ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

聖霊を締め出す教会に真理はあるのか

 

 神に律法を与えられ、神のことば(聖書)をゆだねられた割礼の民ユダヤ人たちは、神の約束のメシアを待ち望んでいました。

 

 神は、約束どおり、ユダヤ人の女(処女マリア)の胎に神の御子イエスを宿し、ベツレヘムの地で誕生させられました。神はイスラエルに、神のひとり子を遣わされたのでした。神のひとり子が、神がイスラエルに遣わされたメシアなのです。

 

 メシアは、ダビデ王の子孫ヨセフの子としてナザレの町で育てられました。ナザレのイエスは、人のかたちをした神のひとり子です。肉体を持つ神の御子でした。天から遣わされた救い主です。地上に生まれた天上のお方でした。

 

 イエス・キリストは、神と神の民イスラエルとの契約の成就として、世に現われたのです。聖書のことばは成就しました。メシアに関する数々の預言は、ナザレのイエスにおいて、ことごとく成就します。

 

 神の御子イエスは、天から下って来られた聖霊とともに、イスラエルを巡られ、ユダヤ人たちの間を歩まれました。イエスは、生ける神を解き明かすまことの祭司です。イエスは、イスラエルの神を父なる神として知らせました。

 

 イエスは、父なる神のことばを語り、父の栄光を現わされました。永遠に生きておられる霊なる神の栄光です。癒し、死人を生き返らせ、悪霊を追い出されました。

 しかし、文字の律法を神とする祭司や律法学者やパリサイ人たちは、霊なる働きを悪霊によるものだと捉えました。聖霊のいのちの働きを悟ることがありませんでした。生ける神を信じていなかったのです。

 

 神の救いが約束されていたユダヤ人は、神の民なのに、聖霊の働きも、神の御子イエスも信じることができませんでした。彼らは、真理(神)を悟れなかったのです。

 

 祭司の国民イスラエルは、天で神に仕えるまことの大祭司であるキリスト・イエスを生みました。しかし、まことの大祭司キリストを拒みました。それで、天の神もまた、イスラエルを退けられました。

 

 キリストは、アブラハム、イサク、ヤコブの血肉のイスラエルのうちに、聖霊に従う新しいイスラエルを創造されます。神の御子イエスを信じ、キリストの与える聖霊(キリストの御霊)を受ける神の民です。ユダヤ人も異邦人もありません。キリストの御霊によって生まれる者こそ、まことのユダヤ人であり、まことのイスラエルです。

 

 使徒たちは、死から復活したイエス・キリストが栄光のからだで天に上られた後、イエスに命じられたとおりエルサレムで、弟子たちとともに、約束の聖霊が下られるのを待ち望みました。父なる神が、キリストを天に引き上げた後に遣わされる、もうひとりの助け主です。

 

 弟子たちに聖霊が下られると、ひとりひとりのうちに、キリストの御霊が住まわれました。御霊は、弟子たちのうちにあって、イエスの行なわれたわざ(癒し、悪霊追い出し、奇跡など)と同じ働きをされました。彼らが、復活のキリストの福音を宣教すると、聖霊の働きによって、多くのユダヤ人がイエスを信じました。

 

 イエスを信じた者たちは、イエス・キリストの御名によって聖霊のバプテスマを受けて、御霊のいのちをいただきました。

 

 いのちの御霊をいただいた者たちの群れが、神の教会として生まれました。教会は、キリストが授けた聖霊のバプテスマによって誕生したのです。

 

 キリストを迎えるために、イスラエルに悔い改めの水のバプテスマを授けていたバプテスマのヨハネは、神が遣わされる主キリストについて、聖霊のバプテスマを授ける方である、と証言しています。ヨハネは、神からそう告げられていたのです。

 

 イエスが死から甦り天に上られた後に、イエスの弟子たちに、イエス・キリストの御名によって聖霊のバプテスマが授けられました。このことによって、神は、十字架にかかられたナザレのイエスが、主キリストであることを明らかにされました。

 神は、聖霊のバプテスマを受けた者たちを、キリストをかしらとするキリストのからだに建て上げられます。そして、イエス・キリストを王とする神の民イスラエルとされるのです。

 

 イエスが弟子たちに、「あなたがたは、わたしをだれだと言いますか。」と問われると、ペテロは答えました。「あなたは、生ける神の御子キリストです。」

 ペテロの告白を聞いたイエスは言われました。

 「ではわたしもあなたに言います。あなたはペテロです。わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てます。ハデスの門もそれには打ち勝てません。わたしは、あなたに天の御国の鍵を上げます。」(マタイ16:15-19)

 

 神がイスラエルに与えた預言やモーセの律法や詩篇のことばの成就として来られたメシアは、イエス・キリストです。旧約聖書は、キリスト・イエスにおいて完成します。律法の呪いから解放されるのです。

 アブラハム、イサク、ヤコブの神、イスラエルの神が遣わされたメシアは、生ける神の御子キリストであり、ユダヤ人の王として来られたイエスです。

 

 キリストは、契約の民イスラエルに来られ、契約の成就として来られた神の御子イエスです。キリストは、イスラエルの王として、再び、イスラエルに来られるメシアです。

 

 イスラエルとの契約の土台の上に、聖霊のバプテスマを授ける権威を持つキリストが礎石として置かれます。その礎石の上に契約の民ユダヤ人の信仰告白を基礎とし、「イエスは、生ける神の御子キリストである。」と告白する御霊によって生まれた者の教会を建て上げられます。御霊の教会です。

 

 御霊の教会にハデスの門(死の国)は打ち勝てません。御霊の教会は、死から復活する教会です。神は、御霊の教会に、キリストの御名の権威と、キリストの持っておられる真理の教えと、天の御国の鍵を与えられます。

 

 使徒たちの福音宣教で、キリストを信じる異邦人が神の教会に加わり、増加しました。使徒たちが天に召されると、契約を持たない異邦人が力を持ち、ユダヤ人たちは教会から姿を消しました。契約の民ユダヤ人を締め出した神の教会に、聖霊が留まることはありません。

 神の契約の上に神の教会は立てられるからです。アブラハム、イサク、ヤコブ、イスラエルの契約が土台です。イエス・キリストは、神の契約の成就なのです。

 そして、聖霊は、救い主キリストの国民イスラエル(御霊の教会)を生んでくださる神の霊です。

 

 聖霊によって生まれた神の教会は、異邦人のキリスト教会となって行きました。

 神の契約の民ユダヤ民族には、救いの約束があります。

 神とユダヤ人との契約(旧約)も、ユダヤ人の信仰告白(ユダヤ人の救い)も失った教会は、キリストが天の御国の鍵をお与えになった神の教会でなくなりました。真理の御霊の教会ではなくなりました。

 

 聖霊を失った異邦人のキリスト教会は、神の契約を持つユダヤ人(土地の相続)のことも、イスラエルの神(天地万物を造られた聖書の神はイスラエルの神である)のことも、契約の民ユダヤ人が受けた神の救いの約束のこともわからないままです。

 

 イエスが、「あなたは、生ける神の御子キリストです。」という契約の民ユダヤ人のペテロの告白の上に、わたしの教会を建てる、と言われたのに、異邦人の教会は、神が設けられた土台も基礎も覆し、神の家を土台のないものとしました。こうして、神の契約(旧約)を蔑みました。イエス・キリストの「聖霊を受けよ。」のことばにも背いています。

 

 イスラエルが、生ける神の御子イエス・キリストを信じないで、神の御霊を締め出すと、神は、血肉のイスラエルのユダヤ人会堂とは別に、新しいイスラエル、聖霊の注ぎを受けた神の教会(キリストの御霊の教会)を生み出されました。

 

 キリスト教会が、イエス・キリストの御名によって授けられる聖霊のバプテスマを信じないで、聖霊を締め出すと、神は、キリスト教会のうちに、密かに、聖霊の注ぎを受ける人々を起こし、御霊によって生まれる神の子どもを生み出されます。

 

 キリストがお与えになる聖霊は真理の御霊であり、イスラエルについての正しい知識と理解とユダヤ人の救いの御計画について、啓示を与えられます。御霊を受ける者に、真理を明かされるのです。

 

 神は、イスラエルの契約を土台とし、イスラエルの王として来られるキリストを待ち望む新しいイスラエルを、聖霊によって造られます。これは、ハデスの門(死)も打ち勝つことのできない、御霊の教会です。

 

 キリストの後に遣わされたもうひとりの助け主、聖霊(真理の御霊)によって、神の教会は、正しい土台と基礎の上に建て上げられるのです。