ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

ダニエル書から見たこれからの世界

 

 ダニエルは夜の幻の中で、四つの大きな獣を見ました。

 「第一のものは獅子のようで、鷲の翼をつけていた。見ていると、その翼は抜き取られ、地から起こされ、人間のように二本の足で立たされて、人間の心が与えられた。」(ダニエル7:4)

 

 宗教と化したキリスト教会から本当の信仰を求めたピューリタンが現われました。イギリスで宗教的迫害を受けた彼らは、自分たちの信仰を自由に信じることのできる新地を目指して、メイフラワー号で渡航し、アメリカ大陸に上陸しました。

 

 このことは、神から出たことでした。なぜならば、獅子(ユダの獅子、すなわちイエス・キリストの教えを心に抱くキリスト者たち)は、鷲の翼(神の与える翼、すなわち聖霊の導き)によって、アメリカ大陸に辿り着いたからです。

 

 しかし、アメリカの地に定住すると、次第にキリスト教の教えよりも、ユダヤ人の方が力を持ったようです。ピューリタンは、発展するアメリカの中で互いに信仰を守りました。聖霊の導きに従う教会の信仰は消され、イエス・キリストを信じないユダヤ人たちが力を持ったのでしょう。

 聖書では、海は異邦人の世界、地はユダヤ人のたとえとして使われているようです。

 地(ユダヤ人)から起こされ、人間のように二本の足で立たされて、人間の心が与えられました。アメリカは、人々の努力と能力によって自由に資本、物質、お金が得られる社会を作り、人々に平等なチャンスを提供しました。そして、豊かな国となり、アメリカは、豊かな国づくりの模範となり、世界を牽引する指導的な国となりました。

 聖書を土台としつつ、伝統やしきたりに縛られない解放された人間の心を持ち、人権は尊重されるものだという意識を世界に広げて行きました。

 

 「突然、熊に似たほかの第二の獣が現われた。その獣は横ざまに寝ていて、その口のきばの間には三本の肋骨があった。するとそれに、『起き上がって、多くの肉を食らえ。』との声がかかった。」(ダニエル7:5)

 

 ソビエト社会主義共和国連邦は1991年に崩壊し、ソビエト連邦を構成していた複数の共和国は、主権国家として独立しました。旧ソビエト連邦内のロシア共和国は、ロシア連邦となり、エリツィン大統領、プーチン大統領、メドヴェージェフ大統領の三人の大統領が立ち、現在、再び、プーチンが大統領です。

 

 東西に横たわるかのような地形のロシアはきば(争いの心)を持ち、三本の肋骨があります。ロシアを統制した三人の大統領をさすのではないかと思います。

 「起き上がって、多くの肉を食らえ。」との声がかかると、熊は起き上がって猛威を振るいます。この国は、周囲の小国を支配下に置くことでしょう。

 今は、引き止めるもの(クリスチャンの祈り)があって、先に進んでいないのですが、聖霊が引き上げられ、神の聖徒たちが天に引き上げられると、周囲の幾つかの小国を我が物顔で勝ち取ることでしょう。

 ロシアがそのことを成し遂げるときには、神の御子イエス・キリストに忠実なキリスト者、御霊の器たちはすでに、聖霊(もうひとりの助け主)によって天に引き上げられています。父なる神とキリストは、この日のために、もうひとりの助け主、すなわち真理の御霊を遣わし、イエス・キリストの弟子たちに授けてくださっていたのです。

 

 「その後、見ていると、また突然、ひょうのようなほかの獣が現われた。その背には四つの頭があった。そしてそれに主権が与えられた。」(ダニエル7:6)

 

 「毛深い雄やぎ(ひょうのような獣と同一のもの)は、ギリシャの王であって、その目と目の間にある大きな角は、その第一の王である。

 その角が折れて、代わりに四本の角が生えたが、それは、その国から四つの国が起こることである。しかし、第一の王のような勢力はない。」(ダニエル8:21,22)

 

 アメリカとロシアは、雄羊の獣の二本の角でした。雄羊は、プロテスタント教会、ロシア正教会の教えを持つ羊の国でした。

 しかし、雄羊の二本の角をへし折った雄やぎは毛深い獣です。悪魔の心を持つ獣です。まことの神に敵対する国です。雄やぎの目と目の間にある大きな一本の角は、中国共産党です。世界を統一して世界の覇権を握り、世界を支配する野望を持っています。

 神は、この国が覇権を握ることを許されます。この国に主権が与えられます。アメリカもロシアも持たなかった、世界を我が物とする主権です。

 神に逆らう恐ろしい指導者が世界の国々を支配する恐ろしい世界の始まりです。世界は、この恐ろしい指導者に監視されます。自由はありません。

 

 しかし、その角は折れます。すなわち、その指導者は亡くなります。その角が折れると、その国の占領下にあった領域は、四つの地域に分割します。アジア、アフリカ、中東、ヨーロッパでしょう。四本の生え出た角のうちの一本の角(中東)が勝利を治め、初めの大きな一本の角(中国共産党)に代わって世界の覇権を握ります。

 

 イスラム原理主義の勢力が、多くのイスラム勢力を結集して勝利すると思われます。オスマン帝国の復興を目指すイスラム原理主義者たちがイスラム国によって、世界を支配しようとするでしょう。

 

 「その後また、突然、第四の獣が現われた。それは恐ろしく、ものすごく、非常に強くて、大きな鉄のきばを持っており、食らって、かみ砕いて、その残りを足で踏みつけた。これは前に現われたすべての獣と異なり、十本の角を持っていた。」(ダニエル7:7)

 

 戦士たちで構成された国です。十の国からなります。イスラムの国です。イラク、トルコ、イラン、シリア、レバノン、クウェート、ヨルダン、パレスチナ、エジプト、サウジアラビアでしょうか。

 これらの十の国は、神がアブラハムに与えると約束されたカナンの全土(ユーフラテス川からエジプトの大川までの地)に全部、あるいは一部分が入っている国々です。

 

 「目と目の間に、著しく目立つ一本の角のある雄やぎが、雄羊に近づき、怒り狂って、この雄羊を打ち殺し、その二本の角(アメリカとロシア)をへし折ったが、雄羊には、これに立ち向かう力がなかった。雄やぎは雄羊を地に打ち倒し、踏みにじった。雄羊を雄やぎの手から救い出すものは、いなかった。

 この雄やぎは、非常に高ぶったが、その強くなったとき、あの大きな角(中国共産党)が折れた。そして代わりに、天の四方に向かって、著しく目立つ四本の角が生え出た。

 そのうちの一本の角(中東)から、また一本の小さな角(反キリスト)が芽を出して、南と、東と、麗しい国(イスラエル)に向かって、非常に大きくなっていった。」(ダニエル8:5-9)

 

 中東が中国共産党に代わって覇権を握ると、その中から、一本の小さな角が芽を出します。それが、十本の角を持つ獣です。大きな鉄のきば(イスラム勢力)を持つ獣です。これが、反キリストです。死を帯びた悪魔的指導者であり、世界中の人々の心を神(いのちの主)から引き離します。

 

 「彼(主権を持つ中国共産党)に代わって、ひとりの卑劣な者(反キリスト)が起こる。彼には国の尊厳は与えられないが、彼は不意にやって来て、巧言を使って国を堅く握る。

 洪水のような軍勢(第三次世界大戦で世界中の国々から集まった軍勢)も、彼によって一掃され、打ち砕かれ、契約の君主(イスラエルの首相)もまた、打ち砕かれる。」(ダニエル11:21,22)

 

 ひとりの卑劣な者こそ、聖書に書かれた「忌むべき憎む者」、破壊者である反キリストです。この者は、国の指導者ではありません。国を持っていない民族から出るのかも知れません。

 

 スンニ派とシーア派を一つの志とします。イスラエルを敵とし、イスラム原理主義の国づくりをします。イスラエルの首相を殺して征服し、イスラムの国々から英雄とされるでしょう。また、彼は第三次世界大戦を終わらせるのでしょう。

 

 反キリストは、エルサレムにアブラハムの神の神殿を建てることを許し、イスラエルの支持を受けます。ユダヤ人の中には、反キリストをメシアだと思う人もいることでしょう。ユダヤ人たちは、反キリストを喜び、第三神殿を建てるでしょう。

 争う事なく、エルサレムに平和をもたらした反キリストを、世界中の人々は賞賛します。あの大国アメリカでさえ、中東和平を締結できなかったのに、反キリストは平和をもたらす能力のある指導者であると認め、賞賛することでしょう。

 

 彼(反キリスト)には野望があります。自分が世界の人々の神となることです。彼は、バビロニア帝国のような強大な国をつくるでしょう。

 十の国の指導者たちは、彼に主権を与え、彼を支配者として立てます。十の角を持つ獣(反キリスト)は、十の国の王となり、十の国は、反キリストの国となります。

 こうして、反キリストの十本の角は、十の国の王としての十の冠を受けるのでしょう。

 

 神は御自分の民を御存じです。ユダヤ人とキリスト者(御霊を持っていないクリスチャンや信仰に熱心でなかったクリスチャン)を絶望の世から救い出すために、脱出の道を備えておられます。

 

 「あなたがた(神の民、すなわちユダヤ人とクリスチャンとイスラエルやユダヤ人を祝福する人々)の会った試練はみな人(人の子イエス)の知らないようなものではありません。神は真実な方ですから、あなたがたを耐えることのできないような試練に会わせるようなことはなさいません。むしろ、耐えることのできるように、試練とともに、脱出の道も備えてくださいます。」(コリントだ10:13)

 

 神が、反キリストの支配する世界の恐怖を許されたのは滅ぼすためではありません。神の民を神に立ち返らせ、神への信仰を堅く立たせるための試練なのです。

 悪魔の民(反キリストや偽預言者)は、神の民を反キリストの像を拝ませたり、獣の数字666を刻印して、神の民であることをやめさせますが、神に救いを求め悔い改めて信仰に堅く立つならば、神が力を与えてくださいます。

 

 死に至るまで神に信頼するならば、自分のいのち(肉体の命は殺されますが、永遠のいのちを受けることができます。)を救うことができるのです。