ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

契約の箱は証の箱

 

 神がモーセに命じてイスラエルに造らせた契約の箱は、イスラエルが神に選ばれた契約の民であることの証でした。

 

 箱に入ったマナは、全能の神御自身が、水の割れた紅海を渡らせ荒野に導いて、奴隷の家エジプトからイスラエルを救い出し、荒野で四十年間、天から降らせたマナで養われたことを証するものです。

 

 神は、四百年間他国で奴隷であったイスラエルを多くの奇蹟としるしをもって、彼らの父祖アブラハムに約束したとおりに解放し、アブラハムに与えた約束の地カナン(現イスラエル)に導き入れられました。

 

 アブラハムには、正妻サラの子イサクと、妻の女奴隷ハガルの子イシュマエルと、サラの死後めとったもうひとりの妻ケトラの子ジムラン、ヨクシャン、メダン、ミデヤン、イシュバク、シュアハとがいました。

 

 しかし、神はアブラハムに仰せられました。

 「わたしは、来年の今頃サラがあなたに産むイサクと、わたしの契約を立てる。わたしは彼とわたしの契約を立て、それを彼の後の子孫のために永遠の契約とする。(創世記17:21,19)イサクから出る者が、あなたの子孫と呼ばれるからだ。(創世記21:12)」

 また、神は、アブラハムに告げて仰せられています。

 「わたしは、あなたが滞在している地、すなわちカナンの全土を、あなたとあなたの子孫に永遠の所有として与える。わたしは、彼らの神となる。」(創世記17:8)

 

 全能の神御自身が、イサクをアブラハムの子孫と呼び、カナンの全土をイサクから出るアブラハムの子孫の永遠の所有とすることを約束されました。

 

 イサクに与えられた契約は、神に選ばれたヤコブに受け継がれ、ヤコブはイスラエルと呼ばれました。「イスラエル」は、神がヤコブに与えられた新しい名です。こうして、ヤコブの十二人の息子はイスラエル民族となったのです。彼らは、ユダヤ民族です。

 

 芽を出したアロンの杖は、アロンとアロンの子孫が大祭司の権威を持つことの証であります。また、イスラエルは神の祭司の国民であり、全能の神に仕える大祭司が立てられた民族であることを証しています。

 

 二枚の契約の石の板は、イスラエルが神の民であることを証します。全人類の中で唯一、全能の神と契約を結ぶ、神の民なのです。

 

 契約の箱は、神の臨在でした。契約の箱は、神が定めた者以外の者が触れることが許されていません。神に許可されていない者が触れるならば、ただちにその者は、神に打たれて死んでしまいます。契約の箱に触れることは、聖なる神に触れることでした。

 

 契約の箱は、神の証が入った、聖なるものなのです。

 契約の箱は、イスラエルがカナン全土を受け継ぐ、全能の神の民である証であり、全地の中で、祭司の国として全能の神に仕える、神に聖別された民族である証であり、アブラハムの契約を成就する民族である証でした。

 

 ユダヤ民族は、全能の神が契約を結び、神の祭司として神の御心を成就するために造られました。それを否定することは、神の御前で無効です。このことは、神から出ており、神が定められたことだからです。

 

 契約の箱によって、イスラエルは、他の民族と聖別されました。唯一、まことの神を知り、まことの神に仕える民族です。また、まことの神の存在を知らせる民族なのです。

 

 契約の箱を得たイスラエルは、全知全能の神、天地万物を創造された生けるまことの神を証する民族です。イスラエルの存在自体が、神が生きておられることを知らせ、生きて働いておられる神を証するのです。

 

 イスラエルが奴隷の家エジプトから出たとき、周囲の国々は、エジプトでされたイスラエルの神の噂を聞き、全能の神がともにおられるこの民族を恐れました。また、カナンの地の住民は、主であられる神がイスラエルにカナンの地を与えておられることで恐怖に襲われ、震えおののきました。

 

 神が目的をもって造られたユダヤ民族は、全地に全能の神を知らせ、唯一まことの神を証する民なのです。

 

 神は、イスラエルに神の子羊イエスを与えられました。神のひとり子が人となって、イスラエルの地に遣わされたのでした。

 祭司の国イスラエルは、神が用意された神の子羊イエスを十字架で屠りました。祭司の国民によって屠られた子羊の血は、罪の贖いの血として神に受け入れられました。

 

 人の子イエスがご自分の肉を裂き、罪の贖いの血を流して死の呪いを解き、ケルビムで守られたいのちの木を解放されて、救いを成し遂げられました。人の子イエスは、アダムの罪によって閉ざされていた「いのちの木」に辿り着くことのできた唯一の、聖なる神の御子です。

 

 人の子イエスは、律法を完全に守られ、律法を完成されたキリストです。アダムの背きの罪によって入った死を滅ぼし、神への従順によって、死んだ魂を死から救い出す救い主なのです。

 

 イスラエルから取り去られた契約の箱は、人の姿となり神の御子イエスとして、ユダヤ民族に現われたのです。

 

 契約の箱によって神の民であることを証されたユダヤ民族は、神の御計画どおりに、神の御子イエスを生み、神の子羊イエスを十字架で屠りました。そして、神が御霊によって、子羊イエスを死から復活させられたのです。ユダヤ民族は、自覚の無いまま、神の民としての役目を果たしていたのです。神のキリスト救い主は、神の契約どおりに、イスラエルから現われました。

 

 神が遣わされた子羊イエスが、新しい契約となりました。契約の箱が、ユダヤ民族が神の民であることを証したように、神の子羊イエスの御名によるキリストの御霊が、イエスを信じる者やイエスのことばを守る者を神の民であることを証するのです。

 

 救い主キリスト・イエスは、いのちの木を地に解放してくださいました。イエス・キリストにつく者は、いのちの木に繋がる者です。いのちの木に繋がる者は、義の実(主イエスの贖いの血で罪赦された者が御霊によって結ぶ実)を結び、永遠のいのちを受けるのです。

 

 主イエス・キリストは、新しい契約の証として、キリストの御霊を分け与えられます。キリストの御霊は、イエスを信じる者を神の子に造り変えて、この契約が確かであることを証してくださいます。

 

 主イエス・キリストの救いは、神の契約に基づいたものなのです。

 

 主イエス・キリストの御名によって神の民であることを証される者は、また、イエス・キリストが神の御子救い主であることを証する者でもあります。