「私たちは、このキリスト(十字架で罪の贖いの血を流してくださった神の御子イエス)によって、両者(ユダヤ人と異邦人)ともに一つの御霊において、父のみもとに近づくことができるのです。
こういうわけで、あなたがた(異邦人信者)は、もはや他国人でも寄留者でもなく、今は聖徒たち(アブラハムの契約と祝福を相続する神の民イスラエル)と同じ国民であり、神の家族なのです。
あなたがた(神の家族)は使徒と預言者という土台の上に建てられており、キリスト・イエスご自身がその礎石です。(聖書のみことばの成就として来られた神のひとり子イエス・キリストが神の家です。)
この方(神の御子イエス・キリスト)にあって、組み合わされた建物(神の国を形成する七つの御霊の教会)の全体が成長し、主にある聖なる宮(聖霊の宮)となるのであり、このキリストにあって、あなたがた(イスラエルに加えられた異邦人信者)もともに建てられ、御霊によって神の御住まい(御霊によって新しく生まれ、御霊の教会)となるのです。」(エペソ2:19-22)
神はアブラハムを選び、アブラハムと契約を結ばれました。
その契約とは、ウルから出て来たアブラハムにカナンの地を与えること。アブラハムの子孫にカナンの地を相続する神の国民が生まれること。そして、世界を救う救世主がその国民から出ることです。
アブラハムに約束された神の国民は、アブラハムの子イサクに生まれたヤコブの子孫、ユダヤ民族です。
神はヤコブに約束されました。
「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。
わたし(アブラハムの神、イサクの神)はあなた(ヤコブ、のちのイスラエル)が横たわっているこの地を、あなたとあなたの子孫とに与える。
あなたの子孫(ユダヤ民族)は地の塵のように多くなり、あなたは、西、東、北、南へと広がり、地上のすべての民族は、あなたとあなたの子孫(アブラハムに約束されたひとりの子孫、すなわち神が遣わされる救世主イエス・キリスト)によって祝福される。
見よ。わたし(主)はあなた(イスラエル)とともにあり、あなたがどこへ行っても、あなた(ユダヤ民族)を守り、あなたをこの地(カナンの地)に連れ戻そう。わたしは、あなた(イスラエル)に約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」(創世記28:13-15)
神はヤコブの名前をイスラエルと呼び、イスラエルと約束されました。イスラエル(ヤコブの十二人の息子を族長とするユダヤ民族)は、ヤコブの腰にいて、この約束を受けていました。
人類は、初めの人アダムの腰にいて、罪を犯しました。アダムひとりの罪ではありません。すべての者は、アダムの中にいました。
バベルの塔を建てた二ムロデの時代に、人々の言葉が分れました。神が、一つの話し言葉であった人々の言語を、様々な言語に分けて、言葉を通じなくさせられたのです。
それぞれ言葉が通じ合う者たちを種族とし、世界に散らされました。
神は、アブラハムの子孫をイサクとし、イサクの子孫をヤコブとし、ヤコブの子孫をイスラエル(ユダヤ民族)とされました。
それゆえ、アブラハムの腰の中にイスラエルがいた、ということになります。そして、神は、その腰の子イスラエルの中に、御自身のひとり子(神の御子イエス・キリスト)をご覧になっておられたのです。
それゆえ、神は、ヤコブと約束されながら、その腰の子イスラエル(ユダヤ民族)と約束されたのでした。
神は、モーセを立てて、奴隷の家エジプトから連れ出したイスラエル(ヤコブの子孫ユダヤ民族とモーセに従って来た人々)と契約を結ばれました。
神である主は、山からモーセを呼んで仰せられました。
「あなた(モーセ)は、このように、ヤコブの家(ヤコブの子孫)に言い、イスラエルの人々に告げよ。
あなたがた(イスラエル)は、わたし(主)がエジプトにしたこと、また、あなたがたをわしの翼に載せ、わたしのもとに連れて来たことを見た。
今、もしあなたがたが、まことにわたし(創造主)の声に聞き従い、わたし(アブラハムの神)の契約を守るなら、あなたがたはすべての国々の民(全地)の中にあって、わたしの宝となる。全世界はわたしのものであるから。
あなたがた(イスラエル)はわたし(全知全能の神)にとって祭司の王国、聖なる国民となる。
これが、イスラエル人にあなた(モーセ)の語るべきことばである。」(出エジプト19:3-6)
モーセは行って、これらの主のことばを述べると、民はみな口をそろえて答えました。「私たちは主が仰せられたことを、みな行ないます。」(出エジプト19:8)
神は、イスラエルに御自身の指で書いた石の板(十戒)を与え、神の律法を授けられました。こうして、イスラエルは神の民となり、神はイスラエルの神となられたのです。
神は、神に仕える部族としてレビ族を召し、アロンを大祭司とされました。
神は、約束のカナンの地に、アロンの子孫を大祭司とし、ユダ族のダビデの子孫を王とし、ユダヤ人の間に多くの預言者を立てて、神に仕え神に聞き従うイスラエル王国を、イスラエルにお与えになりました。
イスラエルの神が立てられた神の教会は、ユダヤ人の会堂であり、レビ族の祭司がいました。彼らの信仰の中心には、聖書(旧約聖書)がありました。
聖書のことばどおり、世界を救うメシア(主キリスト)が、ベツレヘムでお生まれになりました。ナザレで成長したイエスが、その人でした。イエスは、ユダヤ人の会堂で教えました。
イエスは、ユダヤ人たちに、ユダヤ人が会堂で礼拝しているイスラエルの神について教えられました。神の御子であるイエスは、ご自分の父を知らされたのです。
ユダヤ人たちにとっては、それは新しい教えのようでした。イエスは、権威を持って、父について、御国について、永遠のいのちについて語られました。
イエスは、イスラエルに隠されていた真理の奥義を語られたのです。それは、聞く耳のある者に届けられました。
神の御子イエスは、十字架につけられ、贖いの血を流し、墓に納められました。イエスのことばどおり、三日目に墓から甦り、四十日間弟子たちに会い、弟子たちの見ている間に、雲に乗って天に上って行かれました。こうして、神は、イエス・キリストがまことに神の御子であることをあかしされたのでした。
神の教会は、石の板に書かれたモーセの律法を守る、アブラハムの血肉の子孫ユダヤ民族(イスラエル)の教会でした。イスラエルがイスラエルの神を礼拝していました。
神の教会に、神の御子イエス・キリストが遣わされました。
イエスは、イスラエルの神のひとり子であり、ユダヤ民族の神がイスラエルの御救いのために遣わされた世を救う主キリストであること、ユダヤ民族の神は、イエス・キリストの父であること、イエスが去ったあとにもうひとりの助け主(聖霊)が遣わされることを知らされました。
御救いのわざを成し遂げて、復活のからだで天に帰られた主キリストは、もうひとりの助け主(真理の御霊)を待ち望む弟子たちに、聖霊のバプテスマを授け、彼らを聖霊の器とされました。
神の教会(ユダヤ人の会堂)は神の御子イエスを信じることなく、迫害し、殺しました。
ユダヤ人(ユダヤ教徒)の神の教会は、地上に注がれた聖霊によって、イエスを主キリストとする新しい教会を生みました。イエスの弟子たちのエルサレム教会です。聖霊が注がれたイエスの弟子たちによって造られました。
それまでは、ユダヤ教のナザレ派という位置づけにあったイエスに付き従ったイエスの弟子たちは、ユダヤ人の会堂から出て、キリストの神の教会をつくったのです。
かつて、神は、モーセによってユダヤ民族に律法(旧約聖書)を与え、神と契約を結ぶ神の民、神に仕える祭司の国民イスラエルを造り始められました。
そして、大祭司アロンとダビデ王と預言者たちによって、イスラエル王国を造られました。
終わりの時代に、神は、神の御子イエスのかたちでイスラエルに現われ、御子(救い主キリスト)において、律法と詩篇と預言者のことばを成就され、キリストによる新しい律法(新約聖書)を与えられました。
新しい律法は、神の指で書かれた石の板ではなく、救い主御子イエスを信じる者の心に聖霊によって書き記されます。
新しい律法では、天に上られた主キリスト・イエスが、天のまことの聖所(人間が設けたのでなくて、主が設けられた真実の幕屋)で仕えるとこしえの祭司となられました。また、キリストは、ダビデの王座にとこしえに着座されるイスラエルの王となられます。
神が、終わりの時代に起こるはずの事を神の子羊キリスト・イエスに知らされました。主キリストは、弟子のヨハネに、御使いを遣わして、イエス・キリストの黙示をお告げになりました。ヨハネの黙示録です。
神の御子キリストによる新しい律法(新約聖書)は、新しいイスラエルの律法です。新しいイスラエルの祭司、王、預言者は、神の御子イエス・キリストです。
ユダヤ人の弟子たちにゆだねられた御子キリストの神の教会は、異邦人に伝えられ、世界に広められました。
聖霊のバプテスマを受けたイエスの弟子たちの教会は、ユダヤ人の教会(御子を信じない神の教会)によって迫害されました。
異邦人が増えると、ユダヤ人は追い出され、御霊を締め出すキリスト教会となりました。
神は、霊によって神を捉える日本にユダヤ人の残りの人々を集め、霊によって礼拝する信仰を育てられたように思います。
ユダヤ人の神の教会の古い律法(旧約聖書)もなく、御子キリストによる新しい律法(新約聖書)もない人々に、神を聖として知らせ、聖なる神にふさわしく、身魂を磨いて神と交わることを教えられました。神が選ばれたアブラハムの信仰を彼らのうちに設けられたのです。
キリストの教会から締め出された御霊は、この群れの中では神の道として尊ばれました。律法によって思いの暗くなった神の教会(ユダヤ人のシナゴーグ)もキリストの教会(キリスト教会)も、いのちの神のことを知りながら、いのちの神からことばが受けられなくなっています。
神は、宗教ではない道、律法に縛られない神の道にいる彼ら(神の霊とともにいる日本人)に、彼らが仰いでいる神の霊が創造主の聖霊であることを知らされるのでしょう。そして、彼らはユダヤ人や御霊を受けていないキリスト者や仏教徒に神の御霊が教える神の道を知らせ、彼ら(ユダヤ人、キリスト者、仏教徒ら)の信仰に、いのちの道を示していくのでしょう。
神は、神の道を行く日本人を宗教の霊から守り、イスラエルの神から入るユダヤ人の信仰でなく、御子キリストから入る信仰でなく、御霊によって神の道の知らせ、御霊の信仰から入らせて、そして、終わりの時に、彼らの崇める神は全知全能の神・創造主であり、十字架にかかられたイエス・キリストの父であることと、イエス・キリストの血がすべての罪を贖う子羊の全き聖なる血であることを知らせられるのでしょう。
神は、ユダヤ人の神の教会でもなく、キリストの教会でもなく、七つの御霊の教会をキリストの血によって、立てられるのです。
御霊の教会こそが永遠のいのちの教会であり、御霊によって新しく生まれ御霊によって新しく創造される「とこしえのイスラエル」だからです。神は、御霊の教会を最後のアダム、死から復活されたキリストのからだとされるのです。
神は、アブラハム、イサク、ヤコブの信仰によって、血肉のイスラエル(神の教会)を造られました。
神は、御子の従順により神の子羊イエス・キリストの血によって、霊的イスラエル(キリストの教会)を造られました。
神は、聖霊によって、全きイスラエル(御霊の教会)を造られ、永遠のいのちを得させてとこしえのイスラエルを完成されるのです。