうしてヨセフはエジプトの地に知れ渡った。」(創世記41:45)

 

 アブラハム、イサク、ヤコブの子孫ユダヤ人のヨセフは、外国の地(エジプト)で、祭司の娘を妻としました。

 

 「飢饉の年の来る前に、ヨセフにふたりの子どもが生まれた。これらはオンの祭司ポティ・フェラの娘アセナテが産んだのである。

 ヨセフは長子をマナセと名づけた。『神がわたし(ヨセフ)のすべての労苦と私の父の全家(父ヤコブの息子たち〈ヨセフの兄たち〉への恨み)とを忘れさせた。』からである。

 また、二番目の子をエフライムと名づけた。『神が私の苦しみの地(奴隷として売られて来たエジプト)で私を実り多い者(エジプトの大臣)とされた。』からである。」(創世記41:50-52)

 

 ヨセフの父ヤコブ(神からいただいた新しい名でイスラエルとも言う。)は、死ぬ日が近づいたとき、ヨセフに言いました。

 「全能の神がカナンの地ルズで私(ヤコブ)に現われ、私を祝福して、私に仰せられた。『わたし(神)はあなた(イスラエル)に多くの子を与えよう。あなたを増やし、あなたを多くの民の集いとし、またこの地(アブラハムの与えたカナンの地)をあなた(ヤコブ)の後の子孫に与え、永久の所有としよう。』

 今、私(ヤコブ)がエジプトに来る前に、エジプトの地で生まれたあなた(ヨセフ)のふたりの子(マナセとエフライム)は、私の子(イスラエル)となる。エフライムとマナセ(ヤコブは主の霊により、ヨセフ族を受け継ぐエフライムを先にし、兄のマナセを後にした。)は(ヨセフの兄弟)ルベンやシメオンと同じように私の子とする。(十二人の兄弟のひとりとする。)

 しかしあとからあなたに生まれる子どもたちはあなたのものになる。(ファラオからヨセフがいただいたエジプトの名前ツァフェナテ・パネアハの子となり、イスラエルとはならない。)

 しかし、彼ら(あとからヨセフに生まれた子ら)が家を継ぐ(神と契約を持つ神の民イスラエルに加わる)場合、彼らは、彼らの兄たち(エフライムとマナセ)の名を名乗らなければならない。』(創世記48:3-6)

 

 へブル人(ユダヤ人)のモーセは、エジプトの王女に育てられました。

 その頃、王の勅令で、へブル人の男の子は生まれたらすぐに殺さなければならないのですが、助産婦たちは神を恐れ、エジプトの王が命じたとおりにはせず、男の子を生かしておきました。そこで、王はエジプト人たちに、へブル人に生まれた男の子はみな、ナイル川に投げ込まなければならないと命じていました。

 

 モーセの家族は赤子の可愛いのを見て、三か月の間その子を隠し、隠しきれなくなると、パピルス製のかごを手に入れ、それに瀝青と樹脂とを塗って(水が入らないようにして)、その子を中に入れ、ナイルの岸の茂みの中に置きました。

 そこに、ファラオの娘が水浴びをしようとナイルに降りて来て、葦の茂みにあるかごを見ると、はしためをやって、それを取って来させました。

 

 その中には、男の子がおり、泣いていました。王の娘は「これはきっとへブル人の子どもです。」と言って、憐れに思いました。

 そのとき、隠れて見ていた赤子の姉が、ファラオの娘に、「あなたに代わって、その子に飲ませるため、私が行って、へブル女の乳母(うば)を呼んでまいりましょうか。」と言うと、「そうしておくれ。」と王女が言ったので、その子の母を呼んで来ました。

 

 「ファラオの娘は乳母に言った。『この子を連れて行き、私に代わって乳を飲ませてください。私があなたの賃金を払いましょう。それで、その女(モーセの実母)はその子を引き取って、乳を飲ませた。

 その子が大きくなったとき、女(モーセに乳を与えたモーセの実母)はその子をファラオの娘のもとに連れて行った。その子は王女の息子となった。

 王女はその子をモーセ(引き出すの意)と名づけた。王女は、「水の中から、私がこの子を引き出したのです。」と言ったからである。」(出エジプト2:9,10)

 モーセは王女の子として、エジプトの最高の学問を受けて、成長しました。しかし、モーセが大人になったとき、同胞のユダヤ人の苦役を見、自分の同胞であるへブル人を、あるエジプト人が打っているのを見て、そのエジプト人を打ち殺し、これを砂の中に隠しました。

 

 ファラオはこのことを聞いて、モーセを殺そうと捜し求めました。モーセはファラオのところから逃れ、ミデヤンの荒野に住みました。

 

 「ミデヤンの祭司に七人の娘がいた。彼女たちが父の羊の群れに水を飲ませるために来て、水を汲み、水ぶねに満たしていたとき、(ほかの)羊飼いたちが来て、彼女たちを追い払った。すると、(井戸のかたわらにすわっていた)モーセは立ち上がり、彼女たちを救い、その羊の群れに水を飲ませた。

 彼女たちが父レウエルのところに帰ったとき、父は言った。『どうしてきょうはこんなに早く帰って来たのか。』

 彼女たちは答えた。『ひとりのエジプト人が私たちを羊飼いたちの手から救い出してくれました。そのうえその人は、私たちのために水まで汲み、羊の群れに飲ませてくれました。』

 父は娘たちに言った。『その人はどこにいるのか。どうしてその人を置いて来てしまったのか。食事をあげるためにその人を呼んで来なさい。』

 モーセは思い切ってこの人たちといっしょに住むようにした。そこでその人は娘のチッポラをモーセに与えた。」(出エジプト2:16-21)

 

 「モーセは、ミデヤンの祭司で彼のしゅうと、イテロの羊を飼っていた。彼はその群れを荒野の西側に追って行き、神の山ホレブにやって来た。

 すると主の使いが彼(モーセ)に現われた。柴の中の火の炎の中であった。よく見ると、火で燃えていたのに柴は燃え尽きなかった。

 モーセは言った。『なぜ柴が燃えていかないのか、あちらへ行ってこの大いなる(不思議な)光景を見ることにしよう。』

 主は彼(モーセ)が横切って見に来るのをご覧になった。神は柴の中から彼を呼び、『モーセ、モーセ。』と仰せられた。モーセは『はい。ここにおります。』と

答えた。

 神は仰せられた。『ここに近づいてはいけない。あなた(モーセ)の足の靴を脱げ。あなたの立っている場所は、聖なる地である。』

 また仰せられた。『わたし(神)は、あなた(モーセ)の父の神、アブラハムの神、イサクの神、ヤコブの神である。』モーセは神を仰ぎ見ることを恐れて、顔を隠した。」(出エジプト3:3-6)

 

 この時、神はモーセを召されました。

 神はモーセを召し、エジプトの地で奴隷の苦役にうめく神の民イスラエル人をエジプトの手から導き出し、その地からカナンの地に上らせるために、遣わされました。

 

 エジプトの王の娘(王女)に育てられエジプト人であったモーセの本当の血筋は、アブラハム、イサク、ヤコブの子孫ユダヤ人でした。神の民モーセは、ミデヤンの地で、ミデヤンの祭司の娘を妻としました。

 

 エジプトの大臣となって、ヤコブの全家を飢饉から救い、エジプトの地で養った、イスラエルの長子ヨセフも、その後、エジプトの奴隷とされたイスラエルを苦役を強いる奴隷の家エジプトから先祖の地へ導き上るために神に遣わされたモーセも、外国の地で、それぞれ祭司の娘を妻としています。

 

 神は、イスラエルの長子の権利を持つヨセフに、外国の祭司の娘を用意されました。

 神は、イスラエルが望みを置く偉大な預言者モーセに、外国の祭司の娘を用意されました。

 

 イスラエルの長子であるヨセフ自身は、ふたりの子エフライムとマナセによってイスラエルに加わる、エジプト人の名前を持つ人となっています。しかし、ヨセフの遺言によりミイラにされて、イスラエルがエジプトを出る時に、ヨセフの遺骸もともに行きカナンの地に葬られました。

 エフライムはヨセフ族と呼ばれ、マナセはマナセ族として、ヤコブの子どもに数えられています。

 ヨセフは長子なので、二倍の祝福を受ける権利を持ち、ほかの兄弟たちとは異なり、ひとりで二支族を持っています。ヨセフは、二支族(ヨセフ族〈エフライム族〉とマナセ族)の父です。

 

  神は、北イスラエルの十支族に、神を恐れる日本の先住民たちとともに住むことを許されたと思います。

 日本には、アブラハムやヤコブが神からことばを受けていたように、神示を受ける人々がいます。生ける神のことばをもって神を体験する信仰があるのです。

 日本人の一部に、ユダヤ人はいると思います。アブラハムの信仰、ヤコブの信仰を受け継ぐ神の民です。律法ではなく、霊とまことをもって、見えない霊なる神を恐れる人々です。

 

 終わりの日のために、取って置かれた残りのイスラエルです。