ケン・ピータース師は、聖書を知らないカトリックの青年でした。彼は、代々続いたカトリック家庭で生まれ育った人です。神に出会って、クリスチャンになりました。つまり、プロテスタントの信者になったのです。
聖書を知らない、黙示録を読んだことのない、ピータース師に、神は神の幻と夢をお与えになったのです。それは、終わりの時代に起こることの啓示でした。神の選びは決まっているようです。
イサクの妻リベカの腹の中で子どもたちがぶつかり合ったとき、リベカは主の御心を求めに行った。すると主は彼女に仰せられた。「二つの国があなたの胎内にあり、二つの国民があなたから分かれ出る。一つの国民は他の国民より強く、兄が弟に仕える。」
子どもたちは、まだ生まれてもおらず、善も悪も行わないうちに、神の選びの計画の確かさが、行ないにはよらず、召してくださる方によるようにと、「兄は弟に仕える」と彼女に告げられたのです。
神は、生まれる前から、終末の啓示を受ける者として、ピータース師を選んでおられたようです。その時、ピータース師は、まだ聖書もイエスも知らない、救いを受けていない人でした。生ける神に出会っていない人でした。神は、そのピータース師に啓示を与えられたのです。
聖書の知識のないピータース師は、後になってその幻や夢が聖書の神からの啓示であることを知ることとなります。
彼は見ました。
世界中が不法と絶望で満たされる中、不思議なことが起こりました。テレビ、電話、ラジオと、それから見たこともないような通信機器を見ました。現在のパソコンです。パソコンがほとんどの家庭にあるのを見ました。これらの通信機器が、すべてまる2週間通じなくなったのです。
この大混乱の最中、多くの人々が言っていました。「あの人たちはどこへ行ったのか⁉」「何が起きたんだ。」
通信機器が機能しなくなることは、社会全体の機能がストップすることです。社会は騒然とするでしょう。情報は遮断されています。誰かに確認を取ることも出来ません。この遮断が多くの人々に危機感を与え、それが2週間続くのです。その中で、人々の関心は、世から忽然と消えた人々(携挙で天に引き上げられた人々)がどこへ行ったのか、ということです。
黙示録8:1に、「子羊が第七の封印を解いたとき、天に半時間ばかり静けさがあった」とあります。ピータース師は、この時の状況を見たのではないのか、と思います。
地上の人々は混乱していますが、この期間、天にも地にも災害がなく、静かであると思います。山火事、地震、津波、竜巻、洪水、大雨、大雪、雹など、世界中が自然災害に苦しんで来たのに、この2週間は静かです。
黙示録7:1で、「四人の御使いが地の四隅に立って、地の四方の風を堅く押さえ、地にも海にもどんな木にも、吹きつけないようにした」とあります。自然災害の手が働かない中で起こるのでしょう。
十四万四千人のユダヤ人の額に生ける神の印が押されるのが、第六の封印で起こるのか、第七の封印で起こるのかはわかりませんが、自然災害が一時止むことと、十四万四千人のユダヤ人の額に印することと、2週間の通信機器が通じなくなることとは連動しているのかも知れません。
ケン・ピータース師の見た幻や夢は、黙示録の時系列通りに進んでいます。それで、黙示録を解くのに、とても助けられます。
世界のすべての場所が絶望と困惑に包まれていました。2週間後、テレビやラジオが稼働し始めます。しかし、その報道内容はそれまでとは全く違っていました。一つのニュースを報じていました。間もなく起ころうとしている、新政府と新しい指導者についてでした。
そのニュースは、全世界の人々に届けられていました。通信機器を通して、世界中の人々は、世界統一の新政府という考え方に洗脳されていきます。その指導者が現れた時に、何の違和感もなく受け入れる体制が作られていくのです。
ピータース師は、ここで、2週間の通信機器の遮断のすぐあとのことではなく、第五のラッパのあとのことを見ているのではないかと思います。2週間の通信機器の遮断のあと、第一から第五のラッパで起こる自然災害を挟んでから起こることではないのか、と思います。
世界の人々に流されるニュースは、全く新しい価値観を世に植え付けます。世界平和に向けて、国境をなくして世界を統一する新しい世界秩序がとても良いことのように感じられます。その良い計画を指導する力ある指導者の出現を期待する風潮が世界を覆います。人々は洗脳されます。
反キリストが世に現れるために、世界の人々は整えられるのです。地上に残されたクリスチャンたちは、それが反キリストであることを知っています。しかし、世の人々は、世界を平和に治める勇者だと思います。
新指導者となる人(反キリスト)が、姿を現します。人々を惹きつける容姿を持ち、口が上手く、ものすごく説得力のある雄弁家でカリスマ的指導者です。驚くほどの確立で、人々はこの男の言う法案を支持します。誰も反対しない、それに対して誰も公に何も言わないのです。この男は、世界秩序について、また、全世界が平和に暮らす利点について、絶えず喋り続けます。人々は不信感を抱きながらも、この話に魅了されていきます。
世界中で問題にされていた、忽然と消えた人々のことを「あの人たちは、神の裁きにあったのだ」と説明します。
生き残ったクリスチャンたちは、忽然と消えた人々のことを、携挙が起こったのだ、と思っていました。自分たちは取り残されたと半狂乱になっていました。しかし、神の裁きで彼らが消えたと聞くと安心です。
世の中を、反キリストの言葉が覆います。世界は、このひとりの指導者に望みをかけます。