イエスは、悪霊に憑かれている人から悪霊を追い出されました。
「悪霊どもも、『あなたこそ神の子です。』と大声で叫びながら、多くの人から出て行った。イエスは、悪霊どもを叱って、ものを言うのをお許しにならなかった。彼らはイエスがキリスト(メシア)であることを知っていたからです。」(ルカ4:41)とあります。
悪霊どもは、悪魔の手下です。神に仕えていた天使長ルシファーとともに天から追放された堕天使たちです。彼らは、人が創造される以前から、神を知り、神のひとり子を知っている者です。
人を悪魔の手から救うために、また、悪魔を裁くために、神がそのひとり子をイスラエルに遣わされたことを、悪霊どもは知っていたのです。
神も神の御子も霊的存在です。悪魔も悪霊どもも霊的存在です。現象よりも先に、霊は動いています。霊の働きが、現象として現われます。肉なる者よりも、霊的存在である天使の方がはるかに早く悟っています。人よりも、堕天使の方が早くキャッチしているのです。
悪霊どもは、イエスが十字架にかかる前から、ナザレのイエスが神の遣わされたキリスト、イスラエルに約束しておられたメシアであることを知っていました。また、イエスが神の御子であると知っていたのです。
イエスが安息日ごとに人々を教えられました。会堂にいた汚れた霊(悪霊)に憑かれた人が、大声でわめいて言ったことが書かれています。
「ああ、ナザレ人のイエス。いったい私たちに何をしようというのです。あなたは私たちを滅ぼしに来たのでしょう。私はあなたがどなたか知っています。神の聖者です。」(ルカ4:34)
悪霊どもは知っているのです。ユダヤ人は、神はおひとりだと信じています。これに対して、使徒ヤコブは言います。
「あなたは、神はおひとりだと信じています。立派なことです。ですが、悪霊どももそう信じて、身震いしています。」(ヤコブ2:19)
神は天の神、全知全能の神、おひとりだけです。地上で、「神」と呼ばれている神々は、本当の神ではありません。まことの神を知らされているイスラエル以外の民族は、まことの神から離れた者です。それで、神がおひとりだという真理を悟ることができません。神はおひとりだと信じる信仰があることは、立派なことです。
ほかの民族と比べて、まことの神を知っていることは立派なことですが、それだけでは、褒めるわけにはいきません。なぜならば、永遠の昔から神を知る悪霊どももまた、神はおひとりだと信じて、震えおののいているのです。
地上に神々を多く造ったとしても、このおひとりの神に敵うことはできません。まことの神が立ち上がって、ことばを発せられれば、天も地も一瞬で滅ぼすことがおできになるのです。悪魔も悪霊どもも滅ぼされてしまいます。
悪霊どもは、ナザレのイエスが神の聖者であることを知っていました。
神の民ユダヤ人たちは、預言者たちの預言によって、キリストがベツレヘムから出ることを知っていました。しかし、イエスはガリラヤ地方のナザレの町の人です。
神の預言を知るユダヤ人は、言いました。
「まさか、キリストはガリラヤからは出ないだろう。キリストはダビデの子孫から、またダビデがいたベツレヘムから出る、と聖書が言っているではないか。」(ヨハネ7:41,42)
神は、ユダヤ人たちに、イエスの父ヨセフがダビデ王の子孫であることも、イエスがベツレヘムで生まれたことも隠しておられたようです。実はイエスは、ベツレヘムで生まれて、ナザレの町で育ちました。しかし、ユダヤ人たちは、イエスが異邦人も住むガリラヤ地方の人で、ユダヤ人たちから卑しいと蔑まれたナザレ人であることを知っていたのです。
神の預言を知り、キリストの訪れを待ちわびていた神の民は、ナザレのイエスがキリストであることを悟れませんでした。
しかし、悪霊どもは、ナザレのイエスが神の子キリストであることを知っていたのです。
神の御子キリストがイスラエルに遣わされたとなると、いよいよ悪魔の滅びのときが確定します。悪魔も悪霊どもも、神のひとり子に滅ぼされます。
ナザレのイエスがキリストであることを疑うユダヤ人たちの中で、「あなたこそ神の子です。」と大声で叫びながら、悪霊どもは多くの人から出て行きました。悪霊どもは、イエスがキリストであることを知っていたからです。
神の御子は、悪霊どもの証言を必要とされません。イエスは、悪霊どもを叱って、ものを言うのをお許しになりませんでした。
イエスは、悪霊どもの言うとおり、神の聖者であり神の御子です。聖なる神の御子が、どうして、汚れた霊(悪霊)どもの証言を望まれるのでしょう。イエスは、神を汚す悪霊どもがものを言うのをお許しになりません。悪霊どもの言葉を退けられました。
悪霊どもは、イエスが神の御子であることを知っています。神の御子が地上に来られました。悪魔が支配する地に真理の光、啓示の光が訪れました。
悪魔は人を騙して偽りを信じさせていましたが、真理の光が訪れるとイスラエルの目が開かれます。ぼんやりしていたものが、はっきりとします。神の民イスラエルの目が開かれることは、真理を世界に知らせることになります。真理を知らせることは、世界に啓示の光を注ぐことになります。
啓示の光が注がれた異邦人もまた、イスラエルに遣わされたイエス・キリストが神の御子救い主であることを悟り、神はおひとりであることを知るようになってしまいます。
悪魔は悪霊どもを働かせて、イスラエルにはナザレのイエスを信じないように不信仰を、また、異邦人には宗教の霊を送り真理(父、子、聖霊の神)に辿り着かせないように働いています。
それで、イスラエルは、十字架にかかられたナザレのイエスがキリスト(メシア)であることを信じることができません。また、異邦人は、イエス・キリストを信じ、イエスを神の御子救い主であると告白しながら、聖霊を悟らずまことの神、父なる神に辿り着けません。
悪魔も悪霊どもも、十字架にかかられたナザレのイエスが神の御子キリスト(メシア)であることを知っていて、神の御救いが完成しないように妨害しています。