「キリスト・イエスは、眠った者の初穂として死者の中から甦られました。というのは、死がひとりを通して来たように、死者の復活もひとりの人を通して来たからです。
すなわち、アダムにあってすべての人が死んでいるように、キリストによってすべての人が生かされるからです。」（コリント一１５：２０－２２）
アダムが善悪を知る知識の木の実を食べたとき、アダムの中にいた彼の子孫も罪の報酬の死を受け取りました。すなわち、すべての人が、アダムにあって罪を犯したのです。そして、罪の報酬である死を受けました。
すべての人は、アダムにあって死んでいるのです。それゆえ、時が来たら、土に還ります。すべての人は、永遠に生きることがありません。必ず、死ぬのです。
神は、罪人たちの中に、御自分に聞き従う神の民を造られました。イスラエルです。闇の世にあって、光が与えられた民族です。イスラエルは、神のことばが与えられ、創造主であり裁き主であられる主から、聖書をゆだねられた民族です。
神は、イスラエルにお与えになった聖書に従って、聖書に書かれていることを実行されます。神は、イスラエル民族を通して、また、聖書を通して、生きておられる神であることを証しておられます。
アダムの罪を宿す罪人たちの世に、神が造られたユダヤ民族。世に置かれたイスラエル（ユダヤ民族）に、神は、聖書に書かれているとおり、神のひとり子キリストを遣わされました。
肉体を持つ人の子となり、ユダヤ人として地上に来られた神のひとり子イエスは、天の神が遣わされた救い主キリストです。アダムの背きの罪によって死が入った世に、神は、神の従順なひとり子イエスによる罪の贖いの血を注いでくださいました。
罪の贖いを成し遂げた子羊イエスは、死から復活されました。罪のない子羊イエスの血が罪の呪いを打ち砕いたのです。人の子となられた神のひとり子イエスは、死者の中から復活した最初の人です。
キリストは、眠った者の初穂として死者の中から甦られました。
すべての人がアダムにあって死んでいるように、すべての人がキリストによって生かされるためです。
死がひとりの人（アダム）を通して来たように、死者の復活もひとりの人（神の御子イエス・キリスト）を通して来たのです。死から復活する者は、神から永遠のいのちを受ける者です。
神は、神のひとり子イエスによって、世を救われるのです。イエス・キリストの御名は、闇の世に輝く真理の光です。死の淵に輝く希望の光です。
パウロは言います。
「私があなたがたに最も大切なこととして伝えたのは、私も受けたことであって、次のことです。
キリストは、聖書の示すとおりに、私たちの罪のために死なれたこと、また、葬られたこと、また、聖書に従って三日目に甦られたこと、また、ケパ（ペテロ）に現われ、それから十二弟子に現われたことです。
その後、キリストは五百人以上の兄弟たちに同時に現われました。その中の大多数の者は今なお生き残っていますが、すでに眠った者もいくらかいます。
その後、キリストはヤコブに現われ、それから使徒たち全部に現われました。そして、最後に、月足らずで生まれた者と同様な私にも、現われてくださいました。」（コリント一１５：３－８）
聖書に書かれたキリストの預言は、ことごとくナザレのイエスによって成就しました。十字架に掛かられたナザレのイエスこそが、聖書に書かれた主キリストだからです。
神が創造された第二のアダムは、死から復活されたキリスト・イエスです。第一のアダムは、罪の中で死にました。第二のアダムは、死者の中から復活して生かす御霊を授けてくださるキリストです。
朽ちる肉体を脱ぎ、死から生まれる新しい人は、生かす御霊をいただいています。生かす御霊は、永遠のいのちを得させてくださいます。
死から生まれる人に、神は、霊のからだを与えられます。霊のからだを受ける人は、罪の贖われた神の子どもとして、永遠に生きるのです。
キリストは、すべての人が生かされるために、死から甦られたのです。イエス・キリストは、神の御霊による新しい創造の初穂です。土の塵から取られた人の創造は古いとされます。
古い創造は死の中で滅びます。しかし、新しい創造はキリストの生かす御霊によって造り変えられる新しい人です。
すべての人が生かされるためにキリストが死なれ、死から復活されて、生かす御霊が与えられているのに、それを悟る者はわずかです。
死んだ魂が死から復活するのは、キリストの栄光です。キリストの栄光は、キリストを遣わされた神の栄光です。
キリストが人の罪のために十字架で死なれたことを知る者は多くいます。しかし、死から復活されたキリストの栄光をたたえる人は多くありません。ましてや、キリストが与えられる生かす御霊を待ち望む人はわずかです。生かす御霊を受ける者は多くありません。
パウロは言います。
「キリストが復活されなかったのなら、私たちの宣教は実質のないものになり、あなたがたの信仰も実質のないものになるのです。もし、キリストが甦らなかったのなら、あなたがたの信仰はむなしく、あなたがたは今もなお、自分の罪の中にいるのです。そうだったら、キリストにあって眠った者たちは、滅んでしまったのです。
もし、私たちがこの世にあってキリストに単なる希望を置いているだけなら、私たちは、すべての人の中で一番哀れな者です。
しかし、今やキリストは、眠った者の初穂として死者の中から甦られました。」（コリント一１５：１４，１７－２０）
神は、キリスト・イエスが死から復活した証として、復活したキリストを使徒や弟子たちに現わされました。彼らは、十字架につけられたイエスが復活したことの証人です。
弟子たちが見ている間にキリストを天に引き上げられた後に、神は、イエス・キリストの御名によって、約束の聖霊を、待ち望む弟子たちにお与えになりました。神は、十字架につけられたナザレのイエスが、聖霊のバプテスマを授ける「主キリスト」であることを明らかにされました。
天から来られた神の子羊イエスは、「生かす御霊」を授けるキリストです。死から復活された神の子羊イエスは、生かす御霊となられたのです。
パウロは言います。
「聖書に『最初の人アダムは生きた者となった。』と書いてありますが、最後のアダムは、生かす御霊となりました。最初にあったのは血肉のものであり、御霊のものではありません。御霊のものはあとに来るのです。
第一の人は地から出て、土で造られた者ですが、第二の人は天から出た者です。土で造られた者はみな、この土で造られた者（アダム）に似ており、天からの者はみな、この天から出た者（イエス・キリスト）に似ているのです。
私たちは土で造られた者のかたち（肉のからだ）を持っていたように、天上のかたち（霊のからだ）をも持つのです。
兄弟たちよ。私はこのことを言っておきます。血肉のからだは神の国を相続できません。朽ちるものは、朽ちないものを相続できません（生かす御霊によって新しく造り変えられなければ、天の御国に入ることがありません）。
聞きなさい。私はあなたがたに奥義を告げましょう。私たちはみなが眠ってしまうのではなく、みな変えられるのです。（御霊による新しい創造を受けた者は、永遠に生きる光り輝く亜麻の衣を着るのです）
終わりのラッパとともに、たちまち、一瞬のうちにです。ラッパが鳴ると、死者は朽ちないものに甦り、私たちは変えられるのです。」（コリント一１５：４５－５２）
朽ちるものが朽ちないものを着、死ぬものが不死を着るとき、「死は勝利にのまれた。」と記されている、聖書のみことばが実現します。
死から新しく生まれ、御霊によって新しい創造を受ける人は、神のひとり子イエス・キリストが死に勝利を取られた主であることを証する者です。キリストの栄光を証する者です。
キリストの栄光は、大声で賛美されます。
「屠られた子羊は、力と、富と、知恵と、勢いと、誉れと、栄光と、賛美を受けるにふさわしい方です。」（黙示録５：１２）
天では、御前に伏し拝み、感謝が献げられます。
「御座に座る方と、子羊とに、賛美と誉れと栄光と力が永遠にあるように。」（黙示録５：１３）
