ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

聖書の神

 

 聖書は、天地万物を造られた神が、イスラエルと結んだ契約の書です。旧約聖書と新約聖書があります。

 旧約聖書は、イスラエルの成り立ちとイスラエルに救い主を遣わす、という神の約束が書かれています。

 新約聖書は、イスラエルに遣わされたキリストの誕生と、神がイスラエルに約束された救いのわざの完成と、永遠のいのちの契約が書かれています。

 

 神は、契約を結んだイスラエルに、世の始まりから終わりまでを知らされました。突然、イスラエルが現われたのではありません。

 神が天地万物を造られた次第と、神に造られた人が神のことばから外れて罪人となったことから始まり、神に敵対する悪魔を滅ぼす計画、悪魔のいない世界を新しく創造する計画を実現することの証人として、人のうちに造られたのが、イスラエルです。

 

 イスラエルは神に造られた、神の選びの民です。イスラエルは、天地万物は生ける神によって創造されたことを知らされた民です。神は創造主であり、人を造り世界を動かし歴史に関与される生きた全知全能の神であることを知らされた民です。

 

 世界の国々、民族がおのおのの思いのままに神々を造り、偶像崇拝をする世にあって、唯一、まことの神を礼拝するように定められたユダヤ民族は、まことの神と契約を結んでいます。

 

 契約によってまことの神と結ばれた民族がほかにあるでしょうか。ユダヤ民族は、神と契約によって結び合わされています。全地を治める神が御自身の御名において、御自身の方から契約を与えられたのです。そして、イスラエルは、「私たちは神に従います。」と、その契約に応じて、生贄の血によって契約を結びました。

 

 最初の人(アダムと女)が蛇にそそのかされて神のことばから外れたとき、神は人をそそのかした悪魔を怒り、悪魔と女との間に敵意を置き、女の末に悪魔を踏み砕く人の子を造り、悪魔を裁くことを宣言されました。

 

 神が、女から生まれる、悪魔を踏み砕く人の子(キリスト)を産むために用意されたのが、イスラエルでした。神への信仰によって、イスラエルはかたち造られました。

 神を恐れる正しい人ノアの子孫であり、神を信じるアブラハムから始まりました。神は、アブラハムの信仰と契約を結ばれました。神の契約は、信仰によって継承されます。神は信仰によって、契約を受け継ぐ子孫を選ばれます。

 

 アブラハムにはイサクを、イサクにはヤコブを、ヤコブにはイスラエルを、信仰の相続人として、神が選ばれました。そして、イスラエルには、ダビデを選ばれました。

 

 神は、ダビデの子ヨセフのもとに、神のひとり子を遣わされました。神は、ヨセフの許嫁マリアの胎に神の御子を宿らせました。ヨセフは、神のお告げに従って、聖霊によって身ごもった許嫁の妻マリアを迎え、人の子となられた神の御子にイエスと名付けました。

 

 神は、悪魔を踏み砕くために、御自分のひとり子に肉体を造り、処女から生まれる人の子とされました。その人の子が、イエス・キリストです。

 

 旧約聖書は、キリスト(救世主)がイスラエルから現われることを約束しています。キリストを生む民族として、イスラエルは立てられました。

 また、神は、イスラエルを祭司の王国とすることも約束されました。神がイスラエルに遣わされた神の子羊イエスを屠る祭司の国民です。

 

 新約聖書では、旧約聖書の契約が成就したことを告げます。神のひとり子イエスがダビデの子孫であるヨセフの子として育てられ、神の子羊として、祭司の国民であるイスラエルに、十字架で屠られました。

 

 旧約聖書で約束されたキリストは、新約聖書で成就しました。神がイスラエルと結ばれた契約(古い契約、律法)は、イエス・キリストにおいて、ことごとく成就しました。成し遂げられた契約は、やり直すことはありません。

 イエス・キリストの血によって、動物の生贄の血で結ばれた契約(肉の割礼と律法)を古いとされ、新しい契約(生かす御霊による心の割礼)を与えられました。神は、イスラエルに与えた契約が成就したことにより、イエス・キリストにある新しい契約を、全地と結ばれました。

 

 新約聖書は、ユダヤ人だけのものではなく、世界中の人々との契約とされたのです。イスラエルの人々が動物の血によって、「主よ。私たちはあなたに従います。」と告白して結んだ旧約聖書のように、新約聖書では、神の御子イエス・キリストの血によって、「主よ。私たちはあなたに従います。」と告白する人々と、神は新しい契約を結ばれます。

 

 イエス・キリストは、旧約聖書のイスラエルの民の契約の実現として来られた救世主です。旧約聖書の契約の成就の上に立てられたのが、イエス・キリストによる新しい契約、新約聖書です。新約聖書は、旧約聖書を土台としています。旧約聖書を切り離した新約聖書は、完全なものではありません。

 

 旧約聖書と新約聖書との両方そろった聖書によって、永遠のいのちの契約が成り立ちます。イエス・キリストは、旧約聖書の約束の実現であり、イスラエルの中にあって、新しい契約を立てられました。神の御救いは、イスラエルと切り離すことができません。イエス・キリストは、血肉においてはユダヤ人であり、ユダヤ人の同胞、兄弟です。神の救いの約束もユダヤ人のものです。

 

 聖書の神は、イスラエルと契約を結ばれた神であり、父なる神に遣わされた子なる神イエス・キリストであり、イエス・キリストがご自分の民(新しい霊のイスラエル)に与えられる聖霊です。三つにしておひとりの神です。

 

 聖書に約束された御救いは、御父、御子、聖霊によって与えられます。聖書の神により与えられるものです。

 旧約聖書だけでは、神の御国を正しく知ることができません。そして、新約聖書のキリスト・イエスの御救いに到達できません。新約聖書だけでは、神の御国の相続を正しくとらえることができません。

 

 キリストがお与えになる御霊は、人が知り得ない知識を与え、知恵を授けて、天の御国へと導きます。

 キリストの御霊を受けるならば、ユダヤ人を憎みイスラエルを迫害することがありません。神は、ユダヤ人を彼らの先祖ゆえに愛しておられるのです。また、御霊は、律法から自由にしてくださいます。

 御霊は、霊によって教え、神に受け入れられる信仰に造り変え、神の子どもとして成長させてくださいます。

 

 ユダヤ人も異邦人もありません。イエス・キリストの十字架の贖いのわざによって、和解する一つの国民、神の民イスラエルとなるのです。

 聖書の神は、イスラエルの神なのです。神の御国を相続するイスラエルとは、イエス・キリストの血で贖われ義とされた者、キリストの御霊によって新しく生まれ、新しい創造を受けた新しい神の民イスラエルです。

 

 血肉のユダヤ人割礼の民も、無割礼の異邦人も、キリスト・イエスの信仰によって、聖書の神と契約を結ぶ、新しい創造を受けたイスラエルとされるのです。

 新しいイスラエルは、聖書の神と契約を結ぶ、神の子どもです。永遠のいのちを得るために造り変えられた御霊の子どもなのです。

 

 聖書の神は、イスラエルの神。御霊が創造される新しいイスラエルは、天の御国に入り、永遠の安息を得る神の子どもたちです。