ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

アブラハムの子孫

 

 神はアブラムに仰せられました。

 「わたしは、この、わたしの契約をあなたと結ぶ。あなたは多くの国民の父となる。

 あなたの名は、もう、アブラムと呼んではならない。あなたの名はアブラハム(高貴な父)となる。わたしが、あなたを多くの国民の父とするからである。

 わたしは、あなたの子孫をおびただしく増やし、あなたを幾つかの国民とする。あなたから、王たちが出て来よう。

 わたしは、わたしの契約を、わたしとあなたとの間に、そしてあなたの後のあなたの子孫との間に、代々にわたる永遠の契約として立てる。わたしがあなたの神、あなたの後の子孫の神となるためである。

 わたしは、あなたが滞在している地、すなわちカナンの全土を、あなたとあなたの子孫に永遠の所有として与える。わたしは、彼らの神となる。」(創世記17:4-8)

 

 そして、神の契約を受け取るアブラハムが守るべき契約は、包皮の肉を切り捨てることでした。それで、アブラハムは、自分のうちにいる男子のすべてに割礼を施しました。アブラハムのうちにいる者はみな、割礼を受けます。

 

 神は、アブラハムの妻サライについても、アブラハムに仰せられました。

 「あなたの妻サライのことだが、その名をサライと呼んではならない。その名はサラ(王女)となるからだ。

 わたしは彼女を祝福しよう。確かに、彼女によって、あなたにひとりの男の子を与えよう。わたしは彼女を祝福する。彼女は国々の母となり、国々の民の王たちが、彼女(サラ)から出て来る。」(創世記17:15,16)

 

 神は、アブラムの名をアブラハム(高貴な父)と改め、妻サライの名をサラ(王女)と改めて、国々の父、国々の母とすることを約束されました。

 

 神は、高貴な父アブラハムと王女サラの間に、ひとりの男の子イサクを与えられました。神は、アブラハムに「イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれよう。」と仰せられました。(創世記21:12)

 

 イサクの子ヤコブの子孫がユダヤ人です。ユダヤ人は、神がアブラハムに約束されたアブラハムの子孫です。それゆえ、ユダヤ人の中には、およそ四千年前の父祖アブラハムの子孫としてのアイデンティティがあります。

 日本人には理解できないことです。誰が四千年前の先祖の名前を知っているでしょうか。しかし、アブラハムの子孫ユダヤ人は、その呼び名「アブラハムの子孫」を代々受け継いで来ました。

 

 イサクが三十代半ばを過ぎたころ、神は、アブラハムに、全焼の生贄としてアブラハムとサラのひとり子イサクを献げるように仰せられました。

 アブラハムは、翌朝早く、イサクを連れて神が命じられたモリヤの地に行き、神が示された一つの山の上(現在の神殿の丘)で祭壇を築き、イサクを縛り、祭壇のたきぎの上に置きました。アブラハムが刀で自分のひとり子を屠ろうとしたときに、アブラハムの信仰が確かなのをご覧になった主は、それを引き留めて、アブラハムの目に、角をやぶにひっかけている一頭の雄羊(全焼の生贄)を見せられました。

 神は、全焼の生贄の雄羊を用意してアブラハムの信仰を試されたのでした。

 

 新約聖書にはこのように書かれています。

 「信仰によって、アブラハムは、試みられたときイサクを献げました。彼は約束が与えられていましたが、自分のただひとり子を献げたのです。

 神はアブラハムに対して、「イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれる。」と言われたのですが、彼は、神には人を死者の中から甦らせることもできる、と考えました。それで彼は、死者の中からイサクを取り戻したのです。」(へブル11:17-19)

 

 自分の子、自分のひとり子さえ惜しまないで、神に献げたアブラハムに、神は、仰せられました。

 「これは主の御告げである。わたしは自分にかけて誓う。あなたが、このことをなし、あなたの子、あなたのひとり子を惜しまなかったから、わたしは確かにあなたを大いに祝福し、あなたの子孫を、空の星、海辺の砂のように数多く増し加えよう。そしてあなたの子孫は、その敵の門を勝ち取るであろう。

 あなたの子孫によって、地のすべての国々は祝福を受けるようになる。あなたがわたしの声に聞き従ったからである。」(創世記22:16-18)

 

 神は、敵の門を勝ち取る子孫が、アブラハムの子孫から生まれること、また、地のすべての国々の祝福となることを約束されました。

 敵の門を勝ち取る子孫は、ひとりの子孫を指していました。それは、エデンの園で、神が蛇に、「おまえの子孫と女の子孫との間に、敵意を置く。彼は、おまえの頭を踏み砕き、おまえは、彼のかかとに噛みつく。」と仰せられた、彼(女の子孫「神のひとり子キリスト」)のことでした。

 

 神は、悪魔を踏み砕き敵の門(死)を勝ち取るキリスト(救世主)が、アブラハムから生まれ、地のすべての国々の祝福となることを、四千年前のアブラハムに約束しておられたのです。

 

 アブラハムの子孫イスラエル(ユダヤ民族)は、世の罪を取り除く神の子羊イエスを生み、木にかけ、罪の贖いの神の子羊イエスを屠って罪の贖いの血を流しました。

 罪を赦すキリスト・イエスの贖いの血の福音は、イスラエルの垣を越えて、地のすべての国々に及びました。

 

 イエス・キリストは、罪を赦すためにご自分を献げ、御救いを与える罪の贖いの血を流し、墓に入って三日目に、死に勝利して墓から甦られました。

 キリスト・イエスは敵(悪魔)の門(死)を勝ち取られました。そして、救い主イエス・キリストを信じる者は、どの民族であっても、どこの国民であっても、死から甦り、永遠に生きる永遠のいのちを得ることができるのです。

 神がアブラハムに約束されたように、アブラハムの子孫(神の御子キリスト・イエス)は、地のすべての人の祝福となったのです。

 

 ひとりのアブラハムの子孫イエス・キリストによって、アブラハムとサラは、国々の父、国々の母となります。

 イサクの子ヤコブの子孫イスラエルの父と母であるアブラハムとサラは、キリストを信じ、キリストの御霊によって生まれる信仰の子どもたちの父と母となって、神の約束どおり、国々の父、国々の母となるのです。

 

 それゆえ、イエス・キリストを信じ、キリストの御霊を受けて神の子どもとされる異邦人もまた、割礼の契約を持つアブラハムの子孫イスラエルとともに、アブラハムの契約と祝福を受け継ぐアブラハムの子孫とされるのです。

 

 神はアブラハムとの契約を守られます。

 アブラハムの子孫を祝福し、アブラハムに約束されたカナンの全土を彼らに相続地としてお与えになります。イスラエルに約束された地、ナイル川からユーフラテス川までのカナンの地全土は、イスラエルの王(キリスト・イエス)が、アブラハムの子孫の住まうイスラエルの地とされます。

 

 地上から悪魔の子らを滅ぼし尽くすと、キリストがイスラエルの王として天から来られて、エルサレムに王座を設けられます。キリストが再び、天から来られるのです。

 イスラエルの王は、アブラハムの子孫(ユダヤ人とキリストの民)を集めて、イスラエルの国民とされ、イスラエル王国が建てられ、そして、イスラエルの王が世界を統べ治められます。

 

 イスラエルの王の国民は、諸国の王となります。イスラエルが治める世は、平和な世界で、エデンの園の姿となります。