ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

死の中から生まれる神の子ども

 

 「御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現われであり、その力あるみことばによって万物を保っておられます。また、罪のきよめを成し遂げて、すぐれて高い所の大能者の右に着かれました。

 御子は、御使いたちよりもさらにすぐれた御名を相続されたように、それだけ御使いよりもまさるものとなられました。

 神は、かつてどの御使いに向かって、こう言われたでしょう。

 『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。』

 またさらに、

 『わたしは彼の父となり、彼はわたしの子となる。』

 さらに、長子をこの世界にお送りになるとき、こう言われました。

 『神の御使いはみな、彼を拝め。』」(へブル1:3-6)

 

  イエス・キリストは、天から来られた神のひとり子です。永遠の昔から神の御子として存在しておられた、永遠に生きるお方です。

 神の御子は、神の栄光の輝きであり、神の本質の完全な現われであり、力あるみことばによって万物を保っておられる、万物の相続者です。

 

 イエスを見た者は、父なる神を見た者です。イエス・キリストは、全知全能の創造主、父なる神を目に見えるかたちで地上に現わした神のひとり子です。父は、御子イエスの願いをいつも聞いてくださいます。

 

 御子イエスは、父に従い、アダムの罪のきよめを成し遂げられました。父がそのために造ってくださった肉体の命を神に献げ、イエスは、贖いの神の子羊となり、罪の生贄となられたのです。

 

 イエスは、神のひとり子であって、御使いではありません。父なる神は、御使いたちに、「神の御使いはみな、彼(神の御子イエス・キリスト)を拝め。」と命じられました。

 御使いは、仕える霊です。救いの相続者となる人々に仕えるため遣わされています。神の御子イエスは、天の御国の相続者です。天を相続する神の子どもなのです。御使いは、この相続者たちに仕えるように、神に命じられています。

 

 「相続人というものは、全財産の持ち主なのに、子どものうちは、奴隷と少しも違わず、父の定めた日までは、後見人や管理者の下にあります。」(ガラテヤ4:1,2)

 

 イエスは、相続者となるまでは、御使いと変わらないもののようでした。しかし、罪のきよめを成し遂げて、救いのわざを完成されたイエスは、御使いたちよりもさらにすぐれた御名(主キリスト、救世主、メシアとしての「神の子羊」)を相続し、御使いたちよりもまさるものとなられました。

 

 それで、父なる神は、御子イエスに仰せられました。

 「わたしがあなたの敵(悪魔)をあなたの足台とするまでは、わたしの右の座に着いていなさい。」(へブル1:13)

 神は、かつてどの御使いに向かって、こう言われたでしょう。光り輝く大天使であったルシファー(堕天使となった悪魔)でさえ、神からこのようなことば(「わたしの右の座に着いていなさい。」)を受けていません。

 

 神は、ひとり子イエスを、すぐれた御使いたちよりもまさるものとされました。神のひとり子であるからではなく、主キリストとしての誉れと実質を伴う力が認められたのです。どの御使いも、神の御子イエスの栄光を疑う者はいません。親の七光りではなく、神の子羊としての栄光です。

 

 神のひとり子の栄光を妬み、神の御子を天の相続者として認めることに反逆した堕天使たちの敗北です。神のひとり子イエスは、父に完全に従い、悪魔に有無を言わせない、実質の伴った相続者となられたのです。

 

 神は、神の御子イエスに仰せられました。

 「あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。」

 

 父なる神は、御自身のひとり子イエスに、御使いたちの前で、「あなたは、わたしの子。」と仰せられます。また、肉体を持つ神の御子イエスを死から甦らせて、「きょう、わたしがあなたを生んだ。」と仰せられたのです。

 

 神の子羊イエスは、死から、御霊によって生まれました。

 

 パウロは言っています。

 「私たちは、神(イスラエルの神、聖書の神)が先祖たち(アブラハム、イサク、ヤコブ、イスラエル)に対してなされた約束について、あなたがたに良い知らせをしているのです。

 神は、イエスを甦らせ、それによって、私たち子孫にその約束を果たされました。詩篇の第二篇に、『あなたは、わたしの子。きょう、わたしがあなたを生んだ。』と書いてあるとおりです。

 神がイエスを死者の中から甦らせて、もはや朽ちることのない方とされたことについては、『わたしはダビデに約束した聖なる確かな祝福を、あなたがたに与える。』というように言われていました。

 ですから、ほかの所でこう言っておられます。『あなたは、あなたの聖者を朽ち果てるままにはしておかれない。』

 ダビデは、その生きていた時代において神の御心に仕えて後、死んで先祖の仲間に加えられ、ついに朽ち果てました。

 しかし、神が甦らせた方(神の子羊イエス)は、朽ちることがありませんでした。

 ですから、兄弟たち。あなたがたに罪の赦しが宣べられているのはこの方(死から甦られた主イエス・キリスト)によるということを、よく知っておいてください。

 モーセの律法によっては解放されることのできなかったすべての点について、信じる者はみな、この方(神の御子イエス・キリスト)によって、解放されるのです。」(使徒13:32-39)

 

 神の子羊イエス・キリストは、死から生まれた者の長子となられました。朽ちることのないからだと永遠のいのちの神の子どもです。そして、天の御国の相続者となられたのです。

 

 神の子羊イエスを信じる者はみな、イエス・キリストによって、死の呪いから解放され、死の中から御霊によって新しく生まれる神の子どもです。

 

 イエス・キリストにある者は、死んで終わりではありません。朽ちることがありません。いのちのない死の中から、新しいいのち、永遠のいのちの神の子どもとして生まれるのです。

 

 聖霊(キリストの御霊)が、肉に死んだ者たちを神の子どもとして生んでくださいます。神の子どもは、御霊によって生まれ、御霊によって新しい創造を受けて、キリストに似た者に造り変えられていきます。

 

 「キリストは、万物をご自身に従わせることのできる御力によって、私たちの卑しいからだを、ご自身の栄光のからだと同じ姿に変えてくださるのです。」(ピリピ3:21)

 

 自分の頼みとしていたものが砕かれても、失望することはありません。自分の知識や知恵が無力になり、無に等しい力ない弱い者となっても、恐れることはありません。自分の計画が破れ、目標を失っても、うなだれることはありません。

 

 私たちの主イエス・キリストの父なる神は、死の中からいのちを生んでくださる方です。無から有を生じさせる神は、死からいのちを生んでくださるのです。しかも、朽ちることのない永遠のいのちです。

 イエス・キリストの父なる神は、罪の中にあった死人を、神の御子イエス・キリストにあって、神の子どもに生まれ変わらせ、天の御国を相続する神の子どもとしてくださいます。

 

 神は、神の子どもたちを、神の子羊イエス・キリストとともに、天の御国の相続者としてくださいます。

 父なる神、子なる神の子羊、聖霊は、イエス・キリストによって、死から生まれた神の子羊キリストの御救いを相続する恵みにあずからせてくださるのです。