ふしぎないのち

神が働く不思議な体験

約束された家族の救い

 

「『先生がた。救われるためには、何をしなければなりませんか。』

『主イエスを信じなさい。そうすれば、あなたもあなたの家族も救われます。』」(使徒16:30,31)

 

 主イエスを信じる者に、家族の救いが約束されているようです。

 主イエスとは誰でしょう。死と滅びから神の民を救い出すために、天の神から遣わされて地上に来られた、神のひとり子イエス(救い主キリスト)です。

 

 主イエスを信じるということは、地の滅びと永遠の死から救い出してくださるメシアを信じることです。

 メシアを信じるということは、罪を贖い、永遠のいのちを得させてくださるメシアにつく、神の民となることです。

 

 天地万物を造られた天の神は、世の滅びから、神の民を救い出されます。つまり、神とひとつ心の神のひとり子イエス・キリストにつき、神の御霊によって神の子どもにふさわしい創造を受けて新しく造り変えられた神の民に、神は、永遠のいのちを得させてくださるのです。

 

 神の民には二種類あります。神御自身が契約を結ばれたユダヤ民族と、神が遣わされた神のひとり子イエス(救い主イエス・キリスト)を主と告白し、神の御子イエス・キリストの権威の下に入る人々です。

 

 神は御自分で「イスラエル(神の民)の神」と名乗られます。天地万物を造られ、すべての被造物に権限をお持ちの神が、神のひとり子のために選ばれたのは、神の民です。

 

 天地万物を造られた全能の神、永遠に生きておられる天の神を「わが神」と呼び、まことの神に聞き従う、神の息吹(神のことば)を受けた民です。

 

 神は、御自分の御子を遣わすために、神と契約を結ぶ契約の民イスラエルを造られました。神は、契約を与えたイスラエルに、契約のメシアを遣わされたのです。

 メシアは、神と契約を結ぶイスラエルの「王」です。イスラエルは契約によって、全能なるまことの神と結ばれています。たとい、神が遣わされた神のひとり子イエス・キリストを信じることができなくても、イスラエルは、神と契約を結んだ先祖ゆえに、神の契約の中にいるのです。

 

 イスラエルは、イスラエルの神がイスラエルに遣わされた「イスラエルの王」を拒みました。怒った神は、神が用意された御救い(神の御子イエス・キリストの十字架の血と復活のいのち)を、契約の民イスラエルから契約のなかった異邦人に向かわされたのです。

 

 約二千年前、イエスがイスラエルに来られたとき、イエスはイスラエル以外の異邦人に福音を伝えることはされませんでした。

 

 「カナン人の女が出て来て、叫び声をあげて言った。『主よ。ダビデの子よ。(メシアよ。)私を憐れんでください。娘が、ひどく悪霊に取りつかれているのです。』

 しかし、イエスは彼女に一言もお答えにならなかった。そこで、弟子たちはみもとに来て、『あの女を帰してやってください。叫びながらあとについて来るのです。』と言ってイエスに願った。

 しかし、イエスは答えて、『わたしは、イスラエルの家の滅びた羊以外のところには遣わされていません。』と言われた。

 しかし、その女は来て、イエスの前にひれ伏して、『主よ。私をお助けください。』と言った。

 すると、イエスは答えて、『子どもたちのパンを取り上げて、子犬に投げてやるのはよくないことです。』と言われた。

 しかし、女は言った。『主よ。そのとおりです。ただ、子犬でも主人の食卓から落ちるパンくずはいただきます。』

 そのとき、イエスは彼女に答えて言われた。『ああ、あなたの信仰は立派です。その願いどおりになるように。』すると、彼女の娘はその時から直った。」(マタイ15:22-28)

 

 契約のない異邦人は、神のひとり子イエスをメシアと信じてすがる信仰によって、神の憐れみを受けたのです。

 

 神は、ひとり子を、御自分の民イスラエルに遣わしておられました。それ以外の民族には遣わされていなかったのです。神に遣わされた神のひとり子イエスは、父に忠実でした。イエスは、ご自分を遣わされた方に忠実でした。イエスは、ご自分の感情で憐れんだり退けたりはされません。ただ、父に聞き従われたのです。

 

 「わたしは、イスラエルの家の滅びた羊以外のところには遣わされていません。」これが、イエスの答えです。イスラエルの家は、神の民の家。

 奴隷の家エジプトからイスラエルを救い出されて、アブラハムに約束された相続の土地カナンの地に導き上らせられたのは、イスラエルが神の家族(アブラハム、イサク、ヤコブの家族)だからです。また、それは、彼らの父祖アブラハムに約束された契約ゆえでした。

 

 ユダヤ民族は、雄羊の血でエジプトと区別され、紅海の水を通って、神との契約を結び、モーセの律法を受けた神の民です。ユダヤ民族は、ひとつの家です。この神の家族は、羊の血によって罪の裁きが過ぎ越され、水のバプテスマによってまことの神を「私たちの神」と呼ぶ神の民として生まれ、神の律法(モーセの律法)を受けた神の民です。

 ユダヤ民族は、神の律法を守る神の家です。神のキリストを生んだ神の家です。神の子羊を屠り祭司の務めを果たした神の家です。神の家の実子なのです。

 

 神のひとり子は、イスラエルの滅びた羊のところに来られました。律法を守れなくて失意の中にいる羊、光を見失っている羊を正しい道に導き、神の民の中に入れるために来られました。イスラエルの盲人を導くために来られました。イスラエルの迷える羊を連れ戻して養うために来られました、神の家を天に引き上げるため、イスラエルに永遠のいのちを得させるために来られたのです。

 

 神は、イスラエルに約束しておられた御救いを、神のひとり子イエスによって成し遂げられました。神は、人の子イエス(神のひとり子)によってイスラエルのところに来られ、イスラエルを招かれたのに、イスラエルはそれを拒みました。

 

 自分は正しい、罪はないとするイスラエルから、御救い(キリストの福音)は取り上げられて、契約の無い異邦人に御救いが広められました。神の家の実子が、長子イエス・キリストを憎んで家を出たので、神は、長子の栄光のために、長子イエス・キリストに仕える養子(契約のなかった異邦人)を招き入れられたのです。

 

 神の救いは、家族とともにありました。神は、地を水で滅ぼされたとき、神の御前に正しいノアと契約を結び、神に従って箱舟を造ったノアとその家族を、水による滅びから救い出し、世を改められました。

 ロトの住むソドムの町が滅ぼされるとき、神は、神のしもべアブラハムの執り成しにより、神を信じるロトとロトの家族を、火による滅びから救い出されました。

 

 神は、家族を救われました。神の家イスラエルが不従順になったのは、実に、契約のなかった異邦人が神のひとり子イエス・キリストを信じて神の民に加えられるためでした。

 

 神は、神の家族を救われます。異邦人の完成のなるときに、神は、イスラエルの思いに掛かっていた覆いを取り除け、十字架につけたナザレのイエスが神のひとり子キリスト(メシア)であったことを悟ります。イスラエルの心は、イスラエルの王イエス・キリストと一つとなるのです。

 

 神の家の実子(ユダヤ民族)が神の家に戻り、長子イエス・キリストを頭とする神の家族が新しく造られます。その中に、キリストの御霊によって新しく造られた神の子どもたち(御救いを受けて神の家の養子となった異邦人)が加えられて、永遠のいのちを得る神の家族が新しく創造されるのです。

 

 神が約束されたとおりに、アブラハムの子イサクの子孫、神に選ばれたイスラエル(ユダヤ民族)は、民族として御救いを受けます。神のひとり子は、人としてはユダヤ人として来られました。ユダヤ人は神の民だからです。ユダヤ人は、神のひとり子イエスの兄弟、家族なのです。

 

 アダムとエバは、一体の男女、夫婦です。神の家族の基本は、一体の男女夫婦のようです。母と子、親子ではありません。夫と妻が家族の基本です。

 神は、家族を最も大切な人間関係としてみておられます。それゆえ、主イエスを信じるならば、イエスは、家族を回復させて、信じる人だけでなく、その家族をも救うと約束しておられるのです。

 

 神の家族は、神のひとり子イエスと一体となる人々です。イエスは、この家族を回復し和解させて、安らぎと平和を与えられます。