ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

神の民を守られる主

 

 イスラエルには預言者がいました。預言者エリシャがイスラエルの王に神の警告を告げるので、イスラエルの王はその警告に従い、アラムを警戒し、アラムの王の手に落ちることはありませんでした。

 アラムの王は、イスラエルの王に神の警告を告げる預言者エリシャの存在を知り、イスラエルの預言者エリシャをつかまえようと、彼の居場所を探り、ドダンにいることを突き止めました。

 

 「そこでアラムの王は馬と戦車と大軍とを預言者エリシャのいるドダンに送った。彼らは夜のうちに来て、その町を包囲した。

 神の人(エリシャ)の召使いが、朝早く起きて、外に出ると、なんと、馬と戦車の軍隊がその町を包囲していた。若い者がエリシャに、『ああ、ご主人さま。どうしたらよいのでしょう。』と言った。

 するとエリシャは、『恐れるな。私たちとともにいる者は、彼らとともにいる者よりも多いのだから。』と言った。 

 そして、エリシャは祈って主に願った。『どうぞ、彼(若者)の目を開いて、見えるようにしてください。』主がその若い者の目を開かれたので、彼が見ると、なんと、火の馬と戦車がエリシャを取り巻いて山に満ちていた。

 アラムがエリシャに向かって下って来たとき、エリシャは主に祈って言った。『どうぞ、この民を打って、盲目にしてください。』そこで主はエリシャのことばのとおり、アラムを打って、盲目にされた。」(列王記第二6:8-18)

 

 神は霊なるお方です。地上では、イスラエルの神と名乗られる天の神です。天の神(イスラエルの神)は、イスラエルの神の民を守るために、目に見えない霊の世界において天の軍勢を遣わされます。それは、地上の軍隊とは異なる天の軍勢です。

 敵を永遠の火によって焼き尽くす、火の馬と戦車が送られて来ます。イスラエルの敵は、イスラエルの神の敵です。イスラエルの神の敵は、悪魔です。悪魔は、天から追放された者であり、二度と光の天に戻ることが許されない闇の王者です。

 

 闇の王者は、神の民イスラエルに敵対します。「ユダヤ人の王」として、地上に遣わされた方は、神のひとり子です。神のひとり子は、悪魔の宿敵です。悪魔が消滅させることを心に誓う悪魔の標的です。悪霊どもも、悪魔の子らもそのために、戦い続けています。

 

 「ユダヤ人の王」として来られたイエスを、ユダヤ人たちは拒みました。これは、蛇の頭(悪魔)が、かかとのヤコブ(イスラエル)に噛みつき、神に反逆する者としたからです。

 悪魔は、ユダヤ人たちに、イエス・キリストは民を騙す者、神の律法を完了し新しい律法を与えるとして神に背くことを教える神の反逆者であると信じ込ませました。

 また、神の敵悪魔は、神の御子イエス・キリストを信じると、ユダヤ人のコミュニティーから締め出され、神の民イスラエルから断ち切られ、迫害され、殺されるという恐怖をユダヤ人たちの心に刻みました。

 

 神が昔からイスラエルに約束されていたキリスト(救い主)が来られたのに、ユダヤ人たちはキリストを信じることはありませんでした。

 

 イエス・キリストは神のひとり子であり、神に遣わされた神の使者でした。神の使者を殺し、神の使者のことばを嘲り、信じなかったユダヤ人は、神の怒りを買い、神はローマ帝国を使って、ユダヤ人たちを先祖の地、神に与えると約束されたカナンの地(現イスラエル)から追放し、諸国に追い散らし、国々に嫌われる在留異国人とされました。ユダヤ人は寄留者でした。どこの国に行っても、彼らは安息日を守り、神の掟に従うユダヤ人だったのです。

 

 神は、ユダヤ人たちの嘆きの声を聞いて憐れまれ、神に助けを求めるユダヤ人に、昔ユダヤ人の先祖に約束されたとおりに、再び、ユダヤ人を先祖の地に集め、離散してから千八百年以上経った1948年に、ユダヤ人の国を、かつてユダヤ人の神殿があった彼らの土地に建国されました。

 

 イスラエルがエルサレムを含む先祖の地にイスラエルの国を建国するのは、神の約束でした。今はまだ、エルサレムはイスラエルに返されていません。かつて、イスラエルの神の神殿が建っていた神殿の丘には、現在イスラム教徒のモスクが建っています。

 

 神の都エルサレムは、神の敵の支配下にあります。平和の王(神の御子キリスト・イエス)が住まわれるエルサレムに、神に反逆し、神のひとり子キリストに敵対する敵が鎮座しているのです。平和の王に敵対する者が、エルサレムを支配し争いの根源としています。なぜならば、神のひとり子の敵は、神の反逆者であり、敵対者であり、破壊者であるからです。闇の王者、争いの父なのです。

 

 ユダヤ人が「ユダヤ人の王」を憎み退けてくれたおかげで、神の御救いは、イエス・キリストの御名とともに、異邦人に及びました。ユダヤ人に遣わされた「ユダヤ人の王」は、神の御子イエス・キリストを救い主と信じる人々を加える新しいイスラエルの「イスラエルの王」となられました。

 

 神の約束を受け、神の契約を持つユダヤ人たちが、先祖の地に帰還しているという事は、イスラエルの王が天から来られる日が近づいているということです。イスラエルの王がエルサレムに座を設けられると、武器はなくなり、平和な世界となります。平和の町エルサレムに平和の王がお住みになられるからです。

 

 その時が近いことを知り、悪魔は激しくイスラエルを攻撃し、イスラエルの国を滅亡させて、イスラエルの王が帰る場所を奪い取ろうと必死です。また、ユダヤ人たちがイエス・キリストを心に迎えないように、必死に戦っています。ユダヤ人たちが、「主よ。来てください。」と神の御子イエス・キリストの御名を呼ぶとき、キリストが来られるからです。

 

 しかし、世界中にキリストの民がいます。ユダヤ人ではありませんが、イスラエルの王の民となる人々です。

 

 神の御霊をいただいた神の民は、世界の国々にいます。数は少なくても、イエス・キリストの御名によって、御霊の祈り(神の霊に導かれる祈り、キリストの心による執り成し)をする、霊の戦いの勇者たちです。

 

 神の民の祈りは、天に届いています。神はキリスト者たちの執り成しの祈りによって、目には見えないけれども、敵から守る、大きな城壁を築かれるのです。

 

 この祈りに加わる戦士たちは、神の国に有益な者として神に覚えられます。

 「主よ。イスラエルの神、主よ。御自分の民のために火の軍勢を送り、民をお守りください。主よ。パウロに出会われたように、先祖の約束のゆえに敵と戦うユダヤ人たちの中にお現われになって、御自身(十字架にかけられた主キリスト)がイスラエルを救うユダヤ人の王であられることを知る者たちを起こしてください。

 主よ。ユダヤ人に、ユダヤ人を救うキリスト(イエス・キリスト)を信じなかった罪(背信の罪)を悔い改める、悔い改めの霊を注ぎ、神のご愛で包んでください。

 イスラエルに神がおられることを、主よ、あなたがお証ください。主よ、イスラエルの君ミカエル(イスラエルの守護天使)とその御使いに力を与え、敵を支配する悪しき者どもを退けさせてください。イエス・キリストの御名によりお祈りします。アーメン。」

 

 メシヤニック・ジューとユダヤ人ビリーバーに、祈りの霊が注がれますように。

 かつて、ダニエルは、同胞のイスラエル人のために祈りました。

 「私たちは、あなたのしもべである預言者たちが神の御名によって、私たちの王たち、首長たち、先祖たち、および一般の人すべてに語ったことばに、聞き従いませんでした。

 主よ。正義はあなたのものですが、不面目は私たちのもので、今日あるとおり、ユダの人々、エルサレムの住民のもの、また、あなたが追い散らされたあらゆる国々で、近く、あるいは遠くにいるすべてのイスラエル人のものです。これは、彼らがあなたに逆らった不信の罪のためです。

 私たちは、私たちの神、主の御声に聞き従わず、神がそのしもべである預言者たちによって私たちに下さった律法「神が遣わされる預言者に聞き従え。(約二千年前に明らかにされた神の御子イエス・キリスト)」に従って歩みませんでした。

 私の神よ。耳を傾けて聞いてください。目を開いて私たちの荒れすさんださまと、あなたの御名がつけられている町をご覧ください。私たちが御前に伏して願いを献げるのは、私たちの正しい行ないによるのではなく、あなたの大いなる憐れみによるのです。

 主よ。聞いてください。主よ。お赦しください。主よ。心に留めて行なってください。あなたの町と民とには、あなたの名がつけられているからです。」(ダニエル9:6、10、18,19)

 

 「主の使いは主を恐れる者の回りに陣を張り、彼らを助け出される。」(詩篇7:7)